みなさん こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
本日は 最近よく耳にするBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)に関するお話をしてみたいと思います。
倉敷の美観地区を歩いていると、白壁の町並みと川舟の風景に癒やされて「仕事の通知、全部そっと川に流したい…」なんて思う瞬間があります。
でも現実はそうはいきませんよね。
バックオフィスは常にフル回転。
「猫の手も借りたい!」どころか、猫にもExcelを覚えてほしい勢いです。

さて今回は、企業の事務部門の方・小規模事業者さん・個人事業主のオーナーさん向けに、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の落とし穴をやさしく解説します。
結論を先に言います。
アウトソースしていい仕事と、専門家にしかアウトソースできない仕事があるんです。
そして後者を、うっかり一般の代行業者さんに頼むと……
法律違反リスク(=コンプライアンス事故)になり得ます。
私も「ダイエットをアウトソースできませんか?」って毎年探してるんですが、脂肪だけは“委託不可”みたいです(つらい)。
それと同じで、世の中には“委託不可ゾーン”が存在します。
BPO(アウトソーシング)で「違法」になりやすいポイント
最近 巷で流行っているBPO。
BPOは、ざっくり言うと「会社の仕事の一部を、社外の専門チームに任せる」こと。
日本語だと業務委託(アウトソーシング) の“ちょっと本格版”みたいなイメージです。
BPO自体はとても良い仕組みです。
人手不足対策、固定費の変動費化、業務効率化…メリットは大きいですよね。
ただし注意したいのはここ。
依頼側(会社)も「知らなかった」では済まないことがある
アウトソース先が勝手にやったから…ではなく、依頼した側も“その体制で大丈夫?”と問われるのがコンプライアンスの怖いところです。
境界線は「作業」ではなく「判断・法律効果」
ざっくり言うと、次のような仕事は要注意です。
- 法律の判断が入る
- 代理・交渉・申請の提出代行
- 書類の作成が“権利義務・事実証明”に当たる
- 資格者しかできないと法律で決まっている
ここが「独占業務」の世界です。

そもそも「独占業務」ってなに?
「独占」って言葉、ちょっと強そうですよね。
でも目的はズルい独り占めではなく、依頼者(企業・市民)を守るためです。
たとえば、盲腸の手術を「器用だから」で無資格の人に頼んだら…想像するだけで怖いですよね。

法律・手続きの世界も同じで、知識不足やミスがあると、
- 許可が下りない
- 期限を過ぎてアウト
- 申請内容が不備でやり直し
- 最悪、許可取消・罰則・取引停止
みたいに、会社にとってダメージが大きくなります。
だから国は「ここは資格者がやるべき」と線を引いています。
【中心】専門家にしかアウトソースできない業務とは?(士業別に整理)
ここからが重要です。
「BPOで外に出したい業務」が増えるほど、“どこまでOK?”の判断が必要になります。
ポイントは、“入力や整理”はOKでも、“判断や代理”はNGになりやすいということ。
代表例を士業別にまとめます(実務の現場でよく相談があるもの中心です)。
弁護士にしかできないこと(交渉・紛争の代理)
こんな業務は弁護士領域
- 取引先との揉め事の示談交渉
- 未払い金回収の交渉
- クレーム対応の“法的な”交渉
- 訴訟対応 など
「うちの代行会社が電話して交渉しますよ!」
…は、内容次第で危険な香りがします。
※一定範囲で司法書士が対応できるケースもあります(簡裁代理など)。
税理士にしかできないこと(税務相談・申告)
こんな業務は税理士領域
- 確定申告の作成・提出
- 法人税・消費税などの申告
- 節税などの税務相談
一方で、よくある線引きとして
- レシート整理
- 会計ソフトへの入力(記帳代行)
は、内容とやり方によってはBPOで対応できることもあります。
ただし、入力内容を「この科目が正しいです」と判断したり、申告までやるのは税理士領域に入りやすいです。
社労士にしかできないこと(労務・社会保険の手続き)
こんな業務は社労士領域
- 社会保険・労働保険の手続き代行
- 入退社の手続きの提出代行
- 就業規則や労務関連書類の整備・届出 など
「従業員が増えたから手続き、丸っと外注で!」は良いのですが、その“丸っと”の中身が社労士業務に当たることが多いです。
司法書士にしかできないこと(登記)
こんな業務は司法書士領域
- 会社の役員変更登記
- 本店移転登記
- 不動産の名義変更(登記)
など
登記は、やること自体が法律行為に直結するので、専門家に任せるのが安全です。

