みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は 電気工事業者の登録でよくある質問について解説します。
電気工事業の登録をしようとして調べ始めると、このあたりで、急に分かりにくいと感じる方いませんか?
「一般用電気工作物等って何?」
「自家用電気工作物って何?」
「第二種電気工事士だけど、自家用はできないの?」
「そもそも、事業用の中に“自家用”ってどういう意味?」
実際、この部分はかなりややこしいです。
言葉が似ているうえに、分類のされ方も直感に反するので、初めて見ると混乱しやすいところです。
そこで今回は、これから電気工事業の登録を考えている方に向けて、「一般用」「事業用」「自家用」「小規模事業用」の違いを、できるだけやさしく整理してみます。
なお、文章だけだと分かりにくい部分もありますので、イラストも活用しています。
理解してもらえるように工夫してますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
そもそも、なぜこんなに分かれているのか
「一般用」「事業用」「自家用」「小規模事業用」の違いを説明する前に、まずはそもそもの考え方から整理しておきたいと思います。
なぜ、同じ“電気設備”なのに、「一般用」「事業用」「自家用」「小規模事業用」と、こんなに細かく分かれているのでしょうか。
理由はシンプルです。
電気設備は、全部が同じではないからです。
たとえば、一口に電気設備といっても、実際にはさまざまなものがあります。
- 一般住宅のコンセントや照明
- 小さなお店の屋内配線
- ビルの受電設備
- 工場の電気設備
- 太陽光発電設備
- 発電所や変電所
これらはすべて「電気に関する設備」ですが、規模も、危険性も、管理の重さもまったく違います。
たとえば、一般住宅の照明やコンセントと、発電所や変電所の設備とでは、設備の大きさも電気容量も大きく異なります。
同じ「電気設備」という言葉でまとめられていても、中身はかなり違うわけです。
これは、道路にたとえると分かりやすいかもしれません。
- 住宅街の道
- 幹線道路
- 高速道路
これらは全部「道」ですが、事故が起きたときの影響も、必要なルールも違いますよね。
電気工作物もそれと同じで、小さい設備と大きい設備では、法律上の扱いが変わるのです。
だからこそ、電気設備は一括りにせず、設備の規模や性質に応じて「一般用」「事業用」「自家用」「小規模事業用」といった形で分けて考えられているのです。

一般用電気工作物等とは何か
電気設備のそもそものお話が分かったら、次は一般用電気工作物等について解説します。
一般用電気工作物等は、ざっくり言えば、一般家庭や小さなお店などで使う電気設備です。
たとえば、以下をイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。
- 家の照明
- コンセント
- 屋内配線
- 小規模な店舗の配線
要するに、「ふつうの生活や小規模な営業で使う電気設備」と考えると、大きくズレません。
事業用電気工作物とは何か
一方で、事業用電気工作物は、もっと大きな設備の話です。
たとえば、こういった電気設備は事業用電気工作物になります。
- 発電
- 送電
- 変電
- 配電
- 大きな受電設備
ここで大事なのは、「事業用」という言葉は、“電力会社の設備だけ”を指しているわけではないということです。
事業用電気工作物の中には、自家用電気工作物も含まれます。

「事業用」の中に「自家用」があるのはなぜ?
ここまで読んでこうなっている方いませんか?
事業用電気工作物の中に自家用電気工作物が含まれるってなんやねん?
ここが最初のつまずきポイントだと思います。
「自家用」と聞くと、家庭用のように感じるかもしれません。
でも、ここでいう「自家用」はそういう意味ではありません。
ここでいう自家用とは、自分の事業のために使う電気設備というイメージです。
たとえば、以下などが「自家用」にあたります。
- 中小ビルの受電設備
- 工場の受電設備
- 構内配線
- 負荷設備
つまり、自家用電気工作物は、家庭用という意味ではなく、“自分の事業で使う大きめの設備”
と考えると分かりやすいです。

さらにややこしい「小規模事業用電気工作物」とは
ここが最大の混乱ポイントです。
小規模事業用電気工作物というのは、名前のとおり事業用の設備ですが、自家用電気工作物とは別の扱いになります。
具体例としては以下。
- 出力10kW以上50kW未満の太陽光発電設備
- 出力20kW未満の風力発電設備
ここでこんな素朴な疑問が出るかと思います。
「事業用なのに、なぜ自家用じゃないの?」
これは一言でいえば、
家庭用よりは重い。
でも本格的な事業用設備ほど重くはない。
だから中間の箱が作られている。
ということです。
たとえるなら、こんなイメージ。
- 一般用電気工作物 = 自転車
- 小規模事業用電気工作物 = 軽トラ
- 本格的な事業用電気工作物 = 大型トラック
軽トラは自転車ではありません。
荷物を運ぶトラックです。
でも大型トラックとまったく同じ扱いにすると重すぎます。
そこで、中間の区分として小規模事業用電気工作物がある。
そう考えると、かなり理解しやすくなるのではないでしょうか。
ここも、自転車・軽トラ・大型トラックのイラストを入れると、とても伝わりやすいポイントです。

