倉敷美観地区を歩いて気づいた「看板が地味な理由」|ここで商売するなら景観ルールも要チェック

各種許認可

みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
本日は 倉敷美観地区にある景観ルールについてお話しします。

先日、倉敷美観地区の中で旅館を営まれている事業者さんとの打ち合わせがあり、久しぶりに美観地区へ行ってきました。

私は倉敷美観地区まで歩いて行ける距離に住んでいるのですが、地元ということもあって、実はほとんど行きません。
おそらく、ちゃんと歩いたのは数年ぶりです。
しかも、お盆休み真っただ中。

行ってみて最初に驚いたのが、「人、多っ!」ということでした。

平日でもかなりの観光客。
国内の方だけでなく、海外から来られていると思われる方も多く、「美観地区ってこんなに人が来ているんだ」と、地元民ながら改めて驚きました。

ところが、行政書士として仕事をするようになった私には、観光客とは少し違うところにも目が行きました。

それが、看板です。

あれ?いつもの「Times」と色が違う

この日は車で美観地区へ行ったので、近くのコインパーキングに駐車しました。

そこで何気なく看板を見て、「ん?」となりました。

全国でよく見かける「Times PARKING」。
普段なら黄色と黒のイメージがあります。
ところが、美観地区周辺で見かけた看板は、かなり色が抑えられたモノトーン調。

普段見慣れている看板とは印象が違います。
改めて周囲を見渡してみると、派手な色の看板や、目立つ広告物がほとんどありません。

そういえば、美観地区にあるコンビニなども、一般的な店舗とは違って落ち着いた外観になっています。

そこで思い出しました。

「そうか。ここ、美観地区だった。」

当たり前の話なのですが、倉敷美観地区では歴史的な町並みを守るため、建物や看板などについてさまざまな景観上のルールがあります。

観光客の皆さんが白壁の町並みや倉敷川、柳並木を眺めながら歩いている横で、私は、「なるほど……景観のルールって、こういうところにまで影響しているのか」と看板ばかり眺めていました。

完全に行政書士あるあるです。

倉敷美観地区の景観は「自然に残っている」わけではない

倉敷美観地区の町並みを見ると、「昔の建物がそのまま残っていて素敵だな」と思われる方も多いでしょう。

ただ、実際には何もしなくてもこの景観が維持されているわけではありません。

専門的なお話になりますが、倉敷市では 昭和の時代に「倉敷市伝統美観保存条例」を制定し、その後も伝統的建造物群保存地区に関する条例や、美観地区景観条例を制定するなどして、歴史的景観を守る取り組みを続けています。

つまり、私たちが現在見ている美観地区の景色は、行政だけでなく、そこで暮らす方、建物を所有する方、事業を営む方などの積み重ねによって維持されている景観ということです。

そう考えると、あの統一感にも納得します。

美観地区で商売するなら「好きな看板を出せる」とは限らない

ここは、美観地区で新しく事業を始めようとする方には、かなり重要なポイントです。

お店を始めれば、「道路から目立つ看板を付けたい」「店の前にのぼりを立てたい」「壁に大きく店名を表示したい」「夜でも分かるように明るい看板を付けたい」と考えるのは当然です。

しかし、美観地区では、「自分のお店だから好きなデザインで看板を付ければいい」とはいかない場合があります。

倉敷市では屋外広告物について市内全域を規制対象としており、地域によっては禁止地域や許可地域が設定されています。
特に景観を守る必要性が高い地域では、広告物の表示そのものが制限される場合もあります。

さらに倉敷市は、「倉敷美観地区内における屋外広告物の設置基準」も公表しています。

看板や広告物を設置する際には、場所や広告物の種類などによって、屋外広告物に関する手続きや、美観地区の景観に関する確認が必要になる可能性があります。

看板だけではありません。建物を触る場合も注意

そして、美観地区で注意したいのは看板だけではありません。

例えば、以下のような場合にも、景観や保存に関するルールが関係してくる可能性があります。

  • 外壁を改修する
  • 屋根を変更する
  • 店舗入口を改装する
  • 建物の外観を変更する
  • 工作物や看板を設置する

これは、美観地区で店舗や宿泊施設などを始める方にとっては、かなり重要です。

「物件を借りてから考える」では遅い可能性も

美観地区で新しく商売を始めようとすると、どうしても最初は、ビジネス面に目が行きます。

「家賃っていくら?」
「人通りは多い?」
「外国人観光客は来る?」
「飲食店として使える?」
「宿泊施設にできる?」

もちろん、それらは経営面ではとても重要です。

しかし、美観地区ではもう一つ、「自分がやろうとしている店づくりが、この場所のルール上できるのか?」という視点も必要です。

例えば、せっかく物件を借りた後になって、「思っていた看板が付けられない」「外観を予定どおり変更できない」「工事前に行政との協議が必要だった」となれば、事業計画そのものに影響する可能性があります。

だからこそ、美観地区で新規事業を考える場合は、物件契約や改装工事を進める前に、必要な許可・届出・景観上の規制を確認しておく。
これがホント大切です。

景観を守るからこそ「倉敷美観地区」という価値がある

とはいえ、「なんだ、美観地区って面倒くさいな」という話だけではありません。
むしろ逆だと思います。

看板の色や建物の外観まで細かく配慮されているからこそ、倉敷美観地区には、「ここでしか味わえない町並み」があります。

もし全国チェーンの大きな看板や派手なのぼりが無秩序に並んでしまえば、現在の美観地区とはまったく違う景色になってしまうでしょう。

事業者にとっては制約になります。
しかし、その制約によって守られている景観そのものが、多くの観光客を呼び込む大きな価値にもなっています。

昨日、あれだけの観光客を実際に見て、景観を守ることと、地域で商売をすることは、実は表裏一体なんだなと改めて感じました。

倉敷美観地区で事業を始めるなら、許可や規制も一緒に確認しましょう

当事務所では、倉敷市を中心に、事業を始める際に必要となる手続きをサポートしています。

  • 飲食店営業許可
  • 旅館業・民泊関係
  • 屋外広告物関係
  • 各種営業許可・届出
  • 補助金
  • 新規事業に伴う行政手続きの確認

特に倉敷美観地区のようなエリアでは、「この事業には何の許可が必要なのか」だけではなく、「この場所だからこそ確認しなければならないルールはないか」という視点が重要です。

これから倉敷美観地区で、「飲食店を始めたい」「宿を始めたい」「空き店舗を活用して新しいビジネスをしたい」という方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

昨日の私は観光客とは違い、白壁の町並みより看板ばかり眺めながら歩いていましたが、そこで商売をする方にとっては、その“看板の違い”こそが重要なポイントになることがあります。

倉敷美観地区で事業を始めるなら、物件、商売、そして許可・景観ルール。

この3つをセットで考えてみてください。

行政書士やまもと事務所
🏠 岡山県倉敷市
🌐 https://tora-no-maki.com

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