「規程」と「ガイドライン」は何が違う?会社を守るルール作りの基本をやさしく解説

契約書

みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は 「規程」と「ガイドライン」の違いについてお話します。

みなさんのお勤めの会社でも、規程やガイドラインってありますよね?

そんな規程やガイドライン、いざ会社でルールを作ろうとすると、「規程にした方がいいのか?」「ガイドラインで十分なのか?」と迷うことがあります。

特に、ハラスメント対策、個人情報管理、SNS利用、AI利用、在宅勤務、副業、内部通報など、最近は会社が整備すべきルールも増えています。

しかし、何でもかんでも「規程」にすればよいわけではありません。
逆に、ガイドラインだけでは足りない場面もあります。

今回は、そんな規程とガイドラインの違いを、できるだけ分かりやすく整理します。

規程とは?

では、まず最初に規程についてお話します。
規程とは、会社の中で守るべき正式なルール」です。

「正式なルール」とは、たとえば 次のようなものです。

規程の例内容
就業規則労働時間、休日、賃金、服務規律、懲戒など
ハラスメント防止規程禁止行為、相談窓口、調査、処分など
個人情報保護規程個人情報の取得、管理、利用、廃棄など
旅費規程出張時の交通費、宿泊費、日当など
文書管理規程契約書や重要書類の保存方法、保存期間など

どうでしょうか?
一言で「規程」と言っても、いろいろな種類がありますよね。

規程は、会社の中で、「これは守ってください」「この手順で進めてください」「これをしてはいけません」というルールを、はっきり示すためのものです。

そのため、規程には次のような特徴があります。

ポイント内容
性質守るべきルール
表現「〜しなければならない」「〜してはならない」
目的社内ルールを明確にする
向いている内容禁止事項、義務、手続、処分、責任の所在
注意点内容が曖昧だと、運用時にトラブルになりやすい

規程は、ルールを明確にする文書です。
そのため、どうしても法律のように少し堅い文章で書かれていることが多くなります。

ただし、難しく書けばよいというものではありません。
社員が読んでも意味が分からなければ、せっかく規程を作っても現場では使われません。

大切なのは、会社として守るべきルールを明確にしつつ、実際に使える内容にすることです。

ガイドラインとは?

では次にガイドラインについてお話します。
ガイドラインとは、現場で判断に迷ったときの考え方や行動の目安です。

このガイドラインは規程ほど強いルールではありませんが、社員が同じ方向を向いて行動するために役立ちます。
たとえば、次のようなものです。

ガイドラインの例内容
SNS利用ガイドライン投稿時に注意すべきこと、炎上防止、会社情報の扱い
AI利用ガイドライン入力してよい情報、禁止事項、生成物の確認方法
カスタマーハラスメント対応ガイドライン顧客対応時の判断基準、対応例、記録方法
接客対応ガイドラインクレーム時の初期対応、言葉遣い、報告基準
在宅勤務ガイドライン自宅勤務時の連絡方法、セキュリティ、勤務姿勢

ガイドラインは、社員に対して、「こういう考え方で対応しましょう」「迷ったときは、この基準で判断しましょう」「こういう点に注意しましょう」と示すためのものです。

そのため、ガイドラインには次のような特徴があります。

ポイント内容
性質判断・行動の目安
表現「〜が望ましい」「〜に注意する」「原則として〜」
目的現場判断のばらつきを減らす
向いている内容判断基準、対応例、注意点、運用マニュアル
注意点強制力を持たせたい内容は規程化を検討する

ガイドラインは、現場で使いやすい文書です。

たとえば、カスタマーハラスメント対応であれば、「どの段階で上司に報告するのか」「どのような言葉でお客様に伝えるのか」「記録には何を残すのか」といった実際の対応方法を示すことができます。
つまり、ガイドラインは、会社の考え方を現場の行動に落とし込むためのものです。

