みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は 物価高の昨今における行政書士の報酬について、私の考えをお話しします。
最近、さまざまな商品やサービスの価格が上がっています。
食料品や電気代、ガソリン代はもちろん、郵送料、コピー用紙、パソコンのシステム利用料など、行政書士事務所を運営するための経費も少しずつ上昇しています。
スーパーで買い物をするたびに、「この商品、前はもう少し安くなかったかな」と思うことも増えました。
気のせいであってほしいところですが、レシートを見る限り、どうやら気のせいではなさそうです。
では、物価が上がっているのであれば、行政書士の報酬も値上げするべきなのでしょうか。

今回は、物価高と行政書士報酬の関係について、AIの進化も踏まえながら考えてみたいと思います。
なお、今回の内容は経済学者としての見解ではなく、一行政書士の想像、妄想、憶測を含む個人的な考えです。
物価高なら行政書士の報酬も値上げするべき?
行政書士報酬の値上げについては、事務所によって考え方が大きく異なります。
経費が上がっている以上、適正な利益を確保するために報酬を見直す必要がある、という考え方があります。
一方で、お客様の負担を考えて、できる限り現在の料金を維持したいという考え方もあります。
どちらが正解というわけではありません。

行政書士事務所といっても、取扱業務、事務所の規模、地域、顧客層、業務の進め方はそれぞれ異なります。
許認可業務を中心とする事務所もあれば、契約書作成、相続、補助金申請などを中心とする事務所もあります。
必要な時間や責任の重さも違うため、行政書士の料金を一律に考えることはできません。
当事務所では現時点で値上げを考えていません
では、行政書士やまもと事務所ではどうするのか。
値上げ?
それとも価格維持?

現時点では、物価高を理由とした報酬の値上げは考えていません。
ただし、あくまで「現時点では」です。
今後、業務内容や経費の変化に応じて価格を改定する可能性はあります。
反対に、AIやデジタルツールを活用して業務を効率化できれば、一部のサービスを利用しやすい料金に変更できる可能性もあります。
つまり、まだ何も決まっていません。
行政書士らしく慎重に検討中です、と言えば聞こえはよいのですが、正直に言えば様子を見ているところです。
すぐに値上げをしない理由の一つが、AIの急速な進化です。
AI時代は「書類を作ること」の価値が変わる
行政書士をはじめとする士業やコンサルタントは、知識、経験、ノウハウを提供する仕事です。
このような仕事は「ナレッジビジネス」と呼ばれます。
しかし現在、知識を整理し、文章を作成し、書類のたたき台を作る作業は、AIでもできるようになっています。
そのため、物価高だからといって、ナレッジビジネスの価格を単純に上げられるとは限りません。
むしろ、これまで専門家が行ってきた作業の一部については、価格が下がる可能性もあります。

契約書相談は「作成」から「チェック」へ
契約書に関する相談内容も変化しています。
以前は、「契約書を一から作ってほしい」という相談が中心でした。
ところが最近は、「AIで契約書を作ったので、内容を確認してほしい」という相談が増えています。
契約内容や条件をAIに伝えれば、短時間で契約書らしい文章が出来上がります。
文章だけを見ると、なかなか立派です。
場合によっては、こちらが少し緊張するほど整っています。
ただし、文章が整っていることと、実際の取引に適した契約書であることは別問題です。
必要な条項が入っているか、一方に不利な内容になっていないか、現実の取引方法と合っているか、トラブルが起きた際に機能するかなど、個別の確認が必要です。
現時点では、契約書チェックには専門家の経験や判断が役立ちます。
しかし、AIがさらに進化すれば、契約書作成だけでなく、チェックに関する相談まで減る可能性はあります。
補助金の事業計画書もAIで作れる時代
補助金申請で使用する事業計画書も、AIの影響を受けています。
先日お会いした方から、「お宅のホームページを参考にしながら、AIと会話して事業計画書を作り、自分で補助金申請をした」という話を聞きました。

