念書と覚書の違いをやさしく解説

和解書・合意書・覚書・示談書

先日、知人にお金を貸したけれど期日になっても一向に返してもらえないということで、内容証明の作成相談をいただきました。
そのご相談者さんが持参されていたのは「覚書」とタイトルのついた1枚の書類。

「ちゃんと覚書も交わしているんですよ」と言われたのですが、内容を確認してみると……
あれ?これってむしろ「念書」では?というものでした。

どうやら「念書」と「覚書」が混同されていたようです。
もしかすると、同じように両者を混同している方は世の中に多いのかもしれません。

そこで今回は、念書と覚書の違いについて、できるだけやさしく解説していきます。

念書とは?

念書は、一方的な約束を文章にしたものです。
ある人が「私はこうします」「私はこれを守ります」と一方的に約束をし、それを文書に残したものになります。

念書の典型例

  • 借金の返済を約束する書面
  • 秘密保持を誓約する書面
  • 退職時に「会社に迷惑をかけません」といった誓約書

この場合、署名・押印をするのは基本的に義務を負う人(約束をする側)だけです。
そのため念書は「一方的な義務の証拠」としての性格を持ちます。

覚書とは?

覚書は、双方の合意内容を記録しておくものです。
契約書を作るほど大げさではないけれど、「合意したことを忘れないように残しておこう」という場面で使われます。

覚書の典型例

  • 業務提携の条件に関する合意
  • 契約に盛り込めなかった補足条件
  • 将来的に契約を結ぶ前段階での取り決め

こちらは当事者双方が署名・押印するのが基本。
覚書は「両者が合意していたこと」を後から証明できる資料になります。

念書と覚書の比較一覧

違いを表で整理してみるとこんな感じ。

項目念書覚書
性質一方的な約束・誓約双方の合意内容を確認
署名・押印基本的に義務を負う側の一方のみ当事者双方が署名・押印
主な利用場面借金返済の約束、退職時の誓約、秘密保持業務提携の条件、契約に付随する補足事項
法的効力証拠力あり(内容が明確であれば裁判でも利用可能)証拠力あり(双方の合意を示す資料となる)

この表を見ると、「誰が署名するのか」が大きな違いであることがわかります。

念書と覚書の違い

混同されがちな二つですが、次の点が大きな違いです。

  • 念書 … 一方的な約束。署名・押印は片方のみ。
  • 覚書 … 双方の合意。署名・押印は両者。

つまり、「誰が署名するのか」が最も分かりやすい見分け方です。

念書は「借りた人が返すと約束した」ような一方的な誓約を残すときに使われ、覚書は「お互いにこういう条件で進めましょうね」と確認するためのものです。

今回のご相談者様が持たれていた書類は、債務者(お金を借りている側)が一方的に署名・押印していたので、覚書ではなく念書が正しいということですね。

法的効力はあるの?

念書も覚書も、署名押印がされていれば証拠力があります
裁判になった場合でも、「当事者が約束した事実」を示す資料として利用できます。

ただし、内容があいまいで「何を約束したのか」がはっきりしないと、証拠としての力は弱まります。
例えば「できるだけ早く返します」では曖昧すぎてトラブル防止になりません。
「◯年◯月◯日までに10万円を返済する」というように、具体的に書くことが大切です。

実務での使い分け(具体例)

  • 念書を使うケース
     → 借金返済の約束、退職時の誓約、秘密保持の誓約など
     例:「私は令和7年12月末日までに借用金10万円を返済します」
  • 覚書を使うケース
     → 業務提携や取引条件の確認、契約に盛り込めなかった補足事項など
     例:「甲乙双方は、業務委託契約に基づき、追加で以下の条件に合意した」

このように「片方が約束するのか」「双方で合意するのか」で使い分けると理解しやすいです。

行政書士としての視点

念書や覚書は、契約書に比べればシンプルですが、れっきとした法律文書です。
きちんと作成すればトラブル防止になりますし、逆に曖昧に作成すれば後で大きな問題につながります。

行政書士は、こうした文書を「どの形式で作成するのが最も適切か」を一緒に検討し、文案を整えるお手伝いをしています。
「これは念書で良いの?」「覚書にすべき?」と迷ったときに相談いただければ、状況に合わせて最適な形を提案することが可能です。

まとめ

  • 念書=一方的な約束を残す書面(署名は片方のみ)
  • 覚書=双方の合意を確認する書面(署名は両者)
  • どちらも署名押印があれば証拠力があるが、内容が曖昧だとトラブル防止にはならない

念書と覚書は似ているようで役割が異なります。
「どっちで作ったらいいの?」と迷ったときには、専門家に相談して適切な形で残すことが大切です。

当事務所では、念書や覚書はもちろんのこと、和解書・合意書・示談書の作成サポートも行っています。
困った時・迷った時には、お気軽にご相談ください。

行政書士やまもと事務所
🏠 岡山県倉敷市
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