みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
本日は 許認可の世界にひっそり存在する“隠れルール”「総量規制(そうりょうきせい)」についてお話しします。
最近って、世の中いろんなルールがゆるくなって、なんだか「自由」になってきた気がしませんか?
(気のせいではありません。たぶん…たぶん…!)
たとえば、「コンビニでのお酒の販売」。
昔は、お酒を売る免許(酒類販売業免許)を取るには、「近くの酒屋さんから〇〇メートル離れていないとダメ」みたいな、なかなかスパルタな距離ルールがありました。
「近所に酒屋さんがあるから、うちのコンビニではビールが置けない…」なんて時代があったんですよね。

それが今は規制緩和が進んで、コンビニでもスーパーでも、当たり前にお酒が買えますよね。
昔を知っている方ほど、「便利になったなぁ」と感じるはずです。
(“冷えた缶ビールがいつでも買える”って、文明の勝利です)
行政手続きがぜんぶ自由になったかというと…そうでもありません。
今でも「早い者勝ち」「定員あり」という、ちょっと厳しいルールが残っている分野があるんです。
今回は、これから事業を始めようとする方が知っておかないと怖い、「総量規制」についてお話しします。
「総量規制」ってなに?
ではまず、「総量規制ってなによ?」からいきましょう。
漢字がズラッと並ぶと急に難しそうですが、仕組みは意外とシンプルです。
総量規制=行政が用意した「椅子取りゲーム」
一言でいうと、行政による「椅子取りゲーム」です。
(音楽が止まった瞬間に座れなかったら終了、あのやつです)
通常の許可、たとえば飲食店の許可などは、
- 衛生基準を満たす
- 必要な設備がある
- 条件(要件)が揃っている
…といった 「要件」をクリアしていれば、基本的には許可が下ります。
極端に言えば「条件を満たせば、何件でもOK」というイメージです。
ところが 総量規制 がある分野では話が変わります。
「このエリアでは〇〇個まで」数の上限(枠)がある
しかし、総量規制がある分野では、 「この地域(エリア)では、全部で〇〇個までしか許可しません」 という「数の上限(枠)」が決まっているのです。

つまり、どんなに立派な事業計画があっても、書類が完璧でも、「もう席(枠)が空いていないので、あなたは座れません(許可できません)」と断られてしまうことがあるのです。
(書類が“満点”でも、席が“ゼロ”。テストと違って残酷です)
なんでそんな意地悪な仕組みがあるの?
「なんでそんな意地悪なことをするの?」と思いますよね。
でも一応、理由はあります。
総量規制は、施設や事業者が増えすぎて
- 過当競争(みんなで争いすぎる)
- サービスの質の低下
- 地域のバランスの崩れ
といった問題が起きるのを防ぐため…といわれています。
これは、その施設が増えすぎて過当競争(争いすぎ)になったり、サービスの質が落ちたりして、地域のバランスが崩れるのを防ぐため…といわれています。
要するに、“増えすぎると地域がしんどくなるから、数をコントロールしましょう”という考え方ですね。
(ただし、挑戦する側からすると「席、増やして…!」って言いたくなるのも本音です)
具体的にはどんな手続きがあるの?
「椅子取りゲームなのは分かったけど、どんなビジネスが対象なの?」
ここが一番気になりますよね。
総量規制(あるいは似た発想の制限)が出やすいのは、ざっくり言うと “地域のバランス”や“安全・生活インフラ”に関わる分野です。
代表的なものをいくつかご紹介します。
病院のベッド数(病床数)
これはイメージしやすいかもしれません。
病院のベッド(病床数)は、都道府県ごとに「この地域(エリア)にはこれくらい必要」という 医療計画 が作られていて、ある程度“枠”が決まっています。
もし基準を超えてベッドが増えすぎると、
- 医療費が膨らむ
- 医師・看護師さんが分散してしまう
- 結果として医療の質が下がる恐れがある
といった問題が出ると言われています。
なので、枠がいっぱいの地域だと、極端に言えば「すみません、この地域のベッドは満席です」という状態になり、増やせないケースがあるんですね。
(病院のベッドが“予約満了”って、言葉のパンチが強い…)
タクシー・バス
「最近タクシー捕まらないんだけど!」という声も聞きますが、実は逆に車両が多すぎても問題が起きることがあります。
お客さんの数に対して台数が増えすぎると、
- 過度な競争で安全面の不安が出る
- 事故リスクが高まると言われる
- 運転手さんの労働環境が厳しくなる懸念
などが出てくるため、地域ごとの需要と供給のバランスを見て 台数などが調整されることがあります。
つまり、ここでも「席(枠)に限りがあります」 的な発想が出てくるわけです。
(椅子取りゲーム、車でやるとスピード感が違いますね)
公衆浴場(銭湯など)
銭湯については「数の上限」というより、どちらかというと配置規制(距離制限) が設けられていることが多いです。
簡単に言うと、「既存の銭湯から〇〇メートル以上離れていないと、新しい銭湯はつくれません」というルールです。
昔は「家にお風呂がない」が当たり前で、銭湯は生活に欠かせないインフラでした。
だからこそ、近くに乱立して共倒れにならないように、距離を保って営業を守る必要があったんですね。

