みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は、倉敷市の中小企業者向け補助金である、「倉敷市経営革新支援事業費補助金」について解説します。
この補助金は、簡単にいうと 今までの事業をそのまま続けるだけでなく、新しい商品・新しいサービス・新しい技術開発に挑戦する事業者を支援する補助金。
補助金というと、「設備を買うためのお金」というイメージを持たれる方も多いかもしれません。
しかし、この補助金で大切なのは、単に何を買うかではありません。
その設備やシステムを使って、どのような新しい事業に挑戦するのかが重要になります。
補助金の概要
先ずは、この補助金の概要ついて簡単にご紹介します。
倉敷市経営革新支援事業費補助金には、大きく分けて2つの事業区分があります。
| 区分 | 対象事業 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 新事業活動実施事業 | 新商品の開発・新役務の開発または提供・技術に関する研究開発 | 200万円 | 2/3 |
| 経営革新計画実施事業 | 経営革新計画に基づいた取組 | 100万円 | 2/3 |
新事業活動実施事業と経営革新計画実施事業の違い
ここで少し分かりにくいのが、「新事業活動実施事業」と「経営革新計画実施事業」は何が違うのか?という点。
新事業活動実施事業は、これから新しい商品を開発したり、新しいサービスを始めたり、技術に関する研究開発を行う事業者が対象です。
一方、経営革新計画実施事業は、すでに岡山県などから「経営革新計画」の承認を受けている事業者が、その計画に基づいて取り組む場合の区分です。
つまり、まだ経営革新計画の承認を受けていない場合は、まずは新事業活動実施事業で検討するケースが多いと思います。
ただし、新事業活動実施事業では、小規模事業者が対象外とされています。
そのため、従業員数が少ない事業者の場合は、経営革新計画実施事業の方で検討できるかどうかも含めて確認が必要です。
なお、経営革新計画は、単なる事業計画ではありません。
新しい事業活動に取り組み、経営の向上を目指す計画として、岡山県などの承認を受けるものです。
そのため、経営革新計画実施事業を使う場合は、補助金申請とは別に、あらかじめ経営革新計画の承認を受けていることが前提になります。

申請受付期間
ちなみに、受付期間は令和8年4月1日(水)から6月5日(金)必着。
また、市への事前相談期限は5月29日(金)までとされています。
注意したいのは、事前相談を実施していない事業計画書は受付できないこと。
つまり、いきなり補助金申請をしても受け付けてもらえません。
申請を検討する場合は、締切直前ではなく、早めの準備が必要です。
対象になる事業者
この補助金の対象となるのは、倉敷市内に住所および事業所を有する個人事業主、または倉敷市内に主たる事業所を有する会社などです。
ただし、注意点があります。
先ほどもお伝えしたとおり、新事業活動実施事業では、小規模事業者が対象外とされています。
小規模事業者とは、常時使用する従業員数が20人以下、商業またはサービス業では5人以下の事業者をいいます。
そのため、まずは自社が対象者に該当するかを確認することが大切です。

対象になり得る経費
補助対象経費としては、次のようなものが挙げられています。
| 経費区分 | 内容 |
|---|---|
| 原材料費 | 新商品開発や技術研究に必要な原料・材料 |
| 技術指導受入費 | 外部専門家などから技術指導を受ける経費 |
| 共同研究費 | 公的機関や大学等との共同研究費 |
| 機械装置・システム費 | 機械装置、ソフトウェア、クラウドサービス利用料など |
| 知的財産権導入費 | 意匠権などの導入経費 |
| 外注費 | 加工、設計、検査などの外注経費 |
| 広告宣伝・販売促進費 | 広告作成、広告掲載、展示会出展など |
| 研修受講費 | 教育訓練や講座受講など |
ただし、すべての経費が自由に認められるわけではありません。
たとえば、原材料費は新商品開発や技術研究開発に関する事業のみ、技術指導受入費や共同研究費も新商品・新サービス開発などに関する事業のみ対象とされています。
また、グループ会社や親族などに支払う経費は補助対象になりません。
過去の採択例から見る活用イメージ
いざ、補助金申請をしよう!と考えるうえで参考になるのが、過去の採択例です。
過去の採択例を見ると、単に「設備を買う」「システムを導入する」という内容ではなく、既存事業の強みを活かして、新しい商品・サービス・事業モデルに展開している点が共通しています。
たとえば、次のような取り組みがあります。
| 採択例の業種 | 取組内容の方向性 |
|---|---|
| クラフトビール製造 | 大都市圏向けの新商品開発、技術指導、発酵・熟成タンクの導入 |
| 給食調理事業 | 特別栽培米の生産・販売への挑戦 |
| 寝具・インテリア製造 | 高機能ウレタンを使った付加価値商品の開発 |
| 寝具製造 | 廃棄ふとんの再資源化による新商品開発 |
| ジーンズ加工業 | 加工技術を活かした展示・販売・カフェ・ワークショップ拠点の整備 |
| 縫製副資材卸売業 | 生成AIを活用したマーク提案システムの構築 |
たとえば、クラフトビール製造の例では、地元向けに醸造していた商品を、県外の大都市圏に展開するため、新しい液種の開発や技術指導、設備導入に取り組んでいます。
また、廃棄されるふとんを再資源化する例では、環境課題と自社の製造技術を結び付け、新たな商品づくりにつなげています。
ジーンズ加工業の例では、従来の衣料向け加工技術を、アートや生活雑貨、カフェ、ワークショップなどに展開し、観光と体験価値を組み合わせた新しい事業モデルにしています。

