みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
本日は、パソコンショップやIT関連事業を営まれている事業者様に向けて、古物商許可についてのお話をしたいと思います。
パソコンの入替やITサポート業務を行っていると、ほぼ必ずセットで発生するのが「古いパソコンの回収」。
お客様の負担を減らすために、古いパソコンを無料で回収しているという事業者様も多いのではないでしょうか。

そこで、ふと気になるのが「古物商許可」。
パソコンの回収と古物商許可と聞くと、こんなふうに思われる方も少なくありません。
- 「処分してあげているだけなんだけど…」
- 「無料で引き取っているから関係ないですよね?」
- 「中古として売っているのは、うちじゃないですし」
実はこれ、古物商許可が必要かどうか判断に迷いやすい“典型的なポイント”なんです。
今回は、パソコン回収を例に、どこから古物商許可が必要になるのか、またどこまでは不要なのかを、実務目線で整理していきます。
そもそも「古物商許可」って何のための制度?
本題に入る前に、そもそも古物商許可って何よってお話からしてみたいと思います。
古物商許可とは、簡単に言うと、中古品を仕入れて、販売する仕事をするために必要な許可です。
もう少し噛み砕くと、
- 中古品を買い取って
- それを売ったり
- 売るために預かったりする
こうした「中古品の売買を仕事として行う人」に対して、警察が出している許可になります。
盗まれた物や中古品が、知らないうちに売られてしまう。
実は、そんな事態が起きてしまうことがあります。
それを防ぐために、中古品が「誰から誰へ渡ったのか」という流れをはっきりさせ、トラブルや犯罪を防ぐ目的で設けられているのが、古物商許可という制度です。

法律ではどう判断されるの?
では、今回のようにパソコンショップさんが、パソコンの入替やITサポート業務の際に古いパソコンを回収するケースでは、古物商許可はどう扱われるのでしょうか。
結論としては、古物商許可が必要かどうかは、感覚ではなく法律上の基準で判断されます。
ポイントは「業として古物を扱っているか」
古物商許可が必要になるのは、古物を業として売買・委託販売などしている場合です。
ここでいう「業」とは、簡単に言えば商売として行っているかどうかという意味です。
つまり、中古パソコンを商売として販売している場合には、古物商許可が必要になるということになります。
無料でもらったものはどうなる?
気になるのが、無償でもらったパソコンを扱うケースです。
この点についての結論は明確で、無償で回収した古物そのものについては、原則として古物商許可は不要です。
なぜなら 古物商許可制度は、古物を「売買・交換・委託販売などを業として行うかどうか」を管理する制度だからです。
この考え方に立てば、
- 無償で引き取ったパソコン
- 無償で他人に譲ったパソコン
これらの行為そのものについては、古物商許可は不要という整理になります。

判断の軸は「そのパソコン、最終的にどうなる?」
では、実際の運の場合だとどうなるのか?
ここでは具体的にケースを例に挙げて見ていきます。
ケース①|回収して、そのまま廃棄・リサイクル処分
よくあるパターン
- 法人のPC入替時に古いPCを回収
- データ消去
- 産廃業者・リサイクル処理業者へ引き渡し
この場合、古物商許可は不要となります。
理由はシンプルで、
- 中古パソコンとして流通させていない
- あくまで「廃棄・処分」
だからです。
ケース②|下取りして、中古パソコンとして販売
これはパソコンを販売されているショップさんや、リユースショップさんの王道のケースです。
よくあるパターン
- 新品PC導入時に古いPCを下取り
- 整備・クリーニング
- 中古パソコンとして販売
この場合は、古物商許可が必要となります。
パソコンショップさんやリユース業者さんのホームページを見ると、ほぼ確実に「古物商許可証:岡山県公安委員会 第************号」と表記されているかと思います。
古物商許可を持っているのは、この業務をしているからです。
ケース③|法人から大量回収して、業者にまとめて引き渡す場合
法人のお客様の場合、「パソコンを一斉に入れ替える」というケースはよくあります。
- 何十台も一括回収
- 自社では何もしない
- 別の業者にまとめて引き渡す
こうした流れになることも多いと思います。
このような場合、
回収して引き渡すだけであれば、原則として古物商許可は不要です。
ポイントは、
自分のところで中古品として販売する業務を行っていないという点です。
ただし、こんな場合は注意が必要です
次のような関わり方をしている場合は、注意が必要になります。
- 「このパソコンを売ってもらえますか」と販売を依頼している
- 販売価格や条件を自分で決めている
- 売れた場合に、その一部を受け取る約束になっている
このような場合は、中古品の販売を委託している(委託販売)と判断される可能性があります。
このケースでは、古物商許可が必要になることがあります。
ケース④|分解して、資源・スクラップとして売る
では最後に、無償で回収したパソコンを分解した場合を見てみましょう。
例えば以下のケース。
- パソコンを完全に分解
- 金属・基板などを素材として売却
この場合は、原則、古物商許可は不要となります。
理由は、中古品として再利用・販売しているのではなく、あくまで「資源」として処分しているからです。

ただし「部品取り」は要注意
ここまでのお話でも、少しややこしかったかもしれません。
ここからは、さらに一段ややこしい話をします。
……が、できるだけ分かりやすく説明しますので、ぜひ付いてきてください(笑)
先ほど、無償で回収したパソコンを分解する場合は、原則として古物商許可は不要とお伝えしました。
ただし、ここには重要な例外があります。
それが、部品取りをして再販売するケースです。
パソコンに含まれる主な部品
パソコンには、主に次のような部品が含まれています。
- メモリ
- HDD/SSD
- 電源ユニット
- CPU
これらの部品を、「動作確認」をして「部品として」「再販売する」
この場合は、古物商許可が必要になります。
「分解したから全部OK」ではありません
パソコンを分解していると、
分解した = 中古品じゃない
だから大丈夫
と思ってしまいがちですが、それは誤解です。
部品であっても、中古品として再利用・再販売するのであれば「古物」に該当します。
そのため、「分解したから全部OK」ではなく、「部品として再販売するなら許可が必要」。
こう覚えておきましょう。

まとめ|迷ったら一度整理を
ということで、今回は パソコン回収を例に、どこから古物商許可が必要になるのか、またどこまでは不要なのかを解説しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。
パソコンの回収に関する古物商許可は、「無料か有料か」だけで判断できるものではありません。
- どんな流れで回収しているのか
- どこまで関わっているのか
こうした実態によって判断が変わります。
「うちは大丈夫かな?」と少しでも感じたら、早めに整理しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
パソコン回収や古物商許可について気になる点があれば、お気軽にご相談ください。
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