「相続した実家をそのまま放置している」
──そんな声をよく耳にします。
遠方に住んでいる、誰も住む予定がない、売却もできず放置してしまう…。
けれども、放置された家は時間が経つほど老朽化し、倒壊や景観悪化につながります。
最終的には「特定空家」に認定され、行政代執行による強制的な解体が行われることもあるのです。
実際に倉敷市でも行政代執行の事例がありました。
今回は実例を踏まえて「なぜ空き家が問題になるのか」「特定空家に認定されるとどうなるのか」、そして「行政書士がどのようにサポートできるのか」を分かりやすくご紹介します。
特定空家とは?
「特定空家」とは、空家等対策特別措置法に基づき、市町村が以下の状態にあると判断した建物です。
- 倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある
- 衛生上有害となるおそれがある
- 適切な管理が行われず景観を損なっている
- 周辺の生活環境保全上不適切な状態

こうした建物は、行政から「助言・指導」→「勧告」→「命令」と段階的な是正要求を受け、それでも改善がなければ最終的に行政代執行が行われます。
特定空家になってしまう典型的なケース
では、なぜ空き家は放置され「特定空家」となってしまうのでしょうか?
典型的な要因をいくつか挙げます。
- 住人が亡くなり、相続人がそのまま放置
例:親が亡くなり、実家を相続したが誰も住まず、固定資産税だけ払い続けて放置 → 屋根瓦が落下。 - 相続人同士で意見がまとまらない
例:兄弟姉妹が複数いて「売却したい」「残したい」で対立 → 誰も管理せず荒廃。 - 経済的な理由で修繕できない
例:相続人も高齢で修繕費用を出せず、結果的に外壁や屋根が崩落。 - 利用予定がなく管理契約も結んでいない
例:「そのうち売るかも」と放置 → 雑草や害虫で衛生上有害に。 - 相続放棄・相続人不存在
例:全員が相続放棄 → 所有者不在の状態で誰も修繕できず → 市が特定空家に指定。

これらはいずれも「最初は小さな放置」から始まります。
ですが、年月が経つにつれて問題は深刻化し、特定空家認定や行政代執行へとつながっていきます。
倉敷市で実際にあった代執行の事例
2023年10月、倉敷市茶屋町で築70年以上の木造住宅が「特定空家」に指定され、市による略式代執行で解体されました。
- 所有者は3年前に死亡
- 相続人は全員が相続放棄
- 屋根や外壁の崩落が進み、倒壊の危険が高まったため代執行へ
- 解体費用は約315万円、このケースでは市が全額負担
これは倉敷市で初めての特定空家の代執行事例として報じられ、大きな注目を集めました。
通常は誰が費用を負担するのか?
ここで注意が必要なのは、今回の倉敷市の事例では「相続放棄」がされていたため、市が公費で負担したという点です。
しかし、これはあくまで特殊なケース。
通常は、行政代執行にかかった費用は所有者や相続人が負担するのが原則です。
- 相続人が存在 → 相続財産から支払い、または相続人へ直接請求
- 相続人不存在でも財産清算人が選任されれば、清算財産から支払い
- どうしても費用回収できない場合のみ、市が最終的に負担
「相続放棄すれば費用を払わなくて済む」と単純に考えるのは誤りで、むしろ管理責任をどう果たすかが問われます。

行政書士ができるサポート
行政書士は、相続段階から空き家問題の整理を支援することができます。
- 遺産分割協議書の作成
空き家を売却するのか、誰が相続するのかを明確にすることで放置を防ぐ。 - 空き家活用の提案
賃貸・売却・管理契約などを契約面からサポート。 - 行政対応のサポート
特定空家の通知が来た段階で、行政への回答や必要書類を整備。
こうした支援により「放置していたら特定空家に指定されてしまった」という事態を未然に防ぐことができます。
まとめ
空き家問題は全国的に深刻化しており、倉敷市でも実際に行政代執行が行われています。
相続をきっかけに発生する空き家は、放置すれば「特定空家」となり、最悪の場合には解体費用を請求されるリスクがあります。
だからこそ、相続が発生した時点で「空き家をどう扱うか」を整理しておくことが重要です。
行政書士は、遺産分割協議書の作成から活用方法の提案、行政対応のサポートまでトータルで支援できます。
倉敷市や岡山県内で空き家相続や特定空家に関して不安をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
行政書士やまもと事務所
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