自筆証書遺言の保管制度とは?公正証書遺言との違いやメリット・デメリットをやさしく解説

遺言

みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は 自筆証書遺言の保管制度についてお話しします。

遺言書を作っておきたい。
そう思って専門家に相談すると、よく出てくるのが「公正証書遺言」です。

たしかに公正証書遺言は安心感があります。
ただ、調べてみると「思ったより費用がかかるな…」と感じる方も少なくありません。

そこで出てくるのが、こんなお悩みです。

「そこまで費用はかけたくない。でも、何もしないのも不安。ちゃんと遺言書を残す方法はないの?」

そんな方に知っていただきたいのが、自筆証書遺言書保管制度です。

自筆証書遺言は、費用を抑えやすく、自分で作成できるという大きなメリットがあります。
その一方で、書き方を間違えると無効になるおそれがあり、さらに、せっかく書いても見つけてもらえない可能性があります。
こうした自筆証書遺言の弱点を補う制度として、自筆証書遺言書保管制度があります。

今回は、自筆証書遺言と公正証書遺言の違いを確認したうえで、自筆証書遺言書保管制度の内容、メリット、デメリットをやさしく解説します。

自筆証書遺言と公正証書遺言はどう違うの?

遺言書にはいくつか種類がありますが、一般の方が比較されることが多いのが、自筆証書遺言公正証書遺言です。

自筆証書遺言と公正証書遺言を ざっくり言うとこんな感じ。

  • 自筆証書遺言は、自分で作る遺言書
  • 公正証書遺言は、公証人に関与してもらって作る遺言書

自筆証書遺言は費用を抑えやすく、比較的手軽

自筆証書遺言は、自分で作成する遺言書です。
公正証書遺言に比べると、費用を抑えやすく、比較的取りかかりやすいのが特徴です。

「まずは自分で遺言書を書いてみたい」
「公正証書遺言ほど大がかりにはしたくない」

という方にとっては、現実的な方法といえます。

ただし、書き方を間違えると無効になることも

自筆証書遺言は手軽な反面、法律で決められた方式を守る必要があります。
書き方に不備があると、せっかく作っても無効になるおそれがあります。

つまり、自筆証書遺言は「手軽だけど、自由すぎるわけではない」ということです。

気軽に書けるようでいて、ルール無視はできません。
遺言書の世界は、意外とまじめです。
いや、かなりまじめです。

見つけてもらえないリスクもある

もうひとつ、自筆証書遺言で気をつけたいのが、せっかく作っても発見されない可能性があることです。

自宅で保管していた場合、

  • どこに置いたかわからなくなる
  • 家族が存在に気づかない
  • 亡くなった後に見つからない

といったことも起こりえます。

一生懸命書いた遺言書が、引き出しの奥でひっそり眠ったまま……では、少し切ないですよね。

公正証書遺言は安心感が高いが費用と手間がかかる

公正証書遺言は、公証人が関与して作成する遺言書です。
形式面での安心感が高く、より確実な形で遺言書を残したい方に向いています。

その一方で、公証人との打ち合わせや必要書類の準備など、一定の手間がかかります。
また、費用面でも自筆証書遺言より負担が大きくなることがあります。

自筆証書遺言の弱点を補うのが「保管制度」

ここで出てくるのが、自筆証書遺言書保管制度です。

  • 紛失しそう
  • 見つけてもらえないかもしれない
  • 改ざんや隠されるのが不安

そんな自筆証書遺言の弱点を補うための制度、それが自筆証書遺言 保管制度です。

自筆証書遺言の手軽さを活かしながら、自宅保管の不安を減らせる。
これが、この制度の大きな魅力です。

自筆証書遺言の保管制度とは

自筆証書遺言書保管制度は、自分で作成した自筆証書遺言を保管してもらえる制度です。

「自分で書いた遺言書を家に置いておくだけでは不安」
そんな方にとって、安心材料のひとつになる制度です。

遺言書を保管してもらえる制度

この制度を利用すると、自筆証書遺言を法務局に保管してもらうことができます。

自分で作成した遺言書を、ただ家の中で保管するのではなく、きちんと預けておけるため、紛失や見落としの不安を減らしやすくなります。

費用を抑えつつ利用しやすい

公正証書遺言に比べると、保管制度は費用を抑えながら利用しやすい方法として考えやすい制度です。

「公正証書遺言までは考えていないけれど、ただ家に置いておくのは不安」
という方には、ちょうどよい選択肢になりやすいでしょう。

自筆証書遺言の“弱点カバー役”