残念ながら、その申請は採択されなかったそうです。
それでも、その方は「AIを使えば自分でも事業計画書を作れると分かったので、今後も挑戦したい」と話されていました。
これは大きな変化だと思います。
事業者の頭の中にあるアイデアを文章にし、売上や経費、事業効果を数字にする作業は簡単ではありません。
これまでは、行政書士やコンサルタントなどの専門家が話を聞き、内容を整理して文章や数字に落とし込んでいました。
しかし 現在は、AIが質問をし、回答を整理し、事業計画書の形にまとめてくれます。
もちろん、審査項目を正しく理解しているか、数字に根拠があるか、実現可能な計画になっているかは、別途検討しなければなりません。
それでも、「文章を作る作業そのもの」の価値は、今後下がっていく可能性があります。
許認可業務はすぐにAIへ置き換わらない?
一方、許認可申請は、契約書や事業計画書とは少し事情が異なります。
許認可業務では、要件の確認、必要書類の収集、行政機関との事前相談、申請書の提出、補正への対応などが必要です。
手引きを読んだだけでは判断しにくい運用や、個別事情に応じた行政との調整が必要になることもあります。
そのため、許認可業務のすべてが、すぐにAIへ置き換わるとは考えていません。
ただし、電子申請は少しずつ進んでいます。
法令や手引き、行政機関のホームページをAIに確認させれば、手続きの概要や必要書類を一般の方でも把握しやすくなります。
もともと許認可申請は、申請者本人が自分で行うこともできます。
行政書士へ依頼する理由は、制度が分かりにくい、書類作成に時間がかかる、役所とのやり取りが難しい、失敗せず進めたい、といった事情があるからです。
このうち、「制度が分からない」という部分は、AIによって徐々に解消されるかもしれません。
行政書士に求められるのは知識よりも結果
AI時代になっても、行政書士の仕事がすべてなくなるとは思いません。
ただし、お客様から求められる価値は変わっていくはずです。
これまでは、専門知識を持っていること、難しい書類を作成できること自体に価値がありました。
今後は、それだけでは不十分になる可能性があります。
行政書士に求められるのは、お客様の事情を正確に把握し、制度上の問題を事前に発見し、行政機関と調整しながら、手続きを前へ進めることではないでしょうか。
契約書であれば、文章を作るだけでなく、将来のトラブルを防ぐこと。
補助金申請であれば、事業計画書を書くことだけでなく、事業内容や数値を整理し、実行可能な計画にすること。
許認可申請であれば、申請書を作るだけでなく、要件を確認し、行政と調整しながら許可取得まで進めることです。
つまり、「書類を作ったこと」ではなく、「お客様が求める結果へ近づけたこと」に対して報酬をいただく考え方が、より重要になると思います。

行政書士報酬は業務内容によって二極化するかもしれない
今後、行政書士の報酬が上がるのか、それとも下がるのかは分かりません。
ただ、すべての業務が同じように値上がり、または値下がりするわけではないと思います。
AIで比較的簡単に作成できる書類については、価格が下がる可能性があります。
一方、個別判断、行政対応、リスク管理、高い専門性や責任が求められる業務については、報酬が上がる可能性があります。
行政書士報酬は、今後 業務内容によって二極化していくのかもしれませんね。
まとめ:価格より先に提供する価値を見直す
ということで、今回は、物価高と行政書士報酬の関係について、AIの進化も踏まえながら考えてみました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。
物価高が続けば、行政書士事務所でも料金改定を検討する場面が来ると思います。
ただし、価格を上げるか下げるかを決める前に、自分の仕事がお客様にどのような価値を提供しているのかを見直す必要があります。
AIでもできる作業を、これまでと同じ方法で続けるだけでは、報酬を維持することも難しくなるかもしれません。
反対に、AIを便利な道具として活用し、お客様との対話、問題点の発見、行政との調整、最終的な判断など、人が担うべき部分に時間を使えば、より良いサービスを提供できます。
当事務所では、現時点で報酬を値上げする予定はありません。(あくまでもこの記事を書いている現時点では)
今後も価格だけでなく、サービス内容やお客様に提供できる価値を見直しながら、分かりやすく利用しやすい行政書士事務所を目指していきます。
許認可申請や契約書、事業に関する手続きについて、「自分で進められるのか」「行政書士へ依頼した方がよいのか」と迷われている方は、当事務所までお気軽にご相談ください。
行政書士やまもと事務所
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