【高知落石事件】「法律の向こうに現実がある」と気づかされた判例|高知の行政書士より

プライベート

こんにちは、行政書士の山本です。
いま私はゴールデンウィークで実家のある高知に帰省中です。

高知では既に田植えが終わってます。
早稲は米不足解消の一助になるかな?

そしてふと思い出したのが、ちょうど1年前――
この時期に高知で勉強していた「国家賠償法」で有名な判例、「高知落石事件」のこと。

なんとなく懐かしくなって、久しぶりにあの判例を読み返してみたところ、
1年前には気づかなかったことがいろいろと見えてきたんです。

今日はそんな視点から、この判例をご紹介したいと思います。

最初は「ふーん」で終わっていた判例

「国家賠償法の判例」と言われると、なんだかお堅くて、試験対策用の知識というイメージが強いですよね。
実際、1年前にこの判例を読んだときの自分もそうで、
「県道で落石事故があって、県が賠償責任を負ったんだな」くらいの感想で終わっていました。

でも、Googleストリートビューで現場を見てみて、正直ビックリしました。

絶壁と海に挟まれた、まるで映画のワンシーンみたいな場所。

「え、こんなとこに本当に道路あったの?」
「これは確かに落石起きるわ…」
と、初めて肌で感じたんです。

高知落石事件ってどんな事件?

この事件は、昭和45年(1970年)に高知県の国道56号線沿いで起きた事故です。

トラックが走行中、山の上から直径約1メートルの岩が落下。
助手席にいた方に直撃し、命を落とされました。

現場は、片側が急な崖、反対側は海というかなり険しい地形。
当時すでに「落石注意」の標識はあったものの、フェンスや金網などの実質的な防止措置はありませんでした。

国家賠償法って、こういうときに出てくるんです

この事件で争点になったのは、「道路の管理に落ち度があったのか?」という点です。

国家賠償法第2条1項では、ざっくり言うと、

「公の施設に欠陥(瑕疵)があって人にケガや損害を与えたら、国や自治体は責任を取ってね」

ということが書かれています。

裁判所は、

  • 落石の危険性が以前からあったこと
  • 実際に何度か落石が発生していたこと
  • それを県が知っていたにもかかわらず、実効性のある対策を取っていなかったこと

から、「これは道路管理の落ち度(瑕疵)がある」と判断しました。

しかも、高知県側が「予算がなくてできなかった」と主張したのに対し、
最高裁はそれを一蹴して、

「お金がないからといって、安全対策をしなくていい理由にはならないよ」

と、きっぱり言い切りました。

現場を見て、判例の“温度”が変わった

Googleストリートビューで事故現場を見て、本当に思いました。

「これは知識として覚えるだけではもったいない」と。

地形を見れば、いかに落石の危険が現実的だったかが分かるし、
そもそもそんな場所に道を通すっていう土木のすごさと、それに伴うリスクの高さにも驚かされました。

今でこそしっかりしたフェンスが設置されていますが、
50年以上前の当時、それを整備するのは相当難しかったんだろうなと感じます。

ちなみにこの旧国道について、70過ぎのウチの親父に聞いてみたんですが、
「そういえば昔はそんな道があったような気がするな〜」くらいの記憶で、詳しくは覚えていないそうです。

高知県民ですら知らない人が多い場所。
でも、法律の教科書には今も残っていて、これから受験する皆さんの頭にも刻まれる場所。

なんだか不思議な気持ちになります。

今、勉強している受験生の方へ

もしあなたが今、行政書士や司法試験などの勉強中で、この判例に出会ったとしたら――
ぜひ、一度ストリートビューで事故現場を見てみてください。

テキストで「管理の瑕疵」と書かれていることが、
「命に関わるリアルな問題だったんだ」と感じられると思います。

そうやって体感で覚えた判例は、記憶にも定着しやすいし、
なにより「法律って、人の生活とつながってるんだな」って思えるきっかけになるはずです。

まとめ

「高知落石事件」は、教科書に載っている判例ではありますが、
単なる暗記事項ではなく、実際に命が奪われた現実の出来事です。

高知にゆかりがある行政書士として、
この判例を少しでも“生きた話”として伝えられたらいいなと思って、今回この記事を書きました。

興味のある方は、ぜひストリートビューで「高知 落石事故現場」と調べてみてください。
そして、今後の勉強のヒントにしていただけたら嬉しいです。

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