この制度は、言ってみれば自筆証書遺言の弱点カバー役です。

自筆証書遺言には以下のメリットがあります。

  • 費用を抑えやすい
  • 自分で作成しやすい

一方で、「見つけてもらえないかもしれない」「保管方法に不安がある」「改ざんや隠匿が心配」という弱点もあります。

保管制度は、そうした不安をやわらげるための制度として考えるとわかりやすいです。

自筆証書遺言の保管制度にもデメリットはある

法務局に預けることが出来、そして費用を抑えることができる自筆証書遺言 保管制度。
便利な制度ですが、もちろん万能ではありません。
デメリットも当然ながら存在します。

内容の有効性まで安心とは言い切れない

保管制度を利用したからといって、遺言書の内容そのものが完璧になるわけではありません。

たとえば、

  • 財産の書き方があいまい
  • 誰に何を渡すのかが不明確
  • 相続人どうしでトラブルになりやすい内容になっている

といった場合には、保管制度を利用していても問題が残ることがあります。

保管制度はあくまで「保管」の制度です。
“遺言書の中身まで先生が採点してくれる制度”ではありません。

自分で正しく作成する必要がある

自筆証書遺言は、自分で作成できる分、正しい方法で作ることが大前提です。

書き方を誤ると、せっかく残しても十分に活かせないおそれがあります。
手軽だからこそ、慎重さも必要になります。

人によっては手間に感じることもある

「自分で書いて、さらに保管制度の利用も考える」となると、状況によっては少し手間に感じる方もおられます。

とくに、以下のケースの場合には最初から専門家に相談した方がスムーズなこともあります。

  • そもそも遺言書って何を書けばよいのか わからない
  • 土地や建物、そして自動車や株式など財産が複数ある
  • 前妻の子供や養子など家族関係が少し複雑
  • 確実にトラブルを避けたい

さぁ遺言書を書こうと思って筆が止まったあなた。
専門家に相談することをおすすめします。

さいごはやっぱり専門家?

ここまで自筆証書遺言の保管制度の概要や、デメリットなどをご紹介しました。
ここまで読んでこう思った方、いませんか?

費用を抑えて自分で遺言書書くべきか?
それとも専門家に相談すべきか?

