― 知らないまま使うとトラブルになることも ―
はじめに:実家の土地を相続したら「畑」があった!?
親の土地を相続したとき、登記簿を見ると「田」や「畑」と書かれていることがあります。
それが、農地と呼ばれる土地です。
実はこの農地、たとえ相続で受け継いだ場合でも、農業委員会への届出が必要なんです。
もし何も知らずに駐車場や家を建ててしまうと、「無断で農地を使った」として農地法の違反になることもあります。
今回は、相続した土地に農地が含まれている場合に知っておきたい基本ルールをやさしく解説します。
「農地」とはどんな土地のこと?
「農地法」という法律では、登記簿の地目(ちもく)ではなく、実際の使われ方で判断されます。
つまり、登記上は「宅地」と書かれていても、実際に畑や田んぼとして使われていれば、それは「農地」とみなされます。

逆に、登記では「畑」となっていても長年放置されて雑草だらけなら、実際には農地に当たらないこともあります。
まずは農業委員会で現地の状態を確認するのがおすすめです。
相続したら農業委員会への「届出」が必要です
相続や遺贈(いぞう)で農地を取得した人は、おおむね10か月以内に農業委員会へ「相続届出」をする必要があります。
この届出は「農地を誰が引き継いだか」を知らせるためのものです。
相続登記とは別の手続きになります。

農業委員会とは?
市町村ごとに設置されている行政機関で、地域の農地の利用や転用の許可などを担当する「農地の専門窓口」です。
届出をしていないと、後で農業委員会から連絡や指導が入る場合があります。
登記や分割の手続きと一緒に済ませておくのが安心です。
どうして自由に使ってはいけないの?他人に貸すのも制限あり
農地法の目的は、「食べ物を安定して作るために、農地を守ること」です。
つまり、農地は個人のものではあっても、国全体の食料を支える大切な土地なんです。
そのため、「自分の土地だから好きに使っていい」という考え方は通りません。
農地を宅地や駐車場など、別の目的に使うときは、行政の許可や届出が必要とされています。
他人に貸したり売ったりする場合も注意!
農地を他の人に貸したり売ったりする場合には、農地法第3条の許可が必要です。
この許可を受けないまま契約しても、その契約は無効になるおそれがあります。
親戚や知り合いに「ちょっと使っていいよ」と貸す場合でも、基本的には許可が必要なので注意が必要です。

なぜそんなに厳しいの?
- 無秩序な宅地化を防ぐため
- 農業を続ける人を守るため
- 食料を安定して作り続けるため
こうした理由から、農地の利用にはルールがあります。
「畑を駐車場にしただけ」という軽い気持ちでも、農業委員会から是正の指導や元の状態に戻すよう求められるケースもあります。
無断で転用すると「農地法違反」にあたります
農地を許可なく宅地や駐車場などに変えることを無断転用といいます。
この場合、農地法第4条や第5条に基づいて、
- 元に戻すよう命じられる(原状回復)
- 名前が公表される
などの行政処分を受ける可能性があります。

「知らなかった」では済まないケースもありますので注意が必要です。
行政書士やまもと事務所では
相続で土地を受け継いだ際、そこに農地が含まれている場合には、農業委員会への届出や農地転用の許可など、専門的な手続が必要です。
行政書士やまもと事務所では、倉敷市・岡山市・浅口市・総社市を中心に、相続から農地の届出・転用まで一貫してサポートしています。
「相続した土地の一部が畑だった」
「農業委員会への届出が必要か分からない」
「駐車場にしたいけど、許可が必要?」
そんなお悩みがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。
地域に根ざした事務所として、現況確認から届出・申請まで、安心してお任せいただけるサポートを行っています。
行政書士やまもと事務所
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