みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は リフォーム工事で出た廃材の扱いについてお話します。
リフォーム工事を行うと、古い床材、壁材、建具、住宅設備、金属くず、廃プラスチック類、がれき類など、さまざまな廃材が発生します。

現場では、つい当たり前のように、こういった場面があるんではないでしょうか。
「軽トラックに積んで持って帰ろう」
「処分場まで自分たちで運ぼう」
「元請さんに頼まれたから、下請のうちが運ぼう」
しかし、ここで注意したいのが産業廃棄物収集運搬業の許可です。
リフォーム工事で出た廃材は、家庭ごみとは違い、事業活動に伴って発生する廃棄物として、産業廃棄物に該当する場合があります。
建設工事から生じる廃棄物についても、適正処理が求められています。
「ちょっと運ぶだけだから大丈夫」と思っていても、法律の世界では「ちょっと待った」が入ることがあります。
軽トラの荷台に廃材を積んだ瞬間、気分は現場帰りでも、法律上は“収集運搬”の話になっているかもしれません。
今回は、リフォーム工事で発生した廃材を運ぶ場合に、産業廃棄物収集運搬業許可が必要になるケースや注意点を、できるだけわかりやすく解説します。
リフォーム工事ではどんな廃材が出る?
リフォーム工事では、工事内容に応じてさまざまな廃材が発生します。
たとえば、次のようなものです。
- 木くず
- 金属くず
- 廃プラスチック類
- ガラスくず
- コンクリートくず
- がれき類
- 古いキッチン、洗面台、トイレなどの住宅設備
- 内装材や外装材の撤去物
これらは、一般家庭から日常的に出るごみとは異なり、リフォーム業や建設業などの事業活動に伴って発生する廃棄物です。
そのため、内容によっては産業廃棄物として扱われます。

リフォーム工事で廃材が出ること自体は珍しくありません。
むしろ、出ない方が珍しいくらいです。
壁紙をはがせば廃材、床をめくれば廃材、設備を交換すれば廃材。
現場はまさに「ビフォーアフター」の裏側で、廃材との戦いでもあります。
問題は、その廃材を誰が運ぶのかという点です。
産業廃棄物収集運搬業とは?
産業廃棄物収集運搬業とは、簡単に言うと 他人から委託を受けて産業廃棄物を運ぶ業務のこと。
つまり、自社が出した廃棄物ではなく、他人の産業廃棄物を処分場などへ運ぶ場合には、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要になることがあります。
ここで大切なのは、単に「廃材を運んだかどうか」だけではありません。
次のような点を整理する必要があります。
- その廃材は誰が排出したものなのか
- 誰が運搬しているのか
- 元請・下請の関係はどうなっているのか
- 運搬を依頼されているのか
- 運搬費用を受け取っているのか
- どこの都道府県からどこの都道府県へ運ぶのか
- 処分先との契約やマニフェストはどうなっているのか
たとえば、リフォーム工事の現場で発生した廃材を、下請業者が元請業者から頼まれて処分場まで運ぶ場合には、産業廃棄物収集運搬業の許可が問題になることがあります。
「少量だから大丈夫」
「軽トラックだから大丈夫」
「いつもこのやり方だから大丈夫」
このような“現場あるある”だけで判断するのは危険です。
軽トラックは小回りが利きますが、法律のすき間を小回りで抜けられるわけではありません。

自社の廃棄物を自社で運ぶ場合はどうなる?
自社の事業活動によって発生した産業廃棄物を、自社で運ぶ場合は、他人から委託を受けて運ぶ場合とは扱いが異なります。
いわゆる自己運搬です。

自己運搬の場合、産業廃棄物収集運搬業の許可が常に必要になるわけではありません。
ただし、リフォーム工事や建設工事では、元請業者・下請業者の関係が絡むため、単純に「自社で運んでいるから許可はいらない」とは言い切れないことがあります。
建設廃棄物では「誰が排出事業者か」が重要
特に注意したいのは、工事現場で発生した廃材について、誰が排出事業者になるのかという点です。
現場の感覚では、「自分たちが作業して出た廃材だから、自分たちのごみだろう」と思うかもしれません。
しかし、法的な整理では、元請業者が排出事業者として廃棄物処理の責任を負う場面もあります。
建設工事から排出される産業廃棄物は、排出事業者が自らの責任で処理基準に従って適正に処理しなければならないとされています。
そのため、リフォーム業や建設業で廃材を運ぶ場合は、「これは自己運搬なのか」「他人の産業廃棄物を運んでいるのか」を慎重に確認する必要があります。
下請業者がリフォーム廃材を運ぶ場合は特に注意
リフォーム工事で特に注意したいのが、下請業者が廃材を運ぶケースです。
たとえば、次のようなケースです。
- 元請業者から「現場の廃材を処分場まで運んでおいて」と言われた
- 下請工事のついでに廃材を持ち帰っている
- 処分場への運搬費用を請求している
- 元請の名前で処分場へ搬入している
- 現場ごとに廃材の回収も含めて依頼されている
このような場合、下請業者が他人の産業廃棄物を運搬していると評価される可能性があります。

