みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は 意外と知られていない屋外広告物の設置許可についてお話します。
日本国中のあちこちで見かける、店舗の看板や案内看板。
看板を見ない日なんてないぐらい日常生活で見かけるますが、その看板が「屋外広告物」に該当する場合、設置前に許可申請が必要になることをご存じでしょうか。
先日、業務で総社市内を歩いていた際、ある商業施設の駐車場入口付近に設置された案内看板が目に留まりました。

どこでも見かける看板ですが、よく見ると看板の下部には「屋外広告物許可証」のシールが貼られていました。
正直なところ、「なんでこんな看板に許可証必要なの?」と思ったんですが、改めて調べてみると、このような案内看板も屋外広告物として規制対象になる場合があることが分かったんです。
今回は、倉敷市・総社市などで店舗看板や案内看板の設置を検討している事業者の方、そして看板業者の方に向けて、屋外広告物の許可制度について分かりやすく解説します。
屋外広告物とは?
まず最初に「屋外広告物」についてお話してみたいと思います。
屋外広告と聞くと、一般的には広告看板をイメージされる方が多いと思いますが、法律上の屋外広告物はもっと幅広く定義されています。
例えば次のようなものが該当します。
- 店舗の壁面看板
- 袖看板
- 野立て看板
- 屋上広告塔
- 電光掲示板
- のぼり旗
- 案内看板
- 誘導看板

つまり、「屋外で公衆に向けて継続的に表示されるもの」であれば、広告宣伝目的に限らず屋外広告物に該当する可能性があります。
そのため、「店舗名しか書いていない」「駐車場の案内だから広告ではない」という場合でも、屋外広告物として取り扱われることがあります。
今回 私が総社市で見かけた看板も、商品の宣伝というより来店客を誘導するための案内看板でしたが、こういう理由で許可を取得して設置されていたのだと思われます。
屋外広告物規制がある理由
広告宣伝目的に限らず屋外広告物に該当するかもしれないと聞くと、「なぜ看板にまで許可が必要なのか」と疑問に思う方いませんか?
屋外広告物は私たちの生活に必要な情報を提供する一方で、無秩序に設置されると街並みや景観を損ねる原因になります。
また、老朽化した看板が落下したり倒壊したりすれば、重大な事故につながる可能性もあります。
そのため倉敷市では、以下の観点から、屋外広告物条例による規制を行っています。
- 良好な景観の形成
- 風致の維持
- 公衆への危害防止
看板規制というと少し堅苦しく聞こえますが、簡単に言えば、「街の景観と安全を守るためのルール」ということです。
倉敷市では原則として許可制度が設けられている
倉敷市では、屋外広告物を設置する際に様々なルールが設けられています。
- 禁止地域
- 許可地域
- 屋外広告物モデル地区
設置場所によって区分されており、それぞれ異なる基準が定められています。
特に許可地域では、原則として市長の許可を受けなければ広告物を表示または設置することができません。
もっとも、すべての広告物に許可が必要というわけではなく、一定の条件を満たすものについては適用除外制度も設けられています。
「小さい看板だから大丈夫」とは限らない
以前、看板設置の相談を受けた際に、「小さな看板だから許可はいらないと思っていました」というお話がありました。
確かに倉敷市では、自家用広告物など一定の基準以下のものについて許可が不要となるケースがあります。
しかし、設置場所や看板の種類、表示面積、高さ、そして設置方法によって扱いは大きく変わります。
つまり、「小さいから許可不要」ではなく、「基準を満たしているから許可不要」なのです。
この違いは非常に重要です。
自己判断で設置した結果、後から許可が必要だったことが判明すると、是正や撤去を求められる可能性もあります。

実際にどのような手続きが必要なのか
一般的な流れは次のようになります。
① 設置計画を立てる
まずは、以下を検討します。
- 設置場所
- 看板の大きさ
- 高さ
- 構造
② 許可の要否を確認する
看板の設置計画を立てたら、次はその場所が、禁止地域なのか?許可地域なのか?モデル地区なのか?どこに該当するのかを確認します。
また、適用除外に該当するかどうかも確認が必要です。
③ 許可申請を行う
もし看板設置にあたって許可が必要な場合は、以下の必要書類を準備して申請を行います。
- 許可申請書
- 配置図
- 設計図
- 現況写真
④ 許可後に工事を実施する
許可が下りてから設置工事を行います。
⑤ 表示(設置)完了届を提出する
設置完了後には、表示(設置)完了届の提出が必要となる場合があります。
そして許可を受けた広告物には、許可証を表示することになります。
今回私が見かけた看板に貼られていたシールも、この許可制度に基づくものです。
普段はあまり気に留めない小さなシールですが、「適正な手続きを経て設置された看板ですよ」という証でもあります。

設置後も管理義務がある
意外と見落とされがちなのが、「許可を取ったら終わりではない」という点です。
屋外広告物には許可期間があります。
継続して表示する場合には更新手続きが必要です。
また、近年は看板の落下事故や倒壊事故への対策として、安全管理や点検の重要性も高まっています。
特に大型看板については、更新時に有資格者による点検が必要となる場合があります。
看板は設置して終わりではなく、定期的な点検や維持管理、更新申請まで含めて管理していく必要があります。
無許可で設置した場合はどうなる?
もし許可が必要な広告物を無許可で設置した場合、以下の処分対象となる可能性があります。
- 指導
- 改善命令
- 撤去命令
せっかく費用をかけて製作した看板を撤去しなければならなくなると、大きな損失になります。
「後で考えよう」ではなく、設置前に確認することが最も確実なリスク回避策といえるでしょう。

行政書士でなければできない申請代行に注意
ここで事業者の皆様にぜひ知っていただきたい点があります。
屋外広告物の許可申請は、本人が自ら行うこともできますし、行政書士に依頼することもできます。
一方で、本人以外の者が、報酬を得て官公署へ提出する申請書類を作成することは、行政書士法によって制限されています。
つまり、本人申請、もしくは行政書士への依頼は問題ありませんが、行政書士資格のない第三者が業として申請書類を作成することは、行政書士法違反となる可能性があります。
看板設置に伴う許可申請では、以下のような作業が必要になることも少なくありません。
- 設置場所の調査
- 条例の確認
- 図面の整理
- 申請書類の作成
- 行政との事前相談
「看板業者さんが全部やってくれると思っていた」というケースもありますが、申請書類の作成を誰が行うのかについては注意が必要です。

まとめ|看板設置前の確認がトラブル防止の第一歩
ということで、今回は 店舗看板や案内看板の設置を検討している事業者の方、そして看板業者の方に向けて、屋外広告物の許可制度について解説しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。
先日総社市で見かけた「屋外広告物許可証」のシールをきっかけに、改めて屋外広告物制度の重要性を認識しました。
看板は事業にとって欠かせない集客ツールですが、以下のような多くのルールが関係しています。
- 屋外広告物許可
- 看板設置許可
- 屋外広告物条例
- 景観規制
- 更新手続き
- 安全点検
そして、たとえ案内看板のようなシンプルな表示であっても、屋外広告物として許可が必要になる場合があります。
「このくらいなら大丈夫だろう」と設置してしまう前に、一度自治体や専門家へ確認しておくことをおすすめします。
当事務所は岡山県倉敷市で行政書士をしております。
倉敷市・総社市・浅口市をはじめとした地域で、各種許認可申請のサポートを行っております。
屋外広告物の許可申請や看板設置に関するご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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