そして、見落とされがちなのが「行政書士領域」
実はここが、BPOを進める企業ほどハマりやすいポイントです。
なぜなら、行政手続きは「事務作業に見える」からです。
でも中身はがっつり許認可・法令・要件の世界です。
【ここが本番】「行政書士」にしかできないこと(BPOの落とし穴No.1)
行政書士は「街の法律家」と言われますが、バックオフィス目線でいうと、“役所関係の手続きのプロ”です。
そして、行政書士の独占業務に関わる代表がこれです。
行政書士の独占業務(超重要)
- 官公署(役所)に提出する書類の作成(許認可など)
つまり、「申請書を作って役所に出す」系は、かなりの確率で行政書士の守備範囲に入ります。
ここを無資格の代行会社が報酬を得て行うと、違法リスクが出てきます。
ここ倉敷市は、水島コンビナートもあり、建設業・運送業・製造業・飲食業も盛んです。
まさに行政書士業務の“出番が多いエリア”です。
以下、特に相談が多いテーマを、分量多めで丁寧にいきます。
1)建設業許可(新規・更新・業種追加・変更届)
建設業許可は、BPOを進める会社ほど「誰かに丸投げしたい」ランキング上位です。
気持ちは分かります。なぜなら…
- 必要書類が多い
- 要件(経営経験・専任技術者・財務など)の確認が必要
- 変更が出るたび届出が増える
- 更新は5年ごとにやってくる(忘れた頃に来る)
そして重要なのが、ここです。
“作業に見えて”実は判断のかたまり
建設業許可は、単なる書類作成ではなく、「要件を満たしているか」を読み解き、資料を組み立てる必要があります。
たとえば…
- この経験年数の証明で通る?
- この資格で業種要件を満たす?
- 決算内容の見せ方・添付書類は?
- 変更届、どのタイミングで何を出す?
これを慣れていない人が触ると、「出したけど補正」「追加資料の山」「期限ギリギリで冷や汗」になりがちです。
BPOでありがちな“危ない委託”パターン
- 代行会社が申請書類一式を作って提出までしている
- コンサル会社が報酬を得て許可申請書を作成している
→ 業務の切り分け次第でアウトになり得ます
だからこそ、建設業許可は行政書士に相談するのが安全です。
(弁護士が対応できる場合もありますが、実務での許認可運用は行政書士が得意分野です)。
2)外国人雇用の在留資格(ビザ)手続き(申請書作成・取次)
倉敷でも、工場・飲食・介護などで外国人雇用が増えています。
ここで多いのが「人材会社に全部任せているけど、これ大丈夫?」という不安です。
ここはミスると“会社側”のリスクが大きい
在留資格は、書類不備で不許可になるだけでなく、状況によっては不法就労助長など、会社側のリスクに直結するケースがあります。
行政書士に任せるメリット(現場目線)
- 雇用内容と在留資格の整合性チェック
- 会社側の準備書類(雇用契約書・説明資料等)の整備
- 申請理由書など“通りやすい説明”の構成
- 入管への取次対応(※届出済の行政書士が対応)
「雇用したい」気持ちだけでは進めにくいのが在留資格。
BPOで外注するなら、行政書士(入管業務に強いところ)が安心です。
3)会社の定款(作成・変更)と、許認可が絡む事業の書類
定款は「会社のルールブック」
会社設立時や事業拡大時に必要になるのが定款です。
「ネットのひな形で作ればOKでしょ?」と思われがちですが、
事業内容や許認可の予定があると、目的欄の書き方ひとつで後から手戻りが出ることがあります。
- 許認可に必要な目的が入っていない
- 逆に広げすぎて金融機関や取引先の印象が微妙
- 将来の事業展開に合わせた設計になっていない
こういう“あとで効く違い”が出るので、行政書士に相談される方が多いです。
(会社設立そのものの登記は司法書士の領域ですが、役割分担して進めることもよくあります)
許認可(営業許可・登録・届出)は“行政書士の本丸”
たとえば業種によって
- 申請先が県か市か
- 必要要件が何か
- 添付資料が何か
- 現地調査や図面が必要か
が全然違います。
許認可が絡む事業ほど、「書類を作る」よりも「要件整理」が大仕事です。
ここをBPOの延長で一般業者に任せるのは、リスクが大きくなります。
4)補助金・助成金まわりの“書類作成”も要注意
補助金は「書類さえ出せばもらえる」ものではなく、要件・加点・事業計画・実績報告まで含めた運用が重要です。
ここで注意したいのが、行政書士の独占業務に当たるケースがあること。
代行会社が“報酬を得て”申請書類を作成して提出するスキームは、内容によって危険ゾーンに入り得ます。
「成功報酬でやります!」は魅力的に見えますが、契約の形・業務範囲の切り分けは必ず確認しておきましょう。

BPOでアウトソースしてOKな業務の例(安心ゾーン)
ここまで怖い話が続いたので、安心ゾーンも整理します。
次のような業務は、一般的にBPOと相性が良いです(もちろん守秘・品質管理は大前提)。
- データ入力、スキャン、ファイリング
- 請求書発行の“作業部分”、入金消込の補助
- 経費精算の一次チェック(ルールに沿った形式確認)
- 受付・一次対応(FAQ範囲内)
- 勤怠集計の“集計作業”(手続き代行は別途注意)
- 書類作成の補助(完成責任を資格者が負う形での分業 など)
迷ったら、判断基準はこの2つです。
判断のコツ
- 「法律効果がある書類か?」
- 「役所に出す・代理する・交渉する仕事か?」
ここに当てはまるなら、まず士業に相談するのが安全です。
「この業務、BPOしていい?」簡易シミュレーター
該当する項目にチェックを入れて「判定する」ボタンを押してください。
(あくまで目安としての判定です)
※この判定は一般的な目安です。実際の適法性は業務範囲・契約形態・最終責任の所在によって異なります。判断に迷う場合は専門家へご相談ください。
まとめ:餅は餅屋、書類は“資格者”へ。迷ったら行政書士が仕分け役になります
ということで、今回は BPOの落とし穴をガッツリ解説しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。
BPOは、バックオフィスの強い味方です。
ただし、アウトソースの中には
- 一般BPOでOKな仕事
- 専門家(士業)にしかできない仕事(独占業務)
が混ざっています。
そして特に、許認可・在留資格・官公署提出書類などは、行政書士の守備範囲ど真ん中です。
「これ、外注していいのかな?」
「代行会社に頼もうと思うんだけど、範囲が微妙…」
そんなときは、最初の段階で一度ご相談ください。
当事務所で対応できるものは全力で対応しますし、他士業が適任の案件は、内容に合わせて“最適な専門家”と連携して進められます。
ダイエットは自分との戦いですが、面倒な申請書類は私に任せてください(笑)。
倉敷の皆さまの事業がスムーズに回るよう、バックオフィスの味方としてサポートします。
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