友人・知人・家族にお金を貸すことはめずらしいことではありません。
「助けたい」
「困っているなら力になりたい」
その気持ちはとても優しいものです。
でも、同時に心のどこかで
「もし返してもらえなかったらどうしよう」
「話したことで関係が悪くなるのは嫌だ」
という不安もあるかもしれません。

実は、お金の貸し借りは「返ってこないかもしれない」ことよりも、気持ちや関係が壊れてしまうこと の方がつらいのです。
今回は、貸す前に“やさしく備える方法” として「債務名義(さいむめいぎ)」と「公正証書」についてご紹介します。
難しい法律の話ではなく、後から揉めないためにできる“思いやりのある約束の仕方” をお伝えします。
債務名義って何?
一言でいうと、
お金を返してもらえない時に、強制的に支払いを求めるための「法的な根拠」のことです。
これがあると、もし返済が滞っても
- 給与
- 銀行口座
- 動産・不動産
などから、裁判所を通して“差押え”ができるようになります。
反対に言えば、
債務名義がない状態では、どれだけ証拠があっても「お願い」しかできません。
これは、お金を貸した側にとって大きな不安要素になります。
契約書や借用書は「証拠」にはなるけれど…
お金を貸すときに、
- 借用書
- LINEのやりとり
- メモ書き
- サインだけの約束書
などを用意することがあります。
これらは 「確かに約束があった」証拠 にはなりますが、残念ながら 強制力はありません。
つまり、もし返してもらえなかった場合には 裁判をして勝つ必要がある ということです。
そこで登場するのが「公正証書」
お金を貸す前に、返済の条件をきちんと話し合い、その内容を公正証書という形にしておくと状況が大きく変わります。
特に、
「強制執行認諾条項付き公正証書」
という形にしておくと、裁判をせずに差押えができる状態(債務名義)が手に入ります。
なぜ公正証書にはそんな力があるの?
公正証書は、公証役場という役所のような場所で公証人(法律のプロ)が内容をチェックして作る公文書 です。
その中に、
返済が滞った場合は強制執行に服します。
という文言(強制執行認諾条項)が入ることで、裁判と同じ効力を持つようになります。
つまり、
・契約書は「約束しました」
・公正証書は「約束を守らせることができます」
という違いがあります。
ただし、ここはとても大切なポイント(デメリット)
公正証書は貸す側だけの判断で作ることはできません。
- 貸す側
- 借りる側
双方が合意していることが前提 です。
さらに、
- 返済条件を一緒に話し合う
- 公証役場に二人で行く
- 署名 / 押印を双方が行う
必要があります。
つまり、
借りる側が「公正証書は嫌だ」というと作れません。
ここは、押しつけにならないように十分に注意が必要です。

では、どう伝えれば良い?
「あなたを疑っているわけじゃないよ。お互いに安心できる“ルール”にしておこうね。」
という “関係を守るための提案” として伝えることが大切です。
行政書士にできるサポート
| 内容 | 行政書士は可能? | 補足 |
|---|---|---|
| 返済内容の整理・相談 | ○ | 気持ちも含めて丁寧に整理します |
| 借用書・合意契約書の作成 | ○ | 書類を明確でやさしい表現にします |
| 公正証書原案の作成と公証役場との調整 | ○ | 公証役場とお客様との間の調整を行います |
| 強制執行(差押え)手続 | × | ここは弁護士の領域です |
行政書士が関わる目的は、
争いを避けながら、安心できる形で約束を残すこと
です。
最後に:やさしい貸し方は、関係を守る貸し方です
もしあなたが「助けたい」気持ちでお金を貸そうとしているなら、そのやさしさはとても尊いものです。
だからこそ、
- 返してもらえなかったときに傷つかないように
- 相手との関係が壊れないように
- お互いが安心できる形で
最初に約束を整えておきませんか?
無理に受任したり、争いを煽ることはしません。
まずは状況とお気持ちを聞くところから、ゆっくりお話ししましょう。
倉敷駅・水島・玉島方面への出張相談にも対応致します。
行政書士やまもと事務所
🏠 岡山県倉敷市
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