みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は、最近よくあるお問い合わせをいただく、「AIで作成した契約書に起こりがちな問題」をお話をします。
最近は、ChatGPTなどのAIを使って契約書を作成する方が増えています。
「業務委託契約書を作ってください」
「秘密保持条項を入れてください」
「損害賠償の条項も追加してください」
「途中解約のルールも入れてください」
このように指示を出していくと、AIはかなり契約書らしい文章を作ってくれます。
正直なところ、私たち行政書士としても「これは便利だな」と感じる場面は多くあります。
たたき台を作るだけなら、AIは本当に優秀です。
ただし、実際のご相談では、AIで契約書を作っていくうちに、かえって収拾がつかなくなってしまうケースもあります。
いわば、最初は小さな雪だるまだった契約書が、AIとのやり取りを重ねるうちに、気づけば巨大な雪だるまになって坂道を転がっているような状態です。
止め方が分からなくなることがあります。

今回は、AIで作成した契約書に起こりがちな問題と、当事務所で対応している契約書の整理・修正サポートについて、分かりやすくご説明します。
AIで契約書を作ってみたものの、まとまらなくなったご相談
先日、とあるお客様からこのようなご相談をいただきました。
「契約書を自分で作ろうとしたけど、にっちもさっちもいかんなった!」
お客様は、某有名AIサービスを使って、ご自身で契約書を作成しようとされたそうです。
最初は、簡単な契約書を作るつもりでした。
ところが、AIとチャット形式でやり取りをしているうちに、AIから次々と提案が返ってきます。
「この条項も入れた方がよいです」
「このリスクも想定しておいた方がよいです」
「この場合には、別の条項も必要です」
「念のため、この文言も追加しておきましょう」
こう言われると、どれも必要に見えてきます。
「念のため」と言われると、つい入れたくなります。
契約書の世界の「念のため」は、冷蔵庫の奥から出てくる調味料くらい増えがちです。
その結果、あれもこれもと盛り込んでいくうちに、契約書全体が非常に複雑になってしまったそうです。
そして最終的には、以下の状態に。
- 条項が増えすぎて、どこに何が書かれているのか分からない
- 同じような内容が別の条項にも出てくる
- 言い回しが統一されていない
- Wordファイルの体裁が崩れている
- 署名欄や別紙の位置も分かりにくい
まさに、契約書として「しっちゃかめっちゃか」な状態です。

AIは優秀。でも、提案を全部入れればよいわけではありません
AIは非常に賢いです。
こちらが気づいていないリスクを指摘してくれることもあります。
条項案を複数出してくれることもあります。
難しい法律用語を、それらしく整理してくれることもあります。
ただし、AIが出してくる提案をすべて契約書に入れればよい、というわけではありません。
契約書には、バランスが必要です。
例えば、本来はシンプルな業務委託契約書でよいはずなのに、AIの提案をすべて取り入れた結果、30条を超える大作になってしまうことがあります。
もちろん、契約内容によっては、細かい条項が必要な場合もあります。
しかし、取引の内容に対して契約書が過剰に重たくなりすぎると、相手方に警戒されてしまうこともあります。
「えっ!?ここまで細かく書く必要があるの?」
「なんか この契約って危ないじゃないの?」
「内容が難しすぎて、社内で確認しきれない!」
このように思われてしまう可能性があります。
契約書は、条項をたくさん並べればよいものではありません。
ラーメンに全部のトッピングを乗せれば必ずおいしい、というわけではないのと同じです。
乗せすぎると、もはや麺が見えません。
契約書も同じで、その取引にとって本当に必要な条項を選ぶことが大切です。

AIで作成した契約書にありがちな問題
AIで作成した契約書には、いくつか共通して起こりやすい問題があります。
条項が多すぎる
AIは、リスクを幅広く拾おうとします。
そのため、実際の取引ではそこまで必要ない条項まで提案されることがあります。
その結果、契約書全体が必要以上に長くなってしまいます。
条項が多いこと自体が悪いわけではありません。
ただし、取引内容に対して過剰な契約書になっている場合は、見直しが必要です。
同じ内容が何度も出てくる
AIに何度も追加指示をしていると、以前に入れた内容と似たような条項が、別の場所に追加されることがあります。
例えば、こういうことだったり。
- 秘密保持に関する内容が複数箇所に出てくる
- 損害賠償に関する内容が別々の条項で重複している
- 解除に関するルールが似た表現で何度も出てくる
このような状態になると、どの条項を優先して読むべきか分かりにくくなります。
場合によっては、条項同士が矛盾してしまうこともあります。
言葉の使い方が統一されていない
契約書では、言葉の統一が大切です。
- 「甲」「乙」
- 「委託者」「受託者」
- 「本業務」「対象業務」
- 「代金」「報酬」「委託料」
こうした言葉が契約書内でバラバラに使われていると、読み手にとって非常に分かりにくくなります。
AIで何度も修正を重ねると、途中で表現が揺れてしまうことがあります。
契約書として使うためには、用語を整理し、全体の表現を統一する必要があります。
Wordファイルの体裁が崩れてしまう
契約書は、中身だけでなく見た目も大切です。
例えば、このような状態だと、せっかく内容が良くても、契約書としての信頼感が下がってしまいます。
- 条番号がずれている
- インデントがバラバラ
- 改行位置がおかしい
- 別紙や署名欄の配置が整っていない
- フォントや文字サイズが統一されていない
特に、相手方に提示する契約書であれば、見た目の整った文書にしておくことは大切です。
第一印象は大事です。
契約書も、人と同じで「寝ぐせ全開」で相手先に出すより、きちんと整えて出した方が安心感があります。
実際の取引内容と合っていない
AIは、一般的な契約書の形を作ることは得意です。
しかし、実際の取引現場の事情までは、こちらが正確に伝えなければ分かりません。
例えば、こうした実務上の事情が契約書に反映されていないと、いざトラブルが起きたときに使いにくい契約書になってしまいます。
- 業務の進め方
- 報酬の支払い時期
- 追加費用が発生する場面
- 途中で契約を終了する場合の扱い
- 成果物の有無
- 再委託の可否
- トラブルが起きやすいポイント
契約書は、法律っぽい文章であればよいわけではありません。
大切なのは、実際の取引に合っていることです。

