ニュースや役所の案内で目にする「過料」という言葉。
一見すると「罰金」と同じように感じますが、法律的には全くの別物です。
この違いを正しく理解しておくと、日常生活の中で役立つ場面も多くあります。
今回は罰金と過料の違いをやさしく解説し、最後に身近な交通違反の場合についてもご紹介します。
罰金とは
罰金は、刑法や特別刑法(道路交通法を含む)に基づく刑罰の一種です。
犯罪行為に対する制裁として科され、刑事裁判を経て確定します。
有罪が確定すれば前科がつくのが大きな特徴です。

道路交通法に基づく罰金の具体例
- 無免許運転(道路交通法第117条)
- ひき逃げ(救護義務違反:第72条)
- 危険運転致傷の一部(刑法と併せて適用)
- 信号無視でも危険性が高く悪質と判断された場合(赤切符扱い)
ポイント:罰金は「刑事罰」で、軽微な違反ではなく重大・悪質な場合に適用されます。
過料とは
過料は、行政法令や民事手続きの違反に科される行政上の金銭的制裁です。
刑罰ではないため、前科はつきません。
行政庁や裁判所によって科されますが、刑事事件のような「犯罪」扱いにはなりません。
過料の具体例
- 住民基本台帳法違反(転入届の提出遅延:第52条)
- 建築基準法の報告義務違反
- マイナンバー法違反(情報提供ネットワークシステムの不正利用)
- 裁判所の呼び出しを正当な理由なく欠席(司法過料)
ポイント:過料は「ルールや義務違反」に対する行政的なペナルティです。
罰金と過料の比較表
| 項目 | 罰金 | 過料 |
|---|---|---|
| 根拠 | 刑法・特別刑法(道路交通法含む) | 行政法令・民事手続 |
| 性質 | 刑罰 | 行政上の制裁 |
| 手続き | 刑事手続 | 行政処分・民事手続 |
| 前科 | つく | つかない |
| 例 | 無免許運転、ひき逃げ | 転入届遅延、マイナンバー法違反 |
じゃあ身近な交通違反はどうなの?
ここまでで「罰金」と「過料」の違いは分かっていただけたと思います。
では、私たちにとって身近な交通違反ではどうなるのでしょうか?
反則金(青切符)
- 対象:比較的軽微な交通違反
- 例:一時停止違反(第43条)、踏切不停止(第33条)、携帯電話の保持使用(第71条の5)、シートベルト未着用(第71条の3)など
- 根拠:「交通反則通告制度」(道路交通法第125条)
- 性質:刑罰ではなく、行政処分として支払う金銭
- 前科はつかず、期限内に支払えば刑事手続には進まない

罰金(赤切符)
- 対象:重大または悪質な交通違反
- 例:無免許運転、ひき逃げ、飲酒検知拒否、危険性の高い信号無視など
- 性質:刑事罰であり、裁判所での刑事手続を経て確定
- 有罪となれば前科がつく
反則金は過料なのか?
結論として、反則金は過料ではありません。
過料は行政法令違反に科される制裁ですが、反則金は軽微な刑事事件(交通違反)を簡易に処理するための特例制度です。
支払いによって刑事手続を免れるため、性質は行政過料とは異なります。
5. まとめ
- 罰金は刑事罰で前科がつく(道路交通法違反でも重大・悪質な場合)
- 過料は行政上の制裁で前科はつかない
- 反則金は過料ではなく、軽微な交通違反を簡易に処理するための特例制度
- 同じ道路交通法違反でも程度や悪質性で扱いが変わる
当事務所では、行政手続や法令遵守に関するご相談も承っております。
許認可や届出の際に「過料」のリスクがあるか不安な方は、お気軽にお問い合わせください。
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