みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は 電気工事業者の登録が出来た事業者さんのネクストステップである建設業許可についてお話しします。
電気工事業者の登録、おめでとうございます!
まずはここまで来られたこと、本当に大きな一歩だと思います。
電気工事業をきちんと事業として行っていくためには、電気工事業者としての登録が必要になります。
そのため、登録が完了したということは、「これから電気工事を仕事としてしっかりやっていくぞ」という土台ができたということです。
ただ、住宅リフォームや店舗改装、内装工事、外壁工事、屋根工事、設備工事などをされている事業者さんの場合、ここで次のことが頭に浮かぶのではないでしょうか。
そうです。
次に目指すのは、建設業許可ですよね?

電気工事業者登録ができたら、次のステップが見えてくる
電気工事業者の登録が完了すると、ひとまず安心される方も多いと思います。
「これで電気工事業者として動ける」
「登録証も届いた」
「ようやく一つ形になった」
この感覚、すごく大事です。
ただ、実際にリフォーム工事や店舗改装の仕事をしていると、電気工事だけで終わる案件ばかりではありません。
たとえば、店舗の内装をやり替えることもあれば、壁や床の張り替え、水回りの工事、外壁や屋根の修理、そして空調や換気の整備などなど、発生することもあると思います。
こうなってくると、工事全体の金額も大きくなってきます。
そして、だんだん気になってくるのが、そうです。
「これ、建設業許可も必要になるんじゃないか?」
という話です。

500万円以上の工事を受けるなら、建設業許可を意識しましょう
建設業許可は、すべての工事に必要なわけではありません。
小規模な工事であれば、建設業許可がなくても請け負うことはできます。
ただし、建築一式工事以外の専門工事については、一般的に1件の請負金額が税込500万円以上になる場合、建設業許可が必要になります。
ここ、リフォーム業者さんにはかなり大事なポイントです。
リフォーム工事って、一つひとつの工事だけを見ると小さく見えることがあります。
でも、実際には、気づいたら500万円を超えそうな案件が出てくることがあります。
| 内容 | 金額が大きくなりやすい理由 |
|---|---|
| 店舗改装 | 内装・電気・設備・造作がまとまりやすい |
| 住宅リフォーム | 水回り・内装・外壁などを一緒に行うことがある |
| 外壁・屋根工事 | 足場・塗装・防水・補修が絡む |
| 設備工事 | 電気・給排水・空調などが絡む |
| 法人案件 | 工事規模が大きくなりやすい |

「今はまだそこまで大きな工事はない」
という場合でも、事業が伸びてくると、自然と大きめの相談が入るようになります。
その時に、「すみません、許可がないので受けられません」となるのは、かなりもったいないですよね。
電気工事業者登録と建設業許可は別ものです
ここで注意したいのが、電気工事業者登録と建設業許可は別の制度という点です。
電気工事業者登録は、電気工事を業として行うための手続です。
一方で、建設業許可は、一定規模以上の建設工事を請け負うための許可です。
つまり、電気工事業者登録をしたから、建設業許可も取れているというわけではありません。
また逆に、建設業許可を持っているから、電気工事業の手続が不要というわけでもありません。

このあたりは少しややこしいところですね。
電気工事業者としての手続と、建設業者としての許可は、それぞれ別に考える必要があります。
だからこそ、電気工事業者登録が終わったタイミングで、次に建設業許可のことを確認しておくのは、とても良い流れです。
リフォーム業者さんが気にしたい建設業許可の業種
住宅や店舗のリフォームをされている事業者さんの場合、関係しそうな建設業許可の業種はいくつかあります。
たとえば、次のようなものです。
| 業種 | 関係しやすい工事 |
|---|---|
| 内装仕上工事業 | クロス、床、天井、間仕切り、店舗内装など |
| 大工工事業 | 造作、下地、木工事、間取り変更など |
| 屋根工事業 | 屋根の補修、葺き替え、屋根改修など |
| 塗装工事業 | 外壁塗装、屋根塗装、鉄部塗装など |
| 防水工事業 | ベランダ、屋上、外壁目地などの防水 |
| 建具工事業 | ドア、サッシ、シャッター、建具取付など |
| 管工事業 | 給排水、衛生設備、空調設備など |
| 電気工事業 | 配線、照明、コンセント、分電盤など |
| 建築一式工事業 | 建物全体を総合的に請け負う工事など |
ここでよくある誤解があります。
それは、「建築一式工事業を取れば、リフォーム工事は何でもできるんでしょ?」というものです。
気持ちは分かります。
名前だけ見ると「建築一式」と書いてあるので、全部できそうに見えます。
でも、実際にはそう単純ではありません。
建築一式工事業は、建築物全体を総合的に請け負うような工事を想定しています。
そのため、単独の内装工事、塗装工事、屋根工事、電気工事、管工事などは、それぞれ専門工事として判断される可能性があります。
リフォーム業者さんの場合は、実際にどんな工事をしているのかに合わせて、必要な業種を考えることが大切です。