採択例から見えるポイント
過去の採択例から見ると、この補助金では次のような考え方が重要だと感じます。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 既存事業の強みを使う | 今ある技術・顧客・設備・ノウハウを活かす |
| 経営課題とつなげる | 原価高騰、人手不足、販路の限界、属人化などを整理する |
| 新商品・新サービスにする | 単なる設備更新ではなく、新しい価値提供につなげる |
| 市場や顧客を明確にする | 誰に売るのか、どの市場を狙うのかを整理する |
| 地域性や社会課題と結び付ける | 観光、環境、地域産業、人手不足などと関連づける |
反対に、古くなった設備の単純な買い替えや、ホームページを作るだけ、汎用的なパソコンやタブレットの購入などは注意が必要です。
この補助金を検討する場合は、まず「何を買いたいか」ではなく、自社の強みを使って、どのような新しい商品・サービスを作れるかから考えることが大切です。
申請で注意したいポイント
この補助金では、倉敷市への事前相談が必要です。
倉敷市への事前相談実施期限は5月29日(金)とされています。
また、事前相談をしていない事業計画書は受付できないため、締切直前に書類だけ作って提出する進め方は難しいといえます。
さらに、商工会議所、商工会、金融機関などの支援機関による伴走支援も前提となっています。
支援機関は、事業計画書作成に関する助言を行い、提出時には支援機関の支援表明書も必要になります。
また、補助事業の着手前、実施中、完了後の面談も予定されています。
つまり、この補助金は、事業者が一人で急いで申請するというより、支援機関や市と相談しながら事業計画を固めていくタイプの補助金です。

まとめ
ということで、今回は 倉敷市経営革新支援事業費補助金をご紹介しました。
今回のお話いかがでしたでしょうか。
倉敷市経営革新支援事業費補助金は、単なる設備更新のための補助金ではありません。
むしろ、今の事業を見直し、新しい商品・新しいサービス・新しい事業展開に挑戦するための補助金です。
過去の採択例を見ても、既存事業の強みを活かしながら、新商品開発、既存技術の応用、廃棄物の再資源化、観光・体験価値との組み合わせ、AIやシステムを活用した提案業務の高度化など、さまざまな取り組みが見られます。
大切なのは、「何を買うか」ではなく、「何を新しく始めるか」です。
申請を検討されている事業者の方は、まず自社の強みや課題を整理し、そこから新しい商品・サービスの可能性を考えてみることをおすすめします。
倉敷市の補助金申請でお困りの方へ
当事務所では、倉敷市内の事業者様向けに、補助金申請に関するご相談をお受けしています。
「自社の取り組みが対象になりそうか知りたい」
「新サービスのアイデアを整理したい」
「事業計画書の作成をサポートしてほしい」
「支援機関や市への相談前に、考えをまとめておきたい」
このような場合は、お気軽にご相談ください。
補助金は、単にお金をもらうための制度ではありません。
自社の事業を見直し、次の一手を考えるための良い機会にもなります。
是非、お気軽にご相談下さい。
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