最近はChatGPTやオンラインのリーガルサービスなどを使って、契約書をご自身で作成される方が増えてきています。
とても便利な時代になった反面、少し複雑な内容になると──
「これって本当にこのままでいいのかな?」
「相手に渡したら、何か言われそう…」
そんな不安を抱えて相談されるケースも少なくありません。
そこで今回は、当事務所に寄せられた「少し複雑な契約書」のご相談3選をご紹介します。
AIで作った契約書をうまく活用しつつ、実務で機能する契約に仕上げるポイントを、専門家目線でお伝えします。
ご相談①
成果の一部だけ報酬が発生する業務委託契約を作りたい
例:SNSで商品を紹介してくれるインフルエンサーと契約し、売上に応じて報酬を払う形にしたい
ある通販事業者さんからのご相談です。
とあるインフルエンサーさんと契約を結び、自社の商品をSNSで宣伝してもらうことになり、
「初期費用は抑えて、売れた分だけ報酬を払う」という内容で、ChatGPTを使って契約書を作成したところ、見た目は整っているものの、次のような疑問が…。
「“売れたら払う”って、具体的にどうなったら?」
「返品された場合は?」
「思ったより作業が増えたらどうする?」
途中まで契約書はできたみたいなんだけど、上記をどう契約書に盛り込めば良いのか不安になりご相談をいただきました。

実務家目線のポイント
- 報酬発生条件(停止条件)を明確に
- 支払い時期・方法・源泉徴収の有無
- 成果未達成時の扱い(ゼロか最低保証か)
- 契約外の作業が発生した場合の対応
こうした点を事前に決めておかないと、後から「言った・言わない」のトラブルになりやすいものです。
ご相談②
OEM製造の契約書を作ったら、相手から「不利すぎる」と言われた
例:機械部品を協力工場にOEM製造してもらい、自社ブランドで販売
ある製造業の経営者さんからのご相談です。
自社で設計・開発した機械部品を、自社のブランド名で販売する計画がありました。
しかし自社には製造設備がないため、長年付き合いのある協力工場に製造を委託(OEM製造)することに。
製造業の経営者さんがChatGPTと雛形を組み合わせて契約書を作成し、協力工場に送ったところ──
「あまりにも御社に有利な内容で、こちらが不利すぎます。これではサインできません…」

よく見ると、知財や品質責任の所在が発注者側に大きく傾きすぎていたようで、
困った経営者さんから当事務所に「どうすればよいでしょうか?」ご相談を頂きました。
実務家目線のポイント
- 知的財産権(図面・技術データなど)の帰属
- 製造物責任(不良品の定義、再製造の費用負担)
- 秘密保持と再委託の制限
- 相手の要望を反映できる柔軟性
特にOEM契約では、製造側(下請け)は立場が弱くなりがちです。
基本的なリスク対策は押さえつつ、その他の条項は相手の事情に合わせて調整することが、円満な継続取引の秘訣です。
ご相談③
外国企業との契約書、内容や翻訳に不安が…
例:海外企業と販売契約を結ぶため、ChatGPTで英文契約書を作成
ある製造業の事業者様からのご相談です。
自社の商品を海外でも販売したいと考え、現地の企業と販売契約を結ぶことになりました。
「まずは契約書のたたき台を作ろう」と思い、ChatGPTを使って契約書案を作成。
見た目はしっかり整っていて、一見問題なさそうに見えました。
契約書の形式は整っていましたが、相手からはこんな質問が。
「この内容、うちの国の法律でも有効ですか?」
「販売地域の範囲はどこまで?」
「翻訳版もほしいけど、機械翻訳で大丈夫?」
こうした質問を受けた事業者さんは、「確かに言われてみれば…」と不安になったそうです。
見た目はきれいに整った契約書でも、国が変われば法律や商習慣が違います。
そのため、相手の国の事情を知らないまま作った契約書では、思わぬ抜けや誤解が生じる可能性があるのです。

実務家目線のポイント
- 準拠法・裁判管轄の明確化
- 複数言語の契約で、どちらを優先とするか
- 販売地域や独占・非独占の明記
- 国ごとの法制度や商習慣の違いを踏まえる
先進国では日本と似た商慣習が多いですが、国によっては全く異なり、日本では一般的な条項が現地では法律違反になることもあります。
ChatGPTで作った契約書も、現地法や文化的背景に合わせた調整が欠かせません。
まとめ
AIやオンラインのリーガルサービスは、契約書作成の大きな味方です。
ですが、「見た目は立派でも、実際に動かすと困る契約」にならないよう、最後は実務と法律の両面からのチェックが必要です。
当事務所では、
- ご自身で作成された契約書案のチェック
- ChatGPTなどのAIで作成した契約書案のチェック
- 相手の要望を踏まえた修正提案
- 国際取引やOEMなど、複雑案件の調整
といったサポートを行っています。
契約書について「このままで大丈夫かな?」と少しでも気になる点がありましたら、
AIで作った契約書でももちろんOKですので、お気軽にご相談ください。
行政書士やまもと事務所
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