建設業許可を取るには、どんな要件が必要?
建設業許可を取るためには、いくつかの要件があります。
ざっくり言うと、次のような点を確認します。
| 要件 | ざっくり言うと |
|---|---|
| 経営業務の管理体制 | 建設業の経営経験がある人がいるか |
| 営業所技術者等 | 許可を取りたい業種に詳しい技術者がいるか |
| 財産的基礎 | 一定の資金力があるか |
| 誠実性 | 不正なことをするおそれがないか |
| 欠格要件 | 許可を受けられない事情がないか |
| 社会保険 | 必要な保険に入っているか |
| 営業所 | 建設業を営む事務所の実態があるか |
この中でも、特に大事なのが、経営経験と技術者、この2つです。
建設業許可は、書類を出せば誰でも取れるものではありません。
「建設業をきちんと経営していける人がいるか」
「その工事を分かっている技術者がいるか」
ここをしっかり確認されます。
まず確認したいのは、建設業の経営経験です
建設業許可では、建設業の経営経験が重要になります。
法人の場合は、役員の中に建設業の経営経験がある人がいるかを確認します。
たとえば、このような経験がポイントになります。
- 建設業を営む法人の役員をしていた
- 個人事業主として建設業をしていた
- 建設業の経営業務に関わっていた
- 工事の契約、請求、入金、外注管理などに関わっていた
ただし、ここで大事なのは、経験があることを、書類で証明できるかです。
「昔から工事をやっています」
「ずっと現場に出ています」
「知り合いはみんな知っています」
というだけでは、許可申請では足りません。
確認資料としては、たとえば次のようなものが必要になることがあります。
- 法人の登記事項証明書
- 確定申告書
- 決算書
- 工事請負契約書
- 注文書
- 請求書
- 入金記録
- 工事台帳
つまり、建設業許可では、経験そのものよりも、経験を証明できる資料があるかが大事になります。
ここでつまずくケースは少なくありません。

次に確認したいのが、技術者の要件です
建設業許可では、営業所ごとに、許可を取りたい業種に対応した技術者が必要です。
たとえば、電気工事業の許可を取りたい場合と、内装仕上工事業の許可を取りたい場合では、必要になる資格や実務経験が違います。
技術者の要件を満たす方法としては、主に次のようなものがあります。
- 国家資格で証明する
- 学歴と実務経験で証明する
- 10年以上の実務経験で証明する
- 資格と実務経験を組み合わせる
電気工事業者登録をされた事業者さんの場合、すでに電気工事士の資格者がいることも多いと思います。
ただし、ここも注意が必要です。
電気工事業者登録の主任電気工事士の要件と、建設業許可の技術者要件は同じではありません。
つまり、「電気工事業者登録ができたから、建設業許可の電気工事業も大丈夫」とは限りません。
建設業許可を取る場合は、改めて建設業法上の要件を確認する必要があります。

お金の要件もあります
建設業許可では、財産的基礎も確認されます。
簡単にいうと、工事をきちんと続けられるだけの資金力があるかということです。
建設工事では、材料費や外注費が先に出ることもあります。
そのため、途中で資金が足りなくなると、お客様や協力業者にも迷惑がかかってしまいます。
一般建設業許可の場合は、主に次のような資料を確認します。
- 直近の決算書
- 貸借対照表
- 預金残高証明書
- 金融機関との取引状況
「売上はあるけど、決算書上どう見えるか分からない」ということもあります。
建設業許可を考えるなら、早めに決算書の内容も確認しておきたいところです。

社会保険や営業所も確認されます
建設業許可では、社会保険の加入状況も確認されます。
法人の場合は、原則として健康保険・厚生年金保険への加入が必要になります。
従業員を雇っている場合には、雇用保険も確認されます。
また、営業所の実態も大切です。
単に住所があるだけではなく、事務所として使っているか、電話や机などがあるか、看板や表札があるか、賃貸物件なら事務所使用が可能かなどなど。
こういった点も確認されます。
建設業許可は、会社の実態をかなり見られる手続です。
だからこそ、申請前の整理が大切になります。
今すぐ許可を取らなくても、準備は今からできます
ここまで読んでこう思った方、いませんか?
「うちはまだ500万円以上の工事は少ないから、まだ先かな…」
いえいえ、そんなことはありません。
準備は今からできます。
むしろ、建設業許可は必要になってから慌てると大変です。
特に、過去の工事資料が残っていない場合、経験の証明で苦労することがあります。
今からできる準備としては、次のようなものがあります。
| 今からできる準備 | 理由 |
|---|---|
| 請求書・注文書を保存する | 工事実績の証明に使える可能性がある |
| 入金記録を残す | 実際に請け負った証拠になる |
| 工事写真を保存する | 工事内容の説明に役立つ |
| 資格者を確認する | 取れそうな業種を判断しやすくなる |
| 役員の経歴を整理する | 経営経験の確認に必要 |
| 決算書を確認する | 財産的基礎の確認に必要 |
| 社会保険を確認する | 許可要件に関係する |
| 事務所の状態を確認する | 営業所要件に関係する |
このあたりを日頃から整理しておくと、いざ建設業許可を取りたいとなったときにスムーズです。

建設業許可は、事業を広げるための準備です
建設業許可を取るメリットは、500万円以上の工事を受けられるようになることだけではありません。
取引先やお客様からの信用にもつながります。
たとえば、大きめのリフォーム工事を受けやすくなりますし、元請会社から声がかかりやすくなるかと思います。
また、建設業許可を取得すれば、金融機関への説明材料になりますし、将来的に公共工事を考えるきっかけになり、採用や営業面でも安心感を出せます。
このように、建設業許可は事業を広げるための大事な土台になります。
特に、住宅・店舗リフォームのように、工事内容が広がりやすい業種では、早めに検討しておいて損はありません。
まとめ:電気工事業者登録の次は、建設業許可の準備を
ということで、今回は 電気工事業者の登録が出来た事業者さんのネクストステップである建設業許可について解説しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。
建設業許可は、必要になってから慌てて準備するよりも、早めに状況を確認しておく方が安心です。
「今すぐ申請できるか分からない」
「どの業種を取ればいいか分からない」
「過去の工事資料で証明できるか見てほしい」
「電気工事業者登録の次に何をすればいいか知りたい」
当事務所では、電気工事業者登録に続き、建設業許可取得に向けたご相談にも対応しています。
「まだ早いかな?」という段階でも大丈夫です。
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