手書きじゃなくてもよくなる?自筆証書遺言のデジタル化に向けた制度案が公表されました

遺言

遺言書の作成方法に、大きな転換点が訪れようとしています。

2025年7月、法務省の法制審議会(法務大臣の諮問機関)の部会で、「自筆証書遺言のデジタル化」に関する中間案が取りまとめられました。
これまでの遺言書は、自筆での記載・押印など厳格な形式が求められてきましたが、今後はパソコンやスマートフォンを使って作成する遺言書の導入が検討され始めています。

この記事では、現行制度のおさらいと、今回示された中間案のポイント、今後の方向性について簡潔にまとめてみました。

遺言書には2つの主な種類があります

まず、遺言書には主に以下の2種類があります。

● 自筆証書遺言

本人が全文を手書きし、署名・押印を添えて作成する形式です。自宅でも手軽に作れますが、

  • 不備があると無効になる
  • 死後に家庭裁判所で「検認」が必要

といった注意点があります。

● 公正証書遺言

公証人が内容を確認し、公証役場で正式に作成される遺言書です。

  • 法的安全性が高く、原本が公証役場に保管される
  • 検認不要でスムーズに執行できる

といったメリットがある一方、証人の立ち合いや作成手数料が必要になります。

今回の中間案は「自筆証書遺言のデジタル化」

法制審で取りまとめられた中間案では、自筆証書遺言の作成方法をデジタルでも可能にする制度設計が検討されています。
これにより、たとえば次のような方法が案として盛り込まれました。

  • 本人が遺言内容を朗読した様子を録音・録画することで、本人の真意を確認できるようにする
  • パソコンなどで作成したデータやプリントアウトした書面を公的機関に提出・保管する方法
  • 電子署名やマイナンバーカードなどによる本人確認の仕組みも視野に入れた検討が継続中

こうした仕組みによって、単に作成が簡単になるだけでなく、偽造や改ざんのリスクを抑えつつ、確実に本人の意思を反映できる制度設計が目指されています。

制度の導入には法改正が必要です

今回の案はまだ「中間案」の段階であり、実際にこの制度が利用できるようになるには、

  • 民法など関連法の改正
  • 運用ルールの整備
  • 技術的な基盤の確保(電子署名や保管システム)

といった準備が必要です。
現時点では、2026年の通常国会に向けた法案提出が一つの目安とされており、今後さらに詳細な議論が進む見通しです。

デジタル化には賛否両論

この制度案については、「利便性が高まり、トラブルも防ぎやすくなる」といった期待の声がある一方で、
「ITが苦手な人にはハードルが高いのでは?」
「誰かに誘導されて作成されるリスクはないのか?」

といった慎重な意見も出ています。

法制審でも、こうした懸念を踏まえて、録画・録音や公的保管といった制度の“信頼性の確保”に重きが置かれています。
今後も、誰もが安心して使える制度にするための議論が続いていくことになるでしょう。

行政書士として、できること

遺言書の作成支援は、行政書士の大切な業務の一つです。
当事務所でもこれまでに、数件ながら遺言書の作成や内容確認のお手伝いをさせていただいております。

今回のようなデジタル化の流れに対しても、「制度面だけでなく、ITにも詳しい行政書士」としてご相談に応じられる体制を整えていきたいと考えています。

「初めてのことで何から始めていいか分からない」
「将来のために少し考えておきたい」

そうしたお気持ちをお持ちの方も、どうぞお気軽にご相談ください。

おわりに

遺言書のデジタル化は、まだこれから実現していく制度ですが、
「遺言は手書きでなければならない」という常識が見直されようとしているのは確かな流れです。

当事務所でも、これまでに数は多くないながらも、自筆証書遺言や公正証書遺言の作成に関するご相談や書類作成のサポートを行ってきました。
そして今後は、制度のデジタル化にも対応できるよう、ITにも強い行政書士としての体制を整えていきます。

もちろん、遺言書の作成やご相談は、当事務所の正式な業務として承っております。
「遺言って必要なのかよく分からない」
「まずは話だけ聞いてみたい」

そんな段階からでも大丈夫です。

お気軽にご相談ください。あなたの想いを、きちんと形にするお手伝いをさせていただきます。

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