契約書を作成するときに「収入印紙を貼る」というのは多くの方がご存じだと思います。
でも、印紙を貼ったあとにふとこんな疑問を感じたことはないでしょうか。

「あれ、消印ってしなきゃいけないの?」
「もし忘れたら契約書が無効になったりするの?」
実際、お客様からもよくいただくご相談の一つです。
今回は、収入印紙の「消印」について、やさしく解説していきます。
消印って何のためにあるの?
まず大前提として、収入印紙の「消印」は 契約書を無効にしないため にあるのではありません。
目的はただ一つ、収入印紙の再利用を防止するためです。
印紙を契約書に貼るだけだと、きれいに剥がして別の契約書に貼り直すことが可能になってしまいます。
そこで「この印紙はもう使いましたよ」という証拠に、印紙と契約書の両方にかかるように署名や押印をする
――これが「消印」です。
つまり、消印は「税金(印紙税)の取り扱い」の問題であり、契約の効力そのものとは関係がありません。
契約書は無効になるの?
ここが一番不安に思われる方が多いところです。

結論からいうと
――消印を忘れても契約書自体は有効です。
契約は、当事者同士の意思が合致すれば成立するもの。
印紙の有無や消印の有無で効力が左右されることはありません。
印紙税法はあくまで「税金」に関する法律であって、「契約の成立要件」ではないのです。
ですので、「消印を忘れたから契約書が無効になる」ということはありませんのでご安心ください。
もし消印を忘れたらどうなる?
契約は有効ですが、税務上の問題が残ります。
印紙税法第8条では「印紙は消印をしなければならない」と規定されており、消印を忘れた場合は 過怠税 が課される可能性があります。

過怠税とは「印紙税の貼付や消印を忘れたときに課されるペナルティ(追加の税金)」で、
一言でまとめるなら、「印紙税の罰金的な追加税」ですね。
もし印紙に消印を忘れると、以下のような負担が発生します。
具体例1:請負契約(契約金額1,000万円)
- 本来必要な印紙税額:2万円
- 消印を忘れた場合の過怠税:6万円 (2万円 × 3倍 = 6万円)
- 合計で8万円の負担になることも
具体例2:売買契約(契約金額500万円)
- 本来必要な印紙税額:1万円
- 過怠税:3万円(1万円 × 3倍 = 3万円)
- 合計で4万円の負担
このように、消印を忘れると契約書が無効になるわけではありませんが、余計な出費が発生する可能性があるのです。
誰が消印しても大丈夫?
ここもよく勘違いされやすいポイントです。
実は、消印は誰がしても構いません。
契約当事者でなくても、担当者や代理人でも有効です。
具体例2:システム会社の営業マン
システム会社の営業マンが、顧客と請負契約を締結しました。
印紙を貼ったものの、後で「消印をしていない!」と気づきます。
そこで営業マンが、自分の名前をボールペンで印紙にかかるように署名。
これで消印は有効です。
印紙と契約書が一体化して「再利用できない状態」になれば十分。
会社の代表印でなくても問題はありません。
実務でよくある誤解
- 「消印は必ず代表者印でないとダメ」
→ 誰がしてもOK。要は再利用できなければ良い。 - 「消印を忘れると契約自体が無効」
→ 無効にはならない。税金の問題だけ。 - 「ボールペンで線を引いただけじゃダメ?」
→ 線でも署名でもかまいません。印紙と契約書をまたいでいれば有効。
まとめ
- 収入印紙の消印は「契約書の効力」とは無関係。
- 消印を忘れても契約は有効。
- ただし、税務署からは過怠税を課される可能性がある。
- 消印は誰が行ってもOK。形式にこだわるよりも「再利用できない状態」にすることが大切。
契約書を作成するときは「印紙を貼る → 消印する → 保管する」をワンセットで覚えておくと安心です。

当事務所のご紹介
当事務所では、契約書の新規作成はもちろん、貴社で作成された契約書案のチェックも承っております。
また納品時には、今回のお話のような収入印紙のご相談や割印・契印などの正しい契約書の作成方法についてもあわせてアドバイスしております。
「契約書の内容はこれで大丈夫かな?」
「印紙の扱いや形式で間違っていないかな?」
といったご不安がある方は、ぜひお気軽に当事務所にご相談ください。
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