みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は 新たに作成したページ「AI契約書」をご紹介します。
この度 当事務所のホームページに、新しく「AI契約書」というページを作りました。
「AI契約書」と聞くと、「ついに行政書士事務所がAIを開発したのか?」と思われるかもしれません。
残念ながら違います。
当事務所には、AIを一から開発するための人・モノ・金・情報が、きれいに全部足りません。
ですので、そのあたりは世界を代表する企業の皆さまにお任せします。
ChatGPT、Claude、Gemini。
このあたりの世界トップクラスのAIと正面から勝負するほど、私は勇敢ではありません。
では、当事務所は何を作ったのか?
それは、「AIに契約書を作ってもらうためのプロンプトを作るツール」です。
ChatGPTなどを使って自分で契約書を作ってみたい方が、AIに伝えるべき条件を整理しやすくするための無料ツールです。
「AI契約書」を作った理由
当事務所では、業務委託契約書をはじめ、各種契約書の作成やチェックを行っています。
その中で、最近増えてきたのが、「チャッピーで契約書を作ったので、チェックしてもらえますか?」というご相談です。
ChatGPTをはじめとする生成AIが身近になり、AIで契約書を作成する方はかなり増えてきました。

これは、個人的には良いことだと思っています。
以前なら、「契約書って、そもそも何を書けばいいの?」というところから考えなければなりませんでした。
それが今ではChatGPTなどに、「業務委託契約書を作って」と入力すると、数秒後にはそれらしい契約書が表示されます。
便利な時代です。
ただ、実際にAIで作成された契約書を見ていると、ときどき思うことがあります。
「……肝心なところ、どこ行った?」
契約書作成をお仕事としてやっていると、これだけ賢くなったAIを使っても多々あるんです。
AIで契約書を作るときに起こりやすい問題
業務委託契約書なのに3条しかない
例えば、AIで作成した業務委託契約書。
タイトルは堂々と、「業務委託契約書」となっています。
ところが中を見ると、第1条:業務内容、第2条:報酬、第3条:契約期間 以上。
思わず、「潔いな!」と言いたくなる契約書ですね。
ちなみに依頼者曰く、某G社のAIで作成したそうです。
もちろん、契約書は条文が多ければ良いというものではありません。
短い契約書で十分な取引もあります。
しかし、実際の業務委託では、例えば次のようなことも検討する必要があります。
- 報酬をいつ、どのような方法で支払うのか
- 成果物をどのように確認するのか
- 修正対応はどこまで含まれるのか
- 再委託を認めるのか
- 秘密情報をどのように扱うのか
- 契約途中で解除できるのか
- 損害が発生した場合にどうするのか
こうした条件は、取引によって必要性が変わります。

ところが、GeminiなどのAIに十分な情報を伝えず、「業務委託契約書を作ってください」とだけお願いすると、一般的でシンプルな内容になることがあります。
AIからすると、「そこまで言われていませんけど?」ということなのかもしれません。
ある意味、非常に正しいです。
ChatGPTで契約書を作るなら「頼み方」が重要
AIで契約書を作るとき、大切なのはAIの性能だけではありません。
何をAIに伝えるかも非常に重要です。
例えば、「契約書を作ってください」と頼むのと、「個人事業主同士の業務委託契約です。業務内容はホームページ制作、報酬は30万円、納期は○月○日、修正は2回まで、再委託は禁止、秘密保持義務を設け、途中解約の場合についても定めてください」と頼むのとでは、AIに渡される情報量が大きく違います。
人間でも同じです。
「なんかいい感じに作っといて」と言われるより、「こういう目的で、こういう内容のものを作ってほしい」と言われた方が仕事はしやすいですよね。

AIもおそらく同じです。
たぶん。
AI本人に確認したわけではありませんが。。。
秘密保持契約書と秘密保持誓約書は同じではありません
AIへの頼み方が重要になる例を、もう一つご紹介します。
例えば、従業員や外部スタッフ一人に、「仕事で知った秘密情報を外部に漏らさないでください」という書面を書いてもらいたいケースです。
内容によっては、双方が義務を負う秘密保持契約書(NDA)ではなく、一方から差し入れてもらう秘密保持誓約書という形の方が向いていることがあります。

ところがAIに、「秘密保持について契約書を作って」とお願いすると、その言葉どおり「秘密保持契約書」を作ってくれます。
これはAIが間違っているとは限りません。
こちらが、「誰と誰の間で、何のために、誰にどのような義務を負わせたいのか」を十分に伝えていないからです。
そこで気付きました。
それは、AIで契約書を作るときの問題は、「AIが契約書を作れないこと」ではなく、「AIへの頼み方が意外と難しいこと」なのではないか。ということです。
そこで「AI契約書プロンプト作成ツール」を作りました
そこで今回、当事務所で作ったのが、「AI契約書プロンプト作成ツール」です。
このツール自体が契約書を自動作成するわけではありません。
契約内容についていくつか入力していただき、その内容を整理したうえで、ChatGPT・Claude・Geminiなどに貼り付けて使える「契約書作成用プロンプト」を作成します。
つまり、「AIさん、契約書を作ってください。よろしく!」と丸投げするのではなく、「こういう当事者間で、こういう取引をします。報酬はこう、期間はこう、秘密保持はこう、再委託はこう、解除についてはこう考えています」という情報を整理してから、AIに契約書作成を依頼するためのツールです。

