みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の「行政書士やまもと事務所」山本です。
朝晩はまだ冷えますが、日中は少しずつ春の気配を感じる倉敷です。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
さて今日は、先日当事務所にご相談いただいた内容をもとに、相続に詳しくない方でも「なるほど!」と分かるように、やさしくお話しします。
「そんなことってあるの?」と思われるかもしれませんが、実は最近、ちょこちょこ耳にするお話なんです。
(相続、静かに流行ってます…って言うと変ですが…)
※プライバシーに配慮して、内容は一部アレンジしています。
相続の相談でよくある「えっ、そうなの?」な話
先日、最近ご主人を亡くされた奥様よりお問い合わせを頂きました。
葬儀も終わり、少し落ち着いたところで「そろそろ相続手続きを…」というご相談です。
お話を伺うと、ご主人にはご高齢のお母様(奥様から見るとお義母様)がいらっしゃいました。
お母様は、まさに手塩にかけて育てた自慢の息子さんだったそうです。

そこで奥様が、ふとこう言われたんです。
「先生、主人の遺産の手続きって、お義母さんのハンコも要りますよね?
育ての親ですし、いくらかはお渡ししないといけないと思うんです」
…うん、優しい。
人情としては100点です。
でも、法律の世界は時々、冷蔵庫の奥のカチカチの氷くらいドライです。
【結論】このケース、お母様は相続人になりません
手塩にかけて育ててきた一人息子が亡くなった――。
そんなお義母さんに、息子さんの遺産を相続する権利はあると思いますか?
「そりゃあ、親だもの。権利はあるでしょう」
…と思いますよね。
人情としては当然です。
でも実はこのケース、お母様には相続権がありません。
つまり法律上は、次のようになります。
- お母様のハンコ(遺産分割協議への参加)は不要
- 何もしなければ、遺産は1円も入らない
「えっ!?あんなに大切に育てたのに?」
そう思いますよね。
ここが相続のややこしいところです。
相続の「順位」ってなに?スポーツの表彰台みたいなものです
「手塩にかけて育てた一人息子が亡くなったのに、何もしなければ遺産は1円ももらえないって、どういうこと!?」
…そう思いますよね。
実は相続は、民法という法律で「相続できる人の順番(相続順位)」が決まっています。
イメージはスポーツの表彰台。
金メダル・銀メダル・銅メダルのように、優先順位があるんですね。
(先日、ミラノ・コルティナ五輪も開催されたばかりですし…スポーツの例えがしっくりきます)
第1順位:子ども(直系卑属)
第2順位:親(直系尊属)
第3順位:兄弟姉妹
※配偶者(夫・妻)はいつでも必ず相続人です。

子どもがいると、親は相続できない(ここが超重要!)
今回ご相談いただいたケースでは、ご主人と奥様の間にお子さんがいらっしゃいました。
ここが最大のポイントです。
相続のルールをざっくり言うと、こうです。
「上の順位の人が1人でもいれば、下の順位の人には権利が回らない」
つまり今回は、
- 第1順位の「子ども」がいる
→ 第2順位の「親」は相続人になれない
という結論になります。

子どもが赤ちゃんでも、大人でも関係ありません。
法律は年齢ではなく、「子どもがいるかどうか(存在しているか)」で判断します。
「えっ、冷たい…?」と思うかもしれませんが、法律は“気持ち”よりも、まずは公平に当てはめられる共通ルールを優先する仕組みなんですね。
「でも母に何か残したい…」その気持ち、形にできます
ここまで読んで、こう思った方もいませんか?
「いやいや、それじゃお義母さん可哀そうすぎるでしょ…!なんとかならんの?」
…分かります。私もそう思います。
「これまで育ててくれた感謝を形にしたい」
「母さんの老後が心配だ」
そういう気持ちは、すごく自然なことですよね。
では、今回のようなケースで、お母様にも財産を渡す方法はなかったのか?
実は——一つだけ方法があります。
それが、「遺言書(いごんしょ)」です。
たとえばご主人が生前に、遺言書で
- 「母に〇〇万円を渡したい」
- 「母の生活費として、毎月の支えになるようにしたい」
といった内容を残していれば、法律の“順位”よりも、本人の意思(想い)を優先できます。

つまり、今回のように本来は相続人ではないお母様でも、遺言書があれば、財産を渡せた可能性が高いということです。
高齢化で増えている「逆縁」…親より先に子が亡くなる現実
ここ最近、少し切ないお話を耳にすることが増えました。
それは、長生きの時代だからこそ起きる 「親よりも先に子どもが亡くなってしまう(逆縁)」 というケースです。
ご高齢のお母様にとって、頼りにしていた息子さんに先立たれるのは、精神的に本当に辛いことです。
さらに、もし息子さんがお母様の生活を経済的に支えていたとしたら
——不安は一気に現実になります。
「息子が亡くなって、明日からの生活どうしよう…」
「私にはもう、頼れる人がいなくなってしまった…」
もし息子さんに兄弟姉妹がいない場合、相談できる相手が少なくなり、お母様が生活面でも気持ちの面でも孤立しやすくなることがあります。
そんなとき、遺言書で「母さんの生活費として」と少しでも財産が残されていれば、それはお母様にとっての 「守り刀」 になります。
施設に入るための費用になるかもしれませんし、日々の安心につながることもあります。
(守り刀って言うとちょっと物騒ですが、要は“いざという時のお守り財布”です。財布の方が平和ですね)
まとめ:遺言書は「お金持ちのもの」ではなく「家族を守る手紙」
今回は、先日ご相談いただいた事例をもとに、相続の順位と、そこから見えてくる「遺言書の大切さ」についてお話ししました。
「え、そうなるの?」と感じた方も多かったのではないでしょうか。
遺言書というと、
「大金持ちが書くものでしょ?」
「家族が揉めないためのルールブックでしょ?」
というイメージが強いかもしれません。
でも私は、遺言書はそれだけではなく、“大切な家族、特に弱い立場になりやすい人を守るための手紙”だと思っています。

「うちは普通の家庭だから関係ないよ」
そう思わずに、いちど ご家族の構成と、「もしも」のときのことを想像してみてください。
法律のルールを知った上で、「じゃあ、うちはどうする?」と考えるきっかけになれば嬉しいです。
倉敷で相続・遺言のご相談なら、まずは気軽にどうぞ
行政書士やまもと事務所では、相続手続きはもちろん、遺言書の作成サポートも行っています。
「うちの場合、お義母さんは相続人になる?」
「遺言書って、どんな書き方が安全?」
「遺産分割協議って何から始めるの?」
そんな疑問が1つでもあれば、遠慮なくご相談ください。
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