みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
本日は 建設業許可と電気工事業の登録についての深い繋がりについてお話します。
先日、地元の喫茶店で、ある知人とコーヒーを飲みながら話をする機会がありました。
彼は10人ほどの少数精鋭な会社に勤める、社長からも信頼の厚いエースです。
「山本さん、聞いてくださいよ!僕が企画した新規事業、社長からGOが出たんです!」
聞けば、最近のAIブームや高速通信のニーズを捉えた、ネットワーク(LAN)配線工事のプロジェクト。
社内の新規プロジェクトのPM(プロジェクトマネージャー)としてバリバリ進めていくんだと、目がキラキラしていました。
「うちは建設業許可も取ったばかりだし、電気工事士もいる。準備万端ですよ!」
自信満々の彼に、私はふと気になって「会社概要」を見せてもらったんです。
そこで……見つけてしまいました。
「……あれ、〇〇さんの会社、電気工事業の登録、受けてないですよね?」
「えっ? いや、うちは苦労して建設業許可を取ったんですよ? これがあれば何でもできるでしょ?」
そう言った彼の顔から、スッと血の気が引いていくのが分かりました。

「またあの大変な書類をイチから……?」と項垂れる彼。
実はこれ、建設業界では本当によくある思い込みの罠なんです。
なぜ建設業許可だけではダメなのか?
結論から言うと、建設業許可を持っていても、電気工事を業として行うなら、別途「電気工事業」としての手続きが必須です。
多くの方が勘違いしやすいのが金額のルールです。
- 建設業許可:1件の請負代金が税込500万円以上の大きな工事をする時に必要になります。
- 電気工事業の登録:金額に関係なく、500万円未満の軽微な工事であっても、事業として継続的に行うなら必要です。

つまり、「うちは小さい仕事しかしないから許可はいらない」と思っていても、電気工事に関しては「どんなに小さな仕事でも、看板(登録)なしでやってはダメ!」という厳しいルールがあるのです。
うっかりでは済まされない無登録の怖さ
彼が一番驚いていたのは、この登録が単なる事務的な手続きではなく、法律で厳しく決まっているという点でした。
実は、電気工事業の登録をせずに請け負って工事を行うと、罰則が科せられる可能性があります。
実際、過去には大手企業の系列会社などが、登録なしで工事を請け負っていたとして摘発された事例もあるのです。
「知らなかった」では済まされないのが怖いところ。
特にPMとしてプロジェクトを動かす立場なら、コンプライアンスの面からも絶対に無視できないポイントですよね。
建設業許可がある人のためのショートカット
真っ青な顔の彼。
話を聞くと、以前 建設業許可を取るのに大変苦労したみたいで、「またあの苦労をしないといけないのか…」と思っていたんだとか。
そんな彼に私はこうアドバイス。
「大丈夫、〇〇さんの会社はもう建設業許可を持ってるんだから、イチから全部やり直しってわけじゃないよ」
通常、電気工事業を始めるには登録が必要ですが、すでに建設業許可(電気工事業)を持っている会社には、「みなし」という手続きが用意されています。
これが、いわゆる「みなし登録」と「みなし通知」です。
- みなし登録(電気工事業開始届出):一般家庭や商店などの「一般用電気工作物」を扱う場合。
- みなし通知(電気工事業開始通知):ビルや工場など、最大電力500kW未満の「自家用電気工作物」のみを扱う場合。
彼もこれを聞いて、少しだけ表情に明るさが戻ってきました。

クリアすべき最大の壁、主任電気工事士と道具
建設業許可を既に取得していると、手続きが軽くなるとはいえ、「人」と「物」の要件はしっかりチェックされます。
特に電気工事業の登録においてクリアすべき壁は、主任電気工事士の設置と必要な道具、この2つになります。
- 主任電気工事士の設置:営業所ごとに主任電気工事士を置かなければなりません 。以下のいずれかが必要です。
- 第一種電気工事士の免状を持っている。
- 第二種電気工事士取得後、3年以上の実務経験がある。
※この実務経験は、登録業者のもとで経験を積んでいることが証明できなければなりません。

- 必要な3つの道具:以下の器具を営業所に備え付けておく必要があります。
- 絶縁抵抗計
- 接地抵抗計
- 抵抗及び交流電圧を測定できる回路計(テスター)
必要な道具に関しては購入などで比較的簡単にクリアできますが、主任電気工事士の要件である「3年間の実務経験」は、一朝一夕には解決できない大きな鍵となります。
この実務経験の壁をクリアしない限り、たとえ建設業許可に基づく「みなし」手続きであっても、電気工事業の登録(届出)を完了させることはできません。
5年ごとの更新が運命の分かれ道
無事に手続きが終わって「さあ、これからだ!」となっても、油断は禁物です。
電気工事業の登録(みなし含む)には、5年間の有効期限があります。
建設業許可の更新時期とズレていることも多いため、「うっかり期限が切れていた!」というトラブルが非常に多いのです。
どんなに現場が忙しくても、建設業の許可と電気工事業の登録の更新だけは忘れないようにしましょう。
有効期限が切れたまま工事を続けると、無登録営業として罰則の対象になり、仕事どころではなくなってしまいます。

岡山県の場合、期間満了の1カ月前を目処に更新申請を行うことが推奨されています。
「まだ先だから大丈夫」と思わず、許可証や登録証の期限は常にセットで確認する癖をつけておきたいですね。
まとめ:足元を固めて、最高のスタートを!
久しぶりの対面で近況を語るはずが、ガッツリ仕事の話になってしまった今回 。
喫茶店で肩を落としていた彼も、最後には「山本さん、すぐに手続き進めます。PMとして、コンプラ違反でプロジェクトを台無しにするわけにはいかないですからね」と、力強く笑ってくれました。
せっかくの素晴らしい新規事業において、手続きの不備でつまずいてしまうのは本当にもったいないことです。
登録なしでの請負は法令違反として罰則の対象となるだけでなく、積み上げてきた事業の信頼も損なわれかねません。
「うちの会社、建設業許可はあるけど電気の登録はどうなってるかな?」
「主任電気工事士の実務経験、これで認められるかな?」
そんな不安がある時は、ぜひお気軽にご相談ください。
当事務所では、新規の届出はもちろん、忘れがちな5年ごとの更新手続きもしっかりサポートしています。
岡山県内(特に倉敷周辺!)の事業者様、面倒な書類作成はプロに任せて、皆さんは現場の施工や事業企画に集中してくださいね。
共に最高のスタートを切りましょう !
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