沢田マンションに行ってきました|“違法建築”と呼ばれる建物から考える建築ルール

業務日誌

みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。

先日、実家の高知県に帰省した際に有名な建物、沢田マンションを見に行ってきました。

沢田マンションといえば、建築好きの方や珍スポット好きの方の間では有名な存在です。
「日本最大級の“違法建築”とも呼ばれる建物」として紹介されることもあります。

実際に目の前に立ってみると、まず思ったのは、「これはマンションなのか、要塞なのか、それとも白い迷路なのか……」ということ。

行政書士としては、ワクワクする気持ちと同時に、つい建築基準法や許認可のことも頭をよぎります。
職業病ですね。
心身共にリフレッシュするために高知に来ているのに、頭の中ではなぜか法令チェックが始まります。

沢田マンションとは?高知市にある唯一無二の建物

高知市内の商業地域にある存在感抜群の建物

沢田マンションは、高知市内の比較的にぎやかな地域にあります。

写真で見ても迫力がありますが、実際に見るとかなりの存在感です。
白い外観、独特な構造、増築を重ねたような立体的な形。

初めて見ると、思わず足を止めてしまいます。

いわゆる一般的なマンションとは少し違い、どこか手作り感があり、建物全体から「ここにしかない雰囲気」が出ています。

廃墟ではなく、今も人の気配がある建物

“違法建築”と聞くと、「もう使われていない建物なのかな?」「廃墟のような場所なのかな?」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、現地では住民らしき方や、宿泊者らしき方が行き来しており、建物には生活の気配がありました。
つまり、単なる珍スポットではなく、今も人の暮らしや利用がある建物という印象です。

この点が、沢田マンションの面白いところでもあります。
ただ奇抜なだけではなく、「建物と人の生活」が今もつながっているように感じました。

「違法建築」とは何か?行政書士がやさしく解説

建物には建築基準法というルールがある

建物を建てるときには、好きな場所に好きな形で自由に建てられるわけではありません。
日本には、建築基準法という法律があります。

建築基準法では、建物の安全性、防火、避難、道路との関係、用途地域など、さまざまなルールが定められています。

ざっくり言うと、「安全で安心して使える建物にしましょう」というためのルールです。

建物は、見た目がかっこよければ何でもOKというわけではありません。
もしそうなら、世の中は秘密基地だらけになります。
それはそれで少し楽しそうですが、安全面では大問題です。

建築確認とは?

建物を新築したり、大きく増改築したりする場合には、原則として建築確認という手続きが必要になります。

建築確認とは、簡単に言うと、「この建物の計画は、建築基準法などのルールに合っていますか?」という確認を受ける手続きです。

この確認を受けずに建てたり、確認を受けた内容と違う建物を建てたりすると、いわゆる「違法建築」と言われる可能性があります。

違法建築と既存不適格建築物の違い

ここで少し大切なのが、違法建築既存不適格建築物は違う、という点です。

違法建築とは、建てた当時の法律や手続きに違反している建物を指すことがあります。
一方で、既存不適格建築物とは、建てた当時は適法だったものの、その後に法律や基準が変わったことで、現在のルールには合わなくなっている建物のことです。

つまり、古い建物だからといって、すべてが違法というわけではありません。

建物にも、人間と同じく歴史があります。
「昔はこれでよかったんです」という事情がある場合もあります。
ただし、現在何か新しく使おうとする場合には、今のルール確認が必要になることがあります。

違法建築と呼ばれる建物でも、すぐに使えなくなるとは限らない?

建物ごとに事情は異なる

「違法建築」と聞くと、すぐに取り壊しを命じられるようなイメージを持たれるかもしれません。
しかし、実際には建物ごとに事情が異なります。

建てられた時期、増改築の経緯、行政との関係、現在の利用状況、安全性など、さまざまな要素を見て判断されることになります。

そのため、「違法建築と呼ばれている=すぐに廃墟になる」という単純な話ではありません。

沢田マンションを見ていると、建物には法律だけでは割り切れない歴史や背景があるのだと感じます。

もちろん、だからといってルールを無視してよいわけではありません。
ここは大事です。
「面白いからOK!」とはなりません。
行政手続きの世界は、残念ながらノリと勢いだけでは通れないのです。

行政対応にも段階がある

建築基準法に違反する可能性がある場合でも、行政の対応にはさまざまな段階があります。
指導、是正のお願い、命令など、状況によって対応は異なります。

また、所有者や利用者がどのように対応するかも重要です。

建物を使い続ける場合や、新たに事業を始める場合には、建築基準法だけでなく、消防法、旅館業法、食品衛生法、都市計画法など、他の法律や許認可が関係することもあります。