結論からいうと、保管制度はとても便利ですが、遺言書の内容までしっかり考えたいなら、やはり専門家への相談は安心です。

たとえば、財産の書き方や、相続人が複数いる場合、将来の相続トラブルをできるだけ防ぎたいなどは、一般の方だけで判断するのが難しいことがあります。

自筆証書遺言は手軽さが魅力です。
でも、手軽さと「あとで困らないこと」は、必ずしも同じではありません。

だからこそ、「自分で作る」+「必要なところは専門家に相談する」という組み合わせは、とても現実的です。

遺言書は、気合いだけで書くものではありません。
少し相談しながら進めるくらいが、ちょうどいいこともあります。

「なくさない遺言書!? 選択型・遺言書ものがたり」

【登場人物】
👨 お父さん:遺言書をどうするか悩み中
👦 子ども:相続のことはまだよくわからない
🧑‍🏫 近所の先生:迷ったときに現れる頼れる専門家
📜 プロローグ
お父さん
「そろそろ遺言書のこと、考えたほうがいいかなあ……。でも、公正証書遺言って費用も手間もかかりそうだな」
子ども
「じゃあ、やめとく?」
お父さん
「いや、やめとくのも不安なんだよなあ。よし、どうするか決めよう!」
🖊️ 自分で書くルート
お父さん
「自筆証書遺言なら、自分で書けば費用もかからないし、今すぐできるぞ!」
子ども
「お財布にやさしい遺言書だね。でも、書いた後はどこにしまっておくの?」
お父さん
「うーん、確かに。誰にも見られない安全な場所となると……」
⚠️ 自宅保管の罠
システム
タンスの奥に遺言書を隠したお父さん。しかし数十年後……
先生
「ちょっと待ってください! 自宅で隠して保管すると、万が一の時に家族が見つけられない『発見されないリスク』があります!」
子ども
「一生懸命書いたのに、見つからなかったら悲しいね……。しかも書き方のルール違反で無効になることもあるらしいよ」
お父さん
「ええっ! それは困る。どうすればいいんだ?」
🧑‍🏫 専門家に相談ルート
先生
「遺言書にはいくつか方法がありますよ。代表的なのが『自筆証書遺言』と『公正証書遺言』です。」
お父さん
「なるほど。公正証書は確実そうだけど、費用が少しネックなんだよなあ……」
先生
「自分で書く自筆証書遺言は費用を抑えられますが、紛失や偽造、見つけてもらえないリスクがあります。」
🏛️ 保管制度の登場!
先生
「そこで登場するのが『自筆証書遺言書保管制度』です! 自分で書いた遺言書を、法務局で大切に保管してもらえるんです。」
お父さん
「おお、法務局が預かってくれるなら絶対になくさないな!」
子ども
「引き出しの奥で眠らなくてすむんだね! でも、高いんじゃない?」
先生
「保管の申請手数料は、遺言書1通につき3,900円です。本人が法務局へ行く必要がありますが、比較的使いやすいですよ。」
✨ 亡くなった後のメリット
先生
「さらに亡くなった後、家庭裁判所での『検認』が不要になります。家族の負担がグッと減るんです。」
お父さん
「残された家族が面倒な手続きをしなくていいのは助かるね」
先生
「死亡時に家族へ通知がいったり、証明書を発行できたりと、制度としての道筋がしっかりしています。」
子ども
「すごい! じゃあ、とりあえず書いて法務局に預けさえすれば全部完璧なんだね!」
💡 制度の限界と大切なこと
先生
「実はそこが勘違いしやすいポイント! 法務局は『金庫番』であって、『添削の先生』ではありません。」
先生
「形式のチェックはしてくれますが、内容の不明確さや『相続トラブルの火種が消えるか』までは別問題なんです。」
お父さん
「えっ! せっかく預けても、中身でモメたら意味がないじゃないか。」
子ども
「じゃあ、複雑な財産があるときはどうすればいいの?」
先生
「だからこそ、書き方に迷う場合は行政書士などの専門家に相談して『中身をしっかり作る』のが安心です。」
🎉 エンディング
先生
「費用を抑えつつ自筆証書遺言の弱点を補う『保管制度』。これはとても有力な選択肢です。」
お父さん
「よし、制度を賢く使いながら、家族のための遺言書をちゃんと考えてみよう!」
子ども
「“そのうち”じゃなくて、“今から少しずつ”だね!」

📝 しめの言葉

遺言書のこと、自分にはまだ早いと思っていても、考え始めた日がちょうどよいタイミングです。保管制度を上手に活用して、ご家族への思いやりを形にしましょう。

📖 解説まとめ

ストーリーでお伝えした「遺言書と保管制度」の要点です。

自筆証書遺言の特徴

  • 自分で作成できる
  • 費用を抑えやすい
  • 比較的始めやすい
  • 注意: 方式不備で無効になるおそれがある
  • 注意: 自宅保管だと見つからないリスクがある

自筆証書遺言書保管制度とは

  • 自分で作成した自筆証書遺言を法務局で保管してもらう制度
  • 本人が出頭して申請する手続(予約制)
  • 手数料は1通3,900円
  • 相続開始後は家庭裁判所の検認が不要
  • 死亡時通知の指定制度もある

保管制度のメリット・注意点

  • メリット: 紛失・改ざん・発見されないリスクを大幅に減らせる
  • メリット: 費用を抑えつつ、家族への安心感を足せる
  • 注意: 内容の有効性(トラブルにならないか等)まで自動的に保証されるわけではない
  • 注意: 家族関係や財産内容が複雑なら、専門家に相談して中身を練るのが有効

遺言書の作成・手続きでお悩みの方へ

「自分で書いた遺言書、これで大丈夫かな?」「保管制度の手続きがよくわからない」とお悩みではありませんか?
遺言書の作成サポート(中身のチェックや提案)から手続きのアドバイスまで、専門家がお手伝いいたします。

岡山県倉敷市周辺でのご相談なら、行政書士やまもと事務所へぜひお気軽にお問い合わせください。

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当事務所のご紹介

ということで、今回は 自筆証書遺言と公正証書遺言の違いと、自筆証書遺言書保管制度の内容、デメリットを解説しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。

遺言書は、単に紙を1枚作る話ではありません。
ご自身の想いを、できるだけトラブルなくご家族へつなぐための準備です。

「公正証書遺言までは考えていないけれど、何もしないのは不安」
「自筆証書遺言を書きたいけれど、内容や書き方に自信がない」
「保管制度を使った方がいいのか、自分にはどの方法が合っているのか知りたい」

そのようなお悩みがある方は、早めにご相談ください。

当事務所では、遺言書作成のご相談、相続対策、自筆証書遺言書保管制度の利用を見据えたサポートまで、状況に応じて丁寧に対応しております。

倉敷市・岡山県内で、遺言書作成、相続、終活についてお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

遺言書は、思い立ったその日がはじめどきです。

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