転職希望の外国人を採用する前に必ず確認すべき「在留資格」とは?

外国人サポート

ここ数年、倉敷や岡山の企業でも、外国人の採用はもはや珍しい話ではなくなりました。
そして最近では 製造業・IT・サービス業など、あらゆる分野で外国人が働いており、転職を希望する優秀な人材も増えています。

しかし、その裏で見過ごされがちなのが「在留資格(就労ビザ)」の確認です。
「前職で働いていたなら、うちでも働けるはず」と思い込んで採用してしまい、後から入管法違反に問われるケースも少なくありません。

今回は、転職希望の外国人を採用する際に企業が確認すべき「在留資格」と「就労資格証明書」について、行政書士の立場からわかりやすく解説します。

なぜ転職時に“在留資格の確認”が必要なのか

外国人の「就労ビザ」は、単に日本で働ける許可ではなく、「どんな仕事を・どんな会社で」働くかに基づいて付与される資格です。
したがって、転職によって仕事内容や業種が変わると、今の在留資格のまま働けなくなる場合があります。

たとえば、前職が通訳(国際業務)で、次に製造ラインでの作業に就く場合――
この仕事は「技術・人文知識・国際業務」の資格範囲外となり、そのまま働くと不法就労にあたります。

企業がこの点を確認せず採用してしまうと、「不法就労助長罪(入管法第73条の2)」に問われる可能性もあります。
つまり、「知らなかった」では済まされないのです。

採用前に必ず確認すべき3つのステップ

① 在留カードの表裏を確認する

まずは、在留カードの表面と裏面を確認しましょう。特に見るべきは以下の3点です。

確認項目内容
在留資格「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」などの区分
在留期間有効期限・更新時期
就労制限「就労制限なし」または「指定された範囲内」かどうか

カードのコピーを保管しておくことは、雇用対策法第28条の努力義務でもあります。
また、在留カードは偽造リスクもあるため、出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」サイトで有効性を確認しておくと安心です。

在留カード等番号失効情報照会システム(出入国在留管理庁)

② 職務内容と在留資格の“整合性”をチェックする

「在留資格があれば大丈夫」と思われがちですが、実際には仕事内容が資格範囲と一致しているかが重要です。
採用予定の職務が、在留資格で許可された活動内容に含まれているかどうかを確認しましょう。

もし一致しない場合は、外国人本人が「在留資格変更許可申請」を行う必要があります。
この申請が許可されるまでに1〜2か月程度かかることもあるため、採用スケジュールには余裕を持たせましょう。

③ 「就労資格証明書」を取得して安全確認を

転職時の就労資格確認で最も確実な方法が、「就労資格証明書」の取得です。
これは、入管が正式に「この在留資格で新しい勤務先でも働ける」と証明してくれる書類で、企業・本人の双方にメリットがあります。

メリット

  • 採用企業が法的リスクを回避できる
  • 外国人本人も安心して転職できる
  • 将来のビザ更新・永住申請でもプラス評価になる

注意点

ただし、申請は外国人本人による任意申請であり、企業が取得を強制することはできません。
あくまで「安全のために取得を推奨する」立場で案内するのが望ましい対応です。

また、証明書の発行にはおおむね2〜3週間程度かかります。
採用を急ぐ場合は、採用内定後すぐに本人に申請を勧めるのが現実的です。

「採用スピード」と「法令遵守」のバランスをどう取るか

優秀な外国人材ほど、キャリアアップを目指して転職を希望します。
倉敷・岡山エリアでも、製造・設計・翻訳・IT関連などで即戦力となる外国人のニーズが高まっています。

しかし、採用スピードを優先してビザ確認を後回しにするのは危険です。
もし在留資格の範囲外で就労していた場合、企業は「不法就労助長罪」に問われ、3年以下の懲役または300万円以下の罰金を科されるおそれがあります(入管法第73条の2)。

また、入管法違反の経歴がある企業は、将来的に外国人採用における信頼を失うことにもつながります。

採用の現場では、スピードよりも「法令遵守と信頼性」を重視することが長期的には得策です。

岡山・倉敷の企業で求められる“外国人雇用の基本体制”

地元企業が外国人を安心して雇用するためには、次の3点を整備しておくことをおすすめします。

  1. 採用時の在留資格確認フローを社内で標準化する
     → 採用時チェックリストに「在留カード確認」「資格範囲の確認」を追加。
  2. 就労資格証明書の取得を推奨する体制を整える
     → 本人が申請しやすいよう、会社が必要書類を協力して準備。
  3. 行政書士などの専門家と連携する
     → 判断が難しいケース(職務内容の適合性など)は専門家に確認。

これらを整えておくことで、採用後のトラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ|「確認」は義務ではなく“信頼構築の第一歩”

外国人を採用する際の在留資格確認は、単なる事務手続ではありません。
それは、企業が法令を遵守し、安心して働ける環境を整えるための信頼構築の第一歩です。

「本人が大丈夫と言っていた」では済まされない時代。
企業として、確認・記録・証明の3点をしっかり行うことが求められています。

行政書士やまもと事務所では、倉敷・岡山エリアの企業さまを対象に、

  • 外国人雇用時の在留資格確認サポート
  • 就労資格証明書の取得サポート
  • 在留資格変更・更新の申請代行

などを行っています。

「採用して大丈夫か確認したい」
「どの資格で雇えばいいか分からない」
といった場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

行政書士やまもと事務所
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