AIで作った契約書は「最後の整理」が重要です
AIを使って契約書を作ること自体は、決して悪いことではありません。
むしろ、たたき台を作る手段としては非常に便利です。
ゼロから考えるよりも、AIに一度案を出してもらうことで、論点を整理しやすくなることもあります。
ただし、AIが作った契約書をそのまま使う場合には注意が必要です。
確認したいポイントは、次のような点です。
- 自社の取引内容に合っているか
- 条項が過剰になっていないか
- 必要な条項が抜けていないか
- 同じ内容が重複していないか
- 用語や表現が統一されているか
- 相手方に提示しても違和感のない内容か
- トラブル時に実際に使える内容か
AIはとても便利な道具です。
しかし、最後に契約書として仕上げるには、実務に合わせた整理が必要です。
当事務所では、AIで作った契約書の整理・修正に対応しています
当事務所では、AIなどを使って作成した契約書について、内容の確認や整理、修正のご相談をお受けしています。
例えば、次のようなお悩みに対応しています。
- AIで契約書を作ってみたけれど、最後の一つにまとめきれない
- 条項が増えすぎて、何を残せばよいか分からない
- 契約書としての体裁をきれいに整えたい
- 実務で使える内容になっているか確認してほしい
- 業務委託契約書や秘密保持契約書の内容を見直したい
- Wordファイルを相手方に出せる形に整えたい
契約書作成を扱う行政書士事務所として、単に文章をきれいにするだけではなく、実際の取引で使いやすい形に整理していきます。
契約書チェック・修正の内容
AIなどである程度契約書の形はできているものの、内容がまとまらない場合には、契約書チェック・修正として対応しています。
作成済みの契約書を確認し、主に次のような作業を行います。
不要な条項の整理
取引内容に照らして、過剰と思われる条項や、実務上あまり必要性が高くない条項を整理します。
契約書を長くすることが目的ではありません。
必要な内容を、分かりやすく残すことが大切です。
重複している条項の削除
秘密保持、損害賠償、契約解除など、似た内容が複数箇所に出ている場合には、内容を整理します。
重複を減らすことで、契約書全体が読みやすくなります。
表現や用語の統一
「報酬」「委託料」「代金」など、同じ意味で使っている言葉がバラバラになっている場合には、表現を統一します。
用語が整うと、契約書の読みやすさが大きく変わります。
実際の取引内容との確認
契約書の内容が、実際の取引内容に合っているかを確認します。
特に、業務内容、支払時期、成果物、追加費用、途中解約、責任範囲などは、実務上とても重要です。
Wordファイルの体裁調整
条番号、インデント、フォント、改行、署名欄、別紙などを整え、相手方に提示しやすい契約書の形にします。
中身が大事なのはもちろんですが、見た目が整っていると、契約書としての安心感も高まります。

契約書チェック・修正の費用
AIなどで作成した契約書の整理・修正については、22,000円(税込)で対応しています。
「AIで作った契約書を完全に作り直す」というよりも、今ある契約書をベースに、実務で使える形へ整えていくイメージです。
契約書がわちゃわちゃしてしまった場合でも、内容を確認しながら、必要な条項を残し、不要な部分を整理していきます。
まとめ|AIで作った契約書の「最後の整理」は専門家にご相談ください
ということで、今回は AIで作成した契約書が収拾不能になってしまうケースについてご紹介しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。
AIは非常に優秀です。
契約書のたたき台を作るには、とても便利な存在です。
しかし、AIの提案をすべて盛り込んでしまうと、契約書が必要以上に複雑になり、かえって使いにくくなることがあります。
大切なのは、契約書を長くすることではありません。
- 実際の取引に合っていること
- 必要な条項が過不足なく入っていること
- 読みやすく整理されていること
- 相手方に提示できる体裁になっていること
このような点が重要です。
自分で契約書を作ろうとしたものの、AIの提案が多すぎて取捨選択ができない方。
内容はある程度できているけれど、Wordファイルの体裁が崩れてしまった方。
契約書としてきれいに整えたい方。
そのような場合は、お気軽にご相談ください。
わちゃわちゃになってしまった契約書も、実務で使える形にしっかりと整理いたします!
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