みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は 相続の際によくある話「第三者のアドバイス」についてお話します。
相続手続きを進めていると、相続人ご本人ではなく、周囲の方からの一言で話し合いが止まってしまうことがあります。
たとえば、このようなアドバイスとか。
「そんな遺産分割協議、行かない方がいいよ」
「ハンコなんて押したら終わりだよ」
「全部取られるかもしれないよ」

もちろん、心配してくれる友人や知人の存在はありがたいものです。
ただ、相続の場面では、根拠のない一言が手続きを大きく遅らせてしまうことがあります。
今回は、遺産分割協議に不安を感じている方へ向けて、行政書士の立場からやさしく解説します。
遺産分割協議とは?
遺産分割協議とは、亡くなった方の財産を、相続人全員でどのように分けるか話し合う手続きです。
遺産分割協議は、法律で決められた相続人が全員参加して、相続財産の分け方を決定する手続になります。
つまり、遺産分割協議は一部の人だけで勝手に進めるものではなく、相続人全員が関係する大切な話し合いです。

「行かない方がいい」は本当に正しい?
相続人全員が関係する大事な話し合いである遺産分割協議。
そんな話し合いの場に、友人から「行かなくてもいいよ」と言われた場合、行かなくても良いんでしょうか?
結論から言うと、事情を確認せずに“行かない方がいい”と決めるのは危険です。
遺産分割協議に参加しないことで、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 話し合いが進まない
- 他の相続人との関係が悪くなる
- 相続手続き全体が止まる
- 不動産や預貯金の名義変更ができない
「行かない」という選択が絶対に間違い、というわけではありません。
ただし、行かない理由が「友人に言われたから」だけだと、少し心もとないです。
たとえるなら、風邪をひいたときに、近所の人から「気合いで治る」と言われて病院に行かないようなものです。
気合いで治ることもあるかもしれませんが、相続は気合いだけでは戸籍も集まりません。
第三者のアドバイスが相続をこじらせることもある
相続では、相続人本人だけでなく、配偶者、親戚、友人、近所の方など、いろいろな人が意見を言うことがあります。
もちろん、親身になってくれているケースも多いです。
しかし、相続の事情は家庭ごとに違います。
たとえば、再婚や再々婚の場合には特に厄介です。
再婚・再々婚の相続では気持ちの整理が難しい
被相続人の配偶者が再婚・再々婚の相手で、他の相続人と血縁関係がない場合、どうしても話し合いの場に参加しづらいことがあります。
「自分だけ外様のように感じる」
「他の相続人からどう思われているか不安」
「行っても責められるのではないか」
このような気持ちになるのは、決して珍しいことではありません。
だからこそ、第三者から「行かない方がいい」と言われると、その言葉に気持ちが引っ張られてしまうことがあります。

でも、ここで大切なのは、不安だから欠席するのではなく、不安な点を整理してから対応することです。
遺産分割協議に参加しないとどうなる?
遺産分割協議は、基本的に相続人全員が関わる必要があります。
相続人の一人が参加しない、または合意しない場合、協議は成立しません。
また、不動産の相続登記で遺産分割協議書を使う場合、相続人全員が実印を押し、印鑑証明書を添付する扱いが案内されています。
つまり、誰か一人が「私は関わりません」となると、手続きが前に進まなくなることがあります。
欠席しても解決にはならないことが多い
遺産分割協議に行かなければ、その場で嫌な思いをしなくて済むかもしれません。
しかし、相続問題そのものが消えるわけではありません。
むしろ、他の相続人からすると、「なんであの人来ないの?」「何か不満があるの?」「話し合う気がないの?」と受け取られてしまうこともあります。

相続は、ただでさえ感情が動きやすい場面です。
欠席が続くと、誤解が誤解を呼び、最終的に「誰が言った、言わない」の相続版・年末特番みたいになってしまいます。
これはなかなか大変です。
ホント厄介な話になります。
友人や知人に相談すること自体は悪くありません
ここで誤解していただきたくないのは、友人や知人に相談すること自体が悪いわけではない、ということです。
不安なときに誰かに話を聞いてもらうことは、とても大切です。
気持ちが楽になることもあります。
ただし、相続の具体的な判断については、法律関係や手続きに詳しい専門家に確認することをおすすめします。
こんなアドバイスには注意
特に、友人・知人の次のようなアドバイスには注意が必要です。
- 「とにかく行かない方がいい」
- 「絶対にハンコを押すな」
- 「全部あなたのものになるはず」
- 「相手はだましているに違いない」
- 「ネットで見たから間違いない」
もちろん、本当に注意すべきケースもあります。
しかし、具体的な財産内容、相続人の関係、遺言書の有無、これまでの経緯を確認せずに断定するのは危険です。
相続は、家庭ごとの事情が大きく影響します。
「これが正解」と一言では決められません。

不安なときは、協議に行く前に相談しましょう
遺産分割協議に参加するのが不安な場合は、いきなり話し合いの場に行く必要はありません。
まずは、次のような点を整理しておくと安心です。
確認しておきたいポイント
- 自分は相続人にあたるのか
- 相続財産には何があるのか
- 借金などのマイナス財産はあるのか
- 遺言書はあるのか
- 提案されている分け方はどのような内容か
- 署名押印を求められている書類の意味は何か
これらを確認したうえで話し合いに参加すれば、必要以上に不安になることを防げます。
行政書士に相談できること
相続のシーンでは、弁護士や司法書士、税理士、そして行政書士などさまざまな士業が関わってきます。
そんな中で 行政書士は、相続手続きに関する書類作成や相談対応を行うことができます。
代表的な相続関係の業務としては以下のようなものがあります。
遺産分割協議書の作成
相続人全員で話し合いがまとまった内容をもとに、遺産分割協議書を作成します。
相続人調査・戸籍収集
誰が相続人になるのかを確認するため、戸籍を集めて相続関係を整理します。
相続手続き全体の流れの説明
今後どのような手続きが必要か、何から進めればよいかを整理します。
ただし、相続人同士で争いがある場合や、代理人として交渉が必要な場合は、弁護士の業務範囲になります。
そのため、状況に応じて適切な専門家へつなぐことも大切です。

まとめ|「行かない方がいい」の前に、まずは正しい確認を
ということで、今回は、遺産分割協議に不安を感じている方へ向けて、行政書士の立場から解説しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか?
遺産分割協議は、相続人全員で財産の分け方を決める大切な手続きです。
友人や知人からのアドバイスが心強いこともありますが、根拠のない「行かない方がいい」という言葉だけで判断してしまうと、相続手続きが止まったり、他の相続人との関係が悪くなったりすることがあります。
大切なのは、不安を抱えたまま避けることではなく、不安の中身を整理して、正しい情報をもとに判断することです。
倉敷市周辺で相続手続きや遺産分割協議書の作成についてお困りの方は、当事務所までお気軽にご相談ください。
「友人にこう言われたんですが、大丈夫でしょうか?」というご相談でも構いません。
その一言、相続の迷路から抜け出す第一歩かもしれませんよ。
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