海外企業と契約するときに注意したい3つのポイント

契約書

インターネットや物流の発展により、今や中小企業や個人事業主でも海外企業と直接取引をすることが珍しくなくなりました。
製品の仕入れや販売、共同開発など、海外とのビジネスチャンスは広がっています。

ただし、その分トラブルのリスクも増えています。
「海外企業と契約書を結ぶことになったけど、どうしたらいい?」
「日本の契約書を翻訳して渡せば十分じゃないの?」

そんなご相談をいただくことも少なくありません。

国内同士の契約なら問題にならないことも、海外との契約では大きな落とし穴になる場合があります。そこで今回は、海外取引の契約書を作るときに必ず気を付けたい3つのポイントを、やさしく解説してみます。

1.準拠法と裁判管轄をはっきり決める

まず一番大切なのは
「契約にどこの国の法律を使うのか(準拠法)」
「トラブルが起きたらどこの裁判所で裁くのか(裁判管轄)」
をはっきり決めておくことです。

例えば中国企業と契約するとき、日本企業としては「日本法に従い、日本の裁判所で解決する」と書きたいところです。
しかし、相手がすんなり応じるとは限りません。
「中国法に従い、中国の裁判所を管轄にするべきだ」と主張してくるケースも多いのです。

こうした場合、現実的な解決策として利用されるのが「国際仲裁」です。

香港やシンガポールといった第三国にある仲裁機関でトラブルを解決する方法で、お互いに公平な場を選べるのがメリットです。
また、仲裁判断は国際条約に基づいて世界各国で執行できるため、裁判所の判決より実効性が高いケースもあります。

いずれにしても、契約書に「準拠法」と「裁判管轄(または仲裁)」を明記することは必須です。
これが曖昧だと、万一トラブルになったときに「どこの国で、どんなルールで解決するのか」すら決まらない状態になってしまいます。
契約書には準拠法と裁判管轄は必ず明記しましょうね。

2.契約書の言語と正文の指定

次に重要なのが「契約書の言語」です。

海外契約では英語で作るのが一般的ですが、国によっては特別なルールがあります。
例えば インドネシアでは「契約書はインドネシア語で作成しなければならない」という法律があり、英語だけの契約書だと無効と判断されることもあります。

このため実務では「バイリンガル契約書(二言語併記)」がよく使われます。
英語と現地語、あるいは日本語も併記して作成し、どの言語を正式なもの(正文)とするかを必ず決めておきます。

例:

本契約は英語およびインドネシア語で作成する。
両言語に不一致がある場合はインドネシア語を正文とする。

こうしておけば、解釈のズレが起きたときに「どちらを優先するか」が明確になります。

翻訳の精度が低いと条文の意味が変わってしまう恐れもあるので、必ず法務に強い翻訳者に依頼し、できれば現地の専門家チェックを受けることが安心です。

3.支払い通貨と為替リスク

最後に注意したいのが「支払い通貨」です。

海外取引では、日本円で支払うのか、米ドルなのか、それとも現地通貨なのかを契約書で明確にしなければなりません。

  • 現地通貨で支払う場合:相手にとっては安心ですが、日本側には為替リスクが大きくなります。
  • 米ドル建ての場合:世界的に使われる通貨で安定感はありますが、円安が進むと支払額が増えてしまいます。
  • 円建ての場合:日本企業にとっては一番安心ですが、相手が応じてくれるとは限りません。

いずれの通貨を選ぶにしても、為替変動リスクは誰が負担するのかを契約書に盛り込んでおくことが大切です。
たとえば日本の企業が、インドネシア企業に 1億ルピアで商品を購入する契約 を結んだとします。

  • 契約締結時は 1ルピア=0.01円 だったので、日本円で「100万円」です。
  • ところが支払いの時期になって円安が進み、1ルピア=0.012円 になっていたとします。
  • そうすると、日本円に換算すると「120万円」になり、当初より20万円も余計に払うことになるのです。

この「余計にかかった20万円」を 誰が負担するのか を契約で決めておかないとトラブルになります。

また、送金手数料銀行コストの負担者を決めておかないと、為替変動リスク同様に後でトラブルになりやすい部分でもあります。

鉄板の対応方法

ここまで3つのポイントを紹介しましたが、実務上の鉄板ルールは次のとおりです。

  • 二言語併記(バイリンガル契約)+正文の指定
  • 準拠法と裁判管轄、できれば仲裁条項を明記
  • 支払い通貨・送金条件を具体的に決めておく
  • 最終的には現地専門家のチェックを受ける

この流れを押さえておけば、大きなリスクは避けやすくなります。

まとめ

ということで 今回は、海外取引の契約書を作るときに必ず気を付けたい3つのポイントを解説しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。

海外企業との契約は「難しそう」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、国内契約と大きく違うのは 準拠法・裁判管轄・言語・支払い通貨 の4点をどう扱うか、という点です。

  • 準拠法と裁判管轄を決めておく
  • 契約書は二言語併記にして正文を指定する
  • 支払い通貨と為替リスクを明確にする

この3つを押さえるだけでも、安心して国際取引を進められる可能性が高まります。

もっとも、海外契約にはそれぞれの国特有の法律や強行規定が関わってきます。
行政書士として契約書のドラフト作成や日本側の立場整理はサポートできますが、最終的な有効性の判断や現地法の解釈は、必ず現地弁護士による確認を受けることが不可欠です。

海外との取引に不安を感じている方は、まずはお気軽にご相談ください。

行政書士やまもと事務所
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