和解書・合意書・覚書・示談書の作成は“合意後”にご相談ください

和解書・合意書・覚書・示談書

~行政書士にできること・できないことを分かりやすく解説~

はじめに

日常生活やビジネスの中では、トラブルや取り決めを解決するために「文書」を残す場面が少なくありません。
その代表的なものが 和解書・合意書・覚書・示談書 です。

当事務所でもこれらの文書作成を承っておりますが、ここで大切な前提があります。
それは、これらの書面は「相手方と合意が得られた後」でなければ作成できないということです。

行政書士は「合意した内容を正しく書面にまとめる専門家」であり、相手との交渉や代理を行うことは法律上できません。
今回は、それぞれの書類の意味や行政書士に依頼できる場面、そして弁護士にお願いすべきケースについて、やさしく解説します。

和解書・合意書・覚書・示談書とは?

和解書

争いごとを終わらせるために取り決めた内容をまとめた文書です。
たとえば金銭トラブルで「〇月までに△万円を支払うことで解決する」と決めた場合、それを記録するのが和解書です。

合意書

当事者間での取り決めや約束を確認するための文書です。
必ずしも争いが前提ではなく、業務のルールを定めたり、離婚協議での合意内容を残したりする場面で使われます。

覚書

口頭で決めたことや細かな取り決めを確認するための簡易的な文書です。
「合意書より軽い扱い」と思われがちですが、証拠としての効力は十分あります。

示談書

交通事故や損害賠償トラブルなどを話し合いで解決した際に作成する書面です。
「今後この件については追加の請求をしない」といった合意を明記することで、後日のトラブルを防ぎます。

行政書士の役割は「合意済みの内容を形にすること」

ここで一番重要なのは、行政書士が関わるのは「合意が成立した後」だという点です。

  • 相手との話し合いが終わり、条件が固まっている場合 → 行政書士が書面にまとめられます。
  • 相手とまだ条件がまとまっていない場合 → 行政書士は交渉できません。

行政書士はあくまで 「合意した内容を正確に文書化し、証拠として残す専門家」 です。
合意に至るまでの交渉や、紛争の解決は弁護士にしかできません。

具体例で見る「行政書士にできること・できないこと」

例①:交通事故の示談

交通事故に遭い、相手方と「示談金額や支払方法」について話し合いがまとまりました。

  • この場合 → 成立した内容を「示談書」にまとめるのは行政書士の仕事です。
  • ただし → 「いくらにするか」を交渉するのは弁護士の仕事です。

例②:離婚協議の合意書

夫婦間で協議離婚に合意し、財産分与や養育費の条件もまとまりました。

  • この場合 → 合意内容を「合意書」に整理するのは行政書士に依頼できます。
  • ただし → 条件について夫婦の間に入り調整することは弁護士の業務です。

行政書士に依頼いただける場面

行政書士に依頼できるのは、こんなケースです。

  • 相手と合意しているけれど、口約束だけでは不安
  • 書面にしたいが、自分ではどう書けばいいか分からない
  • 取り決めを将来にわたって安心できる形で残したい

具体的には、

  • 離婚協議の合意内容を「合意書」にする
  • 交通事故の解決内容を「示談書」にする
  • 取引先との細かな取り決めを「覚書」にする
  • 金銭トラブルを終結させる「和解書」にする

行政書士は、「合意を形にする」場面で力を発揮します。

行政書士では対応できない場面

逆に、行政書士が対応できないのはこんな場合です。

  • 相手との条件がまとまっていない
  • 交渉して有利な条件を引き出したい
  • すでに相手に弁護士がついている

これらはすべて弁護士の専門領域です。
行政書士が踏み込めば「非弁行為」となり、依頼者に不利益を及ぼす可能性もあります。

まとめ

和解書・合意書・覚書・示談書は、いずれも相手方と合意に至った後に作成できる文書です。
行政書士は「合意内容を正しく文書化する専門家」であり、交渉や紛争解決は弁護士の役割です。

依頼者の方は「合意したことをきちんと書面に残したい」と思ったときに、安心して行政書士にご相談ください。
それが、後日のトラブルを防ぐ最も確実な方法です。

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