他人の産業廃棄物を業として収集運搬する場合には、原則として産業廃棄物収集運搬業の許可が必要になります。
また、元請業者と下請業者の間で、廃材処理の役割や契約関係があいまいなままになっていると、後から問題になることがあります。
「元請に言われたから」
「処分場が受け入れてくれたから」
「今まで何も言われなかったから」
という理由だけで安心するのは危険です。
現場では“阿吽の呼吸”が大事なこともありますが、廃棄物処理では“阿吽”より“契約書”や“許可確認”が大事です。
よくある勘違い
リフォーム工事や建設工事の現場では、産業廃棄物の運搬について、次のような勘違いが起こりがちです。
少量なら許可不要だと思っている
「少しだけなら大丈夫」と考えてしまうケースです。
しかし、許可が必要かどうかは、廃材の量だけで決まるものではありません。
少量であっても、他人の産業廃棄物を委託を受けて運搬している場合には、許可が必要になる可能性があります。
「少量だからセーフ」というより、「誰の廃棄物を、誰の依頼で運んでいるのか」が重要です。
軽トラックなら問題ないと思っている
軽トラックで運ぶから大丈夫、というものでもありません。
車両の大きさではなく、何を、誰のために、どのような立場で運ぶのかが重要です。
軽トラックでも、2トントラックでも、産業廃棄物を他人から委託されて運搬する業務に該当する場合には、許可の要否を確認する必要があります。
軽トラックは便利ですが、“許可不要チケット”ではありません。
元請に言われたから大丈夫だと思っている
元請業者から頼まれたからといって、当然に問題がないわけではありません。
むしろ、元請から依頼されて下請業者が廃材を運ぶ場合は、他人の産業廃棄物を運搬していると見られる可能性があります。
「元請の指示だから大丈夫」ではなく、許可や契約関係を確認することが大切です。
処分場に持ち込めているから合法だと思っている
処分場が受け入れてくれたからといって、運搬行為そのものが適法であるとは限りません。
処分場への搬入ができたことと、産業廃棄物収集運搬業の許可が不要であることは、別の問題です。
後から行政指導や取引先からの確認で問題になることも考えられます。

産業廃棄物収集運搬業許可が必要な場合に準備するもの
産業廃棄物収集運搬業の許可が必要になる場合には、申請に向けた準備が必要です。
主な準備書類や確認事項としては、次のようなものがあります。
- 講習会修了証
- 車両関係書類
- 運搬車両の写真
- 運搬容器の写真
- 法人登記簿謄本
- 定款
- 決算書類
- 納税証明書
- 事業計画の内容
- 取り扱う産業廃棄物の種類
- 搬出先・搬入先の予定
- 役員や株主に関する情報
講習会修了証は早めの準備が大切
特に注意したいのが、講習会修了証です。
講習会は、思い立ったその日にすぐ受けられるとは限りません。
日程調整や受講申込が必要になるため、許可申請を急いでいる場合には、ここで時間がかかることがあります。
「来週から廃材を運びたいです!」
「では、まず講習会の日程を確認しましょう」
「えっ、そこからですか?」
ということも珍しくありません。
許可取得を考えている場合は、早めに準備を始めることが大切です。
定款の事業目的も確認しましょう
法人の場合は、定款の事業目的に、産業廃棄物収集運搬業に関する記載があるかも確認しておきたいポイントです。
事業目的に必要な内容が入っていない場合には、定款変更や登記変更を検討する必要が出てくることがあります。
また、直近の決算内容によっては、経理的基礎を説明するための追加資料や事業計画の整理が必要になる場合もあります。
「とりあえず申請すれば何とかなる」というより、事前準備でスムーズさが大きく変わります。
岡山県で産業廃棄物収集運搬業許可を取る場合の注意点
岡山県内でリフォーム業、建設業、設備工事業などを営んでいる事業者様が、産業廃棄物収集運搬業許可を取得する場合、まずは次の点を確認しましょう。
- 運びたい廃棄物の種類は何か
- 岡山県内だけで運ぶのか、県外にも運ぶのか
- 積替え保管を行うのか
- 使用する車両は誰の名義か
- 運搬容器が必要な廃棄物はあるか
- 講習会修了証は準備できているか
- 法人の定款目的は整っているか
産業廃棄物収集運搬業許可は、原則として、廃棄物を積む場所と降ろす場所の都道府県に応じて許可が必要になります。
たとえば、岡山県内の現場から岡山県内の処分場へ運ぶ場合と、岡山県から広島県・兵庫県・香川県など県外へ運ぶ場合とでは、必要な許可の整理が変わる可能性があります。
リフォーム工事の現場が複数県にまたがる場合は、特に注意が必要です。
まとめ:リフォーム工事の廃材運搬は「誰の廃棄物か」が重要
ということで、今回は リフォーム工事で発生した廃材を運ぶ場合に、産業廃棄物収集運搬業許可が必要になるケースや注意点を解説しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。
リフォーム工事で出た廃材を運ぶ場合、産業廃棄物収集運搬業の許可が必要になるかどうかは、現場の感覚だけでは判断できません。
大切なのは、次の点を整理することです。
- その廃材は誰が排出したものなのか
- 誰が運搬するのか
- 自己運搬なのか、他人の廃棄物の運搬なのか
- 元請と下請の関係はどうなっているのか
- 運搬費用を受け取っているのか
- どこからどこへ運ぶのか
- 処分先との契約やマニフェストはどうなっているのか
特にリフォーム業や建設業では、現場で当たり前のように行っている廃材の運搬が、実は産業廃棄物収集運搬業許可の問題につながることがあります。
「少量だから大丈夫」
「軽トラックだから大丈夫」
「元請に言われたから大丈夫」
という判断は避けた方が安全です。
廃材処理は、工事のついでに行う単なる作業ではなく、廃棄物処理法に関わる重要な業務です。
許可が必要かどうか不安な場合は、実際に廃材を運ぶ前に確認しておくことをおすすめします。
当事務所では、岡山県内の事業者様向けに、産業廃棄物収集運搬業許可申請のサポートを行っています。
倉敷市を中心に、岡山市、総社市、玉野市、浅口市、笠岡市など、岡山県内のリフォーム業・建設業・設備工事業の事業者様からのご相談に対応しています。
リフォーム工事で出た廃材の運搬や、産業廃棄物収集運搬業許可の取得について不安がある場合は、当事務所までお気軽にご相談ください。
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