古い建物を所有・相続したときに注意したいこと

増改築の履歴が分からないケース

古い建物を相続した場合、次のような問題が出てくることがあります。

たとえば、昔に増築されているけれど、その工事の記録が残っていない。
建築確認を受けているのか分からない。
登記上の面積と実際の建物の面積が違う。

このようなケースは珍しくありません。

特に古い建物では、家族も詳しい経緯を知らないことがあります。
「おじいちゃんが昔、なんか増やしたらしい」という情報だけが残っていることもあります。

その「なんか」が、後々大事なポイントになることがあります。

用途変更が必要になるケース

建物を住宅として使っていたものを、店舗、事務所、宿泊施設、飲食店などに変更する場合、用途変更の手続きが必要になることがあります。

たとえば、空き家を改装してカフェにしたい。
古民家を民泊にしたい。
自宅の一部を事務所として使いたい。

このような場合には、建築基準法や消防法、営業許可などを確認する必要があります。

「建物があるから、すぐにお店ができる」とは限りません。
お店を始める前に、まずはルール確認。
これはかなり大切です。

料理でいえば、火をつける前に材料を確認するようなものです。
いきなりフライパンを振り回しても、具材がなければチャーハンはできません。

民泊・宿泊施設・店舗利用を考える場合

古い建物を活用して、民泊や宿泊施設、店舗を始めたいという相談は増えています。
当事務所でも古民家をリフォームして民泊や旅館業を営みたいというお問い合わせをいただきます。

その場合、関係する可能性がある手続きとしては、次のようなものがあります。

行政書士がサポートできること

許認可申請の確認

行政書士は、事業を始める際の許認可申請をサポートする専門家です。
たとえば、飲食店営業許可、旅館業許可、住宅宿泊事業、古物商許可、風俗営業許可など、事業内容によって必要な手続きは異なります。

建物の利用目的によっては、事前に行政窓口へ相談した方がよいケースもあります。

行政窓口への事前相談

許認可申請では、いきなり書類を出せばよいというものではありません。
事前に役所や保健所、消防署などへ確認しておくことで、手続きがスムーズになることがあります。

特に古い建物を使う場合には、「この用途で使えるのか」「追加の工事が必要か」「どの許可が必要か」を早めに確認することが重要です。

必要書類の整理

許認可申請では、図面、契約書、登記事項証明書、住民票、身分証明書、誓約書など、さまざまな書類が必要になることがあります。
こういった書類集めは、地味ですがとても大切です。

そして、地味な作業ほど意外と時間がかかります。
許認可申請において、書類集めはまさに「縁の下の力持ち」です。
目立たないけれど、いないと困る存在です。

沢田マンションを見て感じたこと

沢田マンションは、ただ変わった建物というだけではありませんでした。
そこには、建てた人の思い、使ってきた人の歴史、地域の中で存在し続けてきた時間があるように感じました。

一方で、行政書士の立場から見ると、建物を建てること、使うこと、事業に活用することには、さまざまなルールが関係するのだと改めて感じます。

面白い建物ほど、背景には複雑な事情があるものです。

そして、建物を活用するときには、「面白そう」だけで進めず、事前にルールを確認することが大切です。

勢いだけで進めると、後から「許可が必要でした」「用途変更が必要でした」「消防設備が足りませんでした」となることがあります。

これはなかなか大変です。
後出しジャンケンで、相手がずっとグーを握っていたくらい大変です。

まとめ|古い建物の活用は、事前確認が大切です

今回は、高知市の沢田マンションを訪れた感想と、そこから考えた建築ルールについてお話ししました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。

沢田マンションのように、特徴的な建物には人を引きつける魅力があります。

一方で、建物を所有する、相続する、事業に使う、宿泊施設や店舗として活用する場合には、建築基準法、用途変更、許認可、消防関係など、さまざまな確認が必要になることがあります。
特に古い建物や空き家を活用する場合には、早めの確認がとても大切です。

倉敷で、古い建物の活用、店舗営業、民泊、宿泊施設、許認可申請などをご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。

「この建物で事業を始めても大丈夫かな?」
「どんな許可が必要なのか分からない」
「役所に相談する前に整理しておきたい」

そのようなお悩みがありましたら、行政書士が手続きの確認から申請書類の作成までサポートいたします。

建物にも人生にも、ルール確認は大切です。
転ばぬ先の杖、そして許認可前の行政書士です。

行政書士やまもと事務所
🏠 岡山県倉敷市
🌐 https://tora-no-maki.com

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