ただ、今は多くの家庭にお風呂があり、公衆浴場の役割も「生活衛生」→「リラックス・観光」へ変わってきています。
それでも、法律や条例には 昔ながらのルールが残っていることがあるので、許認可申請の前に 事前相談で確認するのが安心です。
(“ととのう”前に“要件確認”が先、です)
恐怖!「物件契約したのに許可が降りない」を防ぐために
さて、ここからが今日いちばんお伝えしたいところです。
総量規制や配置規制などの“枠・制限”を知らずに、勢いだけで進めてしまうと……本当に取り返しがつかないことになりかねません。
いちばん怖いのが、次のパターンです。
(読んでいるだけで胃がキュッとなるやつです)
ある日、カフェ開業を夢見たあなたが“地獄”を見る流れ
- 「ここでカフェやりたい!」と理想の物件を見つける
- そのまま 賃貸契約 を結ぶ(初期費用ドーン)
- 内装工事も手配する(デザイン費ドーン)
- 最後に「よし、許認可申請しよう」と役所へ行く
- 役所の人:「あ、その場所は〇〇の規制があるので許可が出ません」
- あなた:「……え?」(時が止まる)
……想像しただけで背筋が凍りますよね。

物件の初期費用、内装のデザイン費、工事の段取り、場合によっては違約金まで。
お金も時間も“戻らない”可能性があります。
行政手続きの怖いところは、ここです。
「知らなかった」では済まされないことが普通にあります。
(学校なら「次から気をつけようね」で済むのに…大人の世界は厳しい)
開業準備で最初にやるべきは「物件契約」ではなく「事前相談」
事業を始めよう!と思い立ったとき、最初にやるべきは――
実は 物件契約 ではありません。
最初にやるべきは、ズバリ 事前相談(事前問い合わせ)です。
たとえば、計画段階で
「この場所で、こういう事業(業態)をやりたいのですが、許可は取れますか?」
「用途地域や距離制限、総量規制の影響はありますか?」
という形で、役所へ確認する。
あるいは、行政書士などの専門家に早めに相談する。
この “たったひと手間” が、あなたの
- 開業資金
- スケジュール
- 事業計画
- そして未来(大げさじゃなく)
を守ることになります。
物件は逃げるかもしれませんが、許可が取れない物件をつかむよりは100倍マシです。
(“理想の物件”より先に、“合法の物件”を確認しましょう)
さいごに
ということで、今回は、これから事業を始めようとする方が知っておかないと怖い、「総量規制」についてお話ししました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。
許認可の手続きは、「書類を出せば終わり」という話ではなく、実はスタート前の段取りがいちばん大事だったりします。
特に総量規制や配置規制が絡むと、場所選びの時点で勝負が決まることもあります。
当事務所では、単に書類を作るだけでなく、
- そもそも、その場所で許可が取れるのか?
- 開業するためにクリアすべき法律・条例は何か?
- 役所への事前相談(事前問い合わせ)はどう進めるべきか?
といった、スタートラインに立つための調査・診断からサポートしています。
これから倉敷で新しく事業を始めようと考えている方は、物件を契約する“その前に”、まず一度ご相談ください。
転ばぬ先の杖として、いっしょに安全なルートを探しましょう。
(できれば転んだあとではなく、転ぶ前に。膝は大事です!)
行政書士やまもと事務所
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