補助金と融資の違いをやさしく解説|マル経融資も活用の選択肢に

補助金

「新しい設備を導入したい」
「店舗を改装したい」
――そんなときに頼りになる資金調達方法が、補助金と融資です。

どちらも事業を後押ししてくれる制度ですが、性格は大きく異なります。
補助金は返さなくていいお金、融資は返済が必要なお金。
分かっているようで実は混同されやすいポイントです。

今回は、補助金と融資の違いをやさしく解説するとともに、中小・小規模事業者がよく利用する「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」についても紹介します。

補助金とは?

補助金は、国や自治体が公募する「返済不要の資金」です。
ただし、どんな事業でも使えるわけではなく、対象者や対象経費が細かく決められており、申請しても必ず採択されるとは限りません。

補助金の特徴

  • 返済不要:受け取った資金は返す必要がない
  • 審査あり:事業計画書などを提出し、採択されなければならない
  • タイムラグ:申請から入金まで数か月かかることも多い
  • 後払いが基本:対象経費を支払った後に精算される仕組み

代表的な補助金

  • 小規模事業者持続化補助金
  • IT導入補助金
  • ものづくり補助金

そして、この補助金の申請サポートは、行政書士が得意とする分野です。
制度の選び方や申請書類の作成、事業計画づくりなどを一貫して支援できます。

融資とは?

融資は、金融機関からの借入です。
必ず返済が必要で、利息もかかります。
必要な時にまとまった資金を確実に手に入れられるという強みがあります。

融資の特徴

  • 返済義務あり:元本+利息を返す必要がある
  • スピード感がある:審査が通れば数週間で実行されることも
  • 資金使途が広い:設備投資、運転資金など幅広く対応可能
  • 信用力アップにもつながる:計画的に返済すれば金融機関からの信頼が高まる

融資の相談窓口として身近なのは、商工会議所や商工会です。
特に小規模事業者にとっては「マル経融資」が有力な選択肢となります。

補助金と融資の違いを比較

項目補助金融資
返済不要必要
審査公募・採択制金融機関の審査
スピード遅い(数か月〜半年)早い(数週間〜1か月程度)
資金の流れ後払いが多い先に資金を得られる
活用のしやすさ要件に合わなければ使えない比較的自由に活用可能

マル経融資という選択肢

「融資は返済が大変そう」と不安に思う方に知っていただきたいのが、マル経融資(小規模事業者経営改善資金)です。

マル経融資の特徴

  • 対象:小規模事業者(製造業等は従業員20人以下、商業・サービス業は5人以下)
  • 条件:商工会議所や商工会の経営指導を6か月以上受け、推薦を受けること
  • 融資額:最大2,000万円
  • 返済期間:10年以内(据置期間は最長2年)
  • 担保・保証人:不要
  • 金利:固定金利(2025年1月時点で約1.65%)

無担保・無保証人で利用できる点が最大の魅力で、資金調達に不安のある小規模事業者にとって心強い制度です。

補助金と融資を組み合わせる理由

補助金だけでは時間や資金繰りの面で不安が残ります。
融資と併用することでリスクを軽減できます。

事例イメージ

  • 飲食店改装:500万円 → 融資で工事費を先に支払い → 補助金で一部を回収
  • 製造業設備投資:1,500万円 → マル経融資で資金確保 → ものづくり補助金で1/2補助
  • IT導入:300万円 → 融資で支払い → IT導入補助金で3分の1補助

このように、補助金と融資を両輪で考えることが現実的です。

まとめ

ということで、今回は、補助金と融資の違いを解説しました。
今回のお話 いかでしたでしょうか。

まとめると以下になります。

  • 補助金は「返済不要だが採択リスクと時間がかかる」
  • 融資は「返済必要だがスピーディで確実」
  • 両者を組み合わせることで安定した資金計画が可能
  • 補助金は行政書士などの専門家がサポート、融資は商工会議所が窓口

事業を前に進めるとき、資金調達の手段は一つに絞る必要はありません。
補助金と融資の特徴を理解し、バランスよく組み合わせることが成功への近道です。

なお、融資について具体的に検討したい場合は、お近くの商工会や商工会議所などにご相談ください。
また 補助金については、当事務所までお気軽にお問い合わせいただければと思います。

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