AI契約書プロンプト作成ツールで目指したこと
このツールで目指したのは、AIに「完璧な契約書」を作ってもらうことではありません。
目指しているのは、AIに必要な情報をできるだけ具体的に伝えやすくすることです。
生成AIは非常に便利ですが、入力されていない事情まで正確に理解して契約書を作ってくれるわけではありません。
だからこそ、AIに契約書を作らせる前に、「何を決めておく必要があるのか」を整理することが大切だと考えました。
行政書士がAI契約書ツールを作って大丈夫なのか
ここまで作ってから、ふと思いました。
「あら?これって自分の仕事を減らしてない?」
当事務所では、契約書作成や契約書チェックを業務として行っています。
その行政書士本人が、「無料でAIを使って契約書を作りやすくするツールを作りました!」と言っているわけです。
これって飲食店が、「当店の味を家庭で再現できるレシピを無料公開しました」と言っているようなものですよね。
多少、自虐的です。
でも、それでも良いと考えています。
契約書のすべてを専門家に依頼する必要はありません
私は、すべての契約書を最初から専門家に依頼しなければならないとは考えていません。
取引内容が比較的シンプルで、当事者双方が条件を十分理解しているのであれば、ChatGPTなどのAIを使って自分で契約書を作成することも一つの選択肢です。
せっかく便利なAIがあるのですから、上手に使った方がよいと思います。
その一方で、「AIに何を伝えればいいのか分からない」という方も多いと思います。
そこで、少しでも「ちゃんとした契約書」をAIに作ってもらうための入口を作りたい。
これが、今回「AI契約書」を作った理由です。
AIで作った契約書が必ず正しいとは限りません
ここは重要なので、ぜひ知っておいてください。
AI契約書プロンプト作成ツールを使えば、何も考えずに、「契約書を作って」と入力するよりも、具体的な条件をAIに伝えやすくなります。
しかし、AIが作成した契約書が、必ずその取引に適した内容になるとは限りません。
AIは入力されていない事情までは分かりません
契約書に必要な内容は、取引ごとに異なります。
例えば、以下のような内容などです。
- 業界特有の商慣習
- 実際の業務フロー
- 当事者それぞれの立場
- 過去に起きたトラブル
- 将来起こりそうな問題
- 代金や報酬の支払方法
- 納品・検収の方法
- 知的財産権の扱い
- 契約解除の条件
入力していない事情をAIが正確に把握することはできません。
そのため、AIで契約書を作成した場合でも、最終的には内容をよく確認する必要があります。
契約書チェックでは「実際に揉めたらどうなるか」を考える
私が契約書を作成・チェックするときには、「実際にトラブルになったら、どこで揉めるだろう?」という視点で考えることがあります。
例えば、こうした認識のズレは、実際の取引で起こり得ます。
「納品した」「いや、まだ完成していない」
「そこまでの修正を頼んだつもりはない」
「途中で解約できると思っていた」
「その費用も報酬に含まれていると思っていた」
契約書の役割の一つは、このような「あとから揉めそうなところ」を先回りして整理しておくことです。

法律的に問題のない文章を並べるだけではなく、実際の取引を想像しながら条件を決めていくことも重要になります。
この部分については、まだ人間が確認した方がよい場面も多いと感じています。
AIで契約書を作って、最後だけ行政書士に確認する方法もあります
今回作った「AI契約書」は、AIを使って自分で契約書を作ってみたい方のための無料ツールです。
契約条件を入力すると、ChatGPT・Claude・Geminiなどで利用できる契約書作成用プロンプトを作ることができます。
まずはAIを使って、自分で契約書を作ってみる。
そして出来上がった契約書を見て、「一応できたけど、これで大丈夫かな」「相手に出す前に一度チェックしてほしい」「何となく不安だけど、何が不安なのか自分でも分からない」と思った場合には、その段階で専門家に相談する方法もあります。
AIに全部任せる。
専門家に全部任せる。
必ずしも、その二択である必要はありません。
まずAIを使って自分で作り、必要な部分だけ行政書士などの専門家に確認してもらう。
このような契約書の作り方も、これから増えていくのではないかと思っています。
行政書士としては、少し複雑なところもありますが。。。
まとめ|ChatGPTなどのAIで契約書を作るなら「何を伝えるか」が大切です
ChatGPT・Claude・Geminiなどの生成AIを使えば、以前より簡単に契約書を作れるようになりました。
ただし、AIに「契約書を作って」とお願いするだけでは、必要な条件が十分に盛り込まれないことがあります。
AIで契約書を作成するときは、以下の条件を整理したうえでAIに伝えることが大切です。
「誰と誰が契約するのか」
「どのような取引なのか」
「報酬はいくらか」
「いつまでの契約なのか」
「途中で解除できるのか」
「秘密情報はどう扱うのか」
そのお手伝いをするために、今回「AI契約書プロンプト作成ツール」を作りました。
まずは気軽に使って、ChatGPTなどで契約書を作ってみてください。
そして、「AIで契約書はできた。でも、このまま相手に出すのは少し不安」という場合には、出来上がった契約書を添付のうえ、当事務所までご相談ください。
AIに仕事を全部奪われる前に、こちらからAIを使い倒してやろう。
そんな気持ちで作ったツールです。
ぜひ一度、遊んでみてくださいね。
行政書士やまもと事務所
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