第二種電気工事士の方が迷いやすい理由
電気工事業の登録を考える方の中には、第二種電気工事士の免状を持っている方も多いと思います。
そのときに悩みやすいのが、「第二種だと一般用だけ?」「自家用はできない?」「小規模事業用はどうなるの?」という点です。
整理すると、こうなります。
“第一種”電気工事士の場合
自家用電気工作物の工事ができます。
ただし、ここでいう自家用電気工作物は、主に最大電力500kW未満の需要設備です。
“第二種”電気工事士だけの場合
自家用電気工作物の工事はできません。
第二種電気工事士+認定電気工事従事者の場合
自家用電気工作物の工事ができます。
ただし、600V以下で使用する低圧のものに限られます。
つまり、こういう整理になります。
- 第二種だけ
→ 自家用はできない - 第一種
→ 自家用ができる - 第二種+認定
→ 自家用ができるが、低圧まで

では、小規模事業用電気工作物はどうなるのか
そしてもう一つ大事なポイントがあります。
それは、小規模事業用電気工作物はどうなるのかという点。
先ほどは、小規模事業用電気工作物は 一般用電気工作物等と事業用電気工作物の中間の区分、例えるなら軽トラ的な的な感じと言いました。
そんな小規模事業用電気工作物は、自家用電気工作物には含まれません。
そして、電気工事業の登録との関係では、一般用電気工作物等の側で整理されることになります。
つまり、「事業用」という名前がついているからといって、すべて自家用と同じではないということです。
ここを逆に言うと、第二種電気工事士の方が「事業用」という言葉だけを見てしまうと、必要以上に混乱しやすいわけです。
大事なのは名前ではなく、それが自家用電気工作物なのか、それとも小規模事業用電気工作物なのかを分けて考えることです。

迷ったときは、この順番で考えると整理しやすいです
最後に、今回のお話を整理してみます。
迷った時は以下の順番で整理してみてください。
1. 家や小さいお店の設備か
そうなら、まずは一般用電気工作物等を考えます。
2. 太陽光や風力で、小規模事業用にあたるか
たとえば、
- 10kW以上50kW未満の太陽光
- 20kW未満の風力
なら、小規模事業用電気工作物の可能性があります。
3. ビルや工場の受電設備か
そうであれば、自家用電気工作物の可能性があります。
この場合は、資格要件も変わってきます。
まとめ
電気工事業の登録で混乱しやすいのは、単に言葉が難しいからではありません。
名前が直感に反しているうえに、区分が細かく分かれているからです。
特に押さえておきたいのは、次の点です。
- 一般用電気工作物等は、一般家庭や小さな店舗などの電気設備をイメージすると分かりやすい
- 自家用電気工作物は、主に最大電力500kW未満のビルや工場などの需要設備を指す
- 小規模事業用電気工作物は、事業用ではあるが、自家用電気工作物には含まれない
- 第二種電気工事士だけでは自家用電気工作物は扱えない
- 第二種+認定電気工事従事者なら、自家用電気工作物のうち低圧を扱える
電気工事業の登録を考えている方は、まず「自分がやろうとしている工事はどの区分なのか」を整理することが大切です。
区分がはっきりすると、必要な資格や手続も見えやすくなります。
電気工事業の登録でお悩みの方へ
ということで、今回は、これから電気工事業の登録を考えている方に向けて、「一般用」「事業用」「自家用」「小規模事業用」の違いを整理してみました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。
自分なりに分かりやすく整理したつもりではありますが、それでも分かりづらい電気工事業者の登録。
当事務所では、そんな少々理解するにに苦労する電気工事業の登録に関するご相談や申請サポートを承っております。
「自分は登録でよいのか分からない」
「第二種しかないが、どこまでできるのか整理したい」
「必要書類をそろえる前に一度確認したい」
このようなお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。
分かりにくい制度を、できるだけやさしく整理しながら、スムーズな申請につながるようお手伝いいたします。
お気軽にご相談ください。
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