規程が「守るべきルール」だとすれば、ガイドラインは「迷ったときの道しるべ」といえます。

規程とガイドラインの違い

規程とガイドラインの違いを、もう少し分かりやすく整理してみます。
どちらも大切ですが、役割が少し違います。

項目規程ガイドライン
役割会社の正式なルール判断・行動の目安
強さ強い規程より柔らかい
書き方〜しなければならない/〜してはならない〜が望ましい/〜に注意する
向いている内容義務、禁止、手続、責任、処分判断基準、具体例、対応方法
例えるなら交通ルール安全運転のコツ
違反した場合注意・指導・懲戒の根拠になる場合がある指導・改善の材料になる
改定慎重に行う必要がある比較的見直しやすい

たとえ話で考える

規程とガイドラインの違いは、道路交通ルールで考えると分かりやすいです。

規程は、「赤信号では止まる」「制限速度を守る」というルールです。
守らなければ違反になります。

一方、ガイドラインは、「雨の日は車間距離を広めにとる」「住宅街では子どもの飛び出しに注意する」という運転の目安です。
法律のような強いルールではありませんが、安全に運転するためにはとても大切です。

会社も同じです。

「何をしてはいけないのか」
「何をしなければならないのか」
こういったことは規程で定めます。

そのうえで、「実際の現場ではどう判断するのか」「どんな対応をすればよいのか」をガイドラインで補うと、社員が動きやすくなります。

どちらを作ればいいのか?

ここまで、規程とガイドラインの違いについてお話ししてきました。
ただ、ここで次のように思った方もいるかもしれません。

「結局、規程とガイドラインはどちらを作ればいいの?」

この点で迷ったときは、その内容をどのくらい強く社内に定着させたいかで考えると分かりやすいです。

たとえば、社員に必ず守ってもらいたいことや、違反した場合の対応まで決めておきたいことは、規程に向いています。
一方で、現場での判断基準や具体的な対応例を示したい場合は、ガイドラインに向いています。

作りたい内容向いている形式
社員に必ず守らせたい規程
違反時の対応や処分につなげたい規程
会社としての正式なルールにしたい規程
現場での判断基準を示したいガイドライン
具体的な対応例を示したいガイドライン
状況に応じて柔軟に運用したいガイドライン
まずは社内に考え方を浸透させたいガイドライン

実務ではセットで作るのがおすすめ

実務では、規程とガイドラインを分けて考えるより、セットで整備するのが効果的です。

たとえば、ハラスメント対策なら、こんな感じ。

文書役割
ハラスメント防止規程禁止行為、相談窓口、調査手続、懲戒との関係を定める
ハラスメント対応ガイドライン相談を受けたときの対応方法、聞き取り時の注意点、記録の残し方を示す

次に、昨今急激に増えている社内のAI利用であれば、こんな感じ。

文書役割
AI利用規程入力禁止情報、利用目的、責任範囲、違反時の対応を定める
AI利用ガイドライン使ってよい場面、確認方法、プロンプト例、注意点を示す

さいごに、カスタマーハラスメント対策なら、こんな感じ。

文書役割
カスタマーハラスメント対応規程会社としての対応方針、従業員保護、対応体制を定める
カスタマーハラスメント対応ガイドライン現場対応例、記録方法、上司への報告基準を示す

このように、規程で骨組みを作り、ガイドラインで現場の動きを補うと、実際に使えるルールになります。

さいごに

ということで、今回は 規程とガイドラインの違いについて整理しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。

規程とガイドラインは、どちらが上で、どちらが下というものではありません。

規程は、会社を守るための「正式なルール」。
ガイドラインは、社員が迷わず動くための「実務上の道しるべ」です。

大切なのは、文書の名前をどうするかではありません。

その文書を使って、会社や社員をどのように守るのか現場でどのように活用していくのかを考えることです。

「とりあえず規程を作る」のではなく、何をルールとして明確にするのか、何を現場の判断基準として示すのかを整理することが大切です。

当事務所では、今回ご紹介したような社内規程やガイドラインの整備についてもご相談をお受けしています。

倉敷市周辺で、「社内ルールを整備したい」「規程やガイドラインを見直したい」「自社に合った内容で作成したい」という企業様がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

行政書士やまもと事務所
🏠 岡山県倉敷市
🌐 https://tora-no-maki.com

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