みなさん こんにちは。
岡山県倉敷市で行政書士をしている山本です。
本日は 行政書士・司法書士界隈では”あるある”の行政書士と司法書士の違いをお話します。
先日、以前大変お世話になった大先輩の方にばったりお会いしました。
久しぶりだったこともあり、近況報告などお話ししていたのですが、その中でこんな一言が。
「山本くん、今は行政書士してるんだよね。
実は昨年父が亡くなってね、相続登記をしないといけないんよ。
今度その手続き、お願いしようと思ってるんだ。」
……。
大変お世話になった方なので、
さすがにその場で
「いえ、それ司法書士さんの仕事です!!」
と全力ツッコミを入れるわけにもいかず、
「あっ、はい!その時はぜひ…!!」
と笑顔でお別れしたわけですが、内心は
(いや、それワイちゃう!!)
という心の叫びでいっぱいでした。
でもですね。
ここ、実は 全然めずらしい話じゃないんです。
というより、かくいう私自身——
行政書士になるまで、行政書士と司法書士の違いを、ちゃんと理解していませんでした(大汗)
なので、一般の方が混乱するのは むしろ当然なんです。
- 名前は似てるし(どっちも「書士」)
- 看板も似てるし
- どっちも書類扱ってそうだし
混乱してくださいと言ってるようなもの。
そこで今回は、行政書士と司法書士の違いを「ラーメン屋」に例えてめちゃくちゃ分かりやすく説明します。
そもそも「行政書士」と「司法書士」は何をする人?
行政書士とは
→ 役所に提出する書類の専門家
- 許認可申請(飲食店、建設業、産廃、風俗営業など)
- 契約書・内容証明・協議書・事業計画書の作成
- 会社設立の「定款」の作成 など
役所と相談者のあいだの橋渡しをする人です。
司法書士とは
→ 法務局に提出する書類の専門家
- 不動産の相続登記
- 売買による所有権移転登記
- 会社設立・役員変更などの商業登記
「権利関係を法律上きちんと記録する」のが役割です。

ではラーメン屋で例えてみましょう
街に新しくラーメン屋さんをオープンするとします。
行政書士はどこで登場する?
- 「飲食店営業許可」を取るための保健所への申請
- 店舗の用途変更などが必要な場合の申請
- 看板の許可、深夜営業の許可 など
- お店のルール(契約書など)の整備
- 開業に関する計画づくり
つまり、
行政書士:ラーメン屋を“開ける”ために、必要な許可や書類を整える人
もうちょっと砕くと、
行政書士は、“お店オープンの手続きを進めるプロ”
です。

じゃあ司法書士は?
例えば、ラーメン屋を建てるために土地や建物を購入したとします。
- 土地を買ったら「所有者が誰か」を法務局に登録が必要
- お店を法人化したら「会社設立登記」が必要
つまり、
司法書士は、“お店という存在を法律上ちゃんと登録するプロ”
もっと言うと、
司法書士は、“ラーメン屋の『存在を公的に証明する手続きをする人』”
です。

つまり、まとめるとこうです
| 例えば | 行政書士 | 司法書士 |
|---|---|---|
| ラーメン屋でいうと | お店を開業できるように許可や申請をしてくれる人 | ラーメン屋の土地・建物・会社を正式に登録してくれる人 |
| 手続の提出先 | 市役所・県庁・保健所など | 法務局 |
| 得意分野 | 許認可・計画・契約・書類整理 | 登記・権利関係の証明 |
役割がぜんぜん違うんです。
でもね、ここが大事なポイントです
相談者の方が、これを理解しておく必要はありません。
なぜなら、
行政書士と司法書士は、現場で“セット”で仕事することが多いからです。
例えば相続の場合
- 行政書士:相続人調査、遺産分割協議書の作成
- 司法書士:不動産の相続登記
→ 自然にバトンタッチ
例えば会社設立の場合
- 行政書士:定款作成、許認可の確認
- 司法書士:会社設立登記
→ またバトン
実務の現場では、行政書士と司法書士は“それぞれの得意分野を担当する” という風に役割が分かれています。
行政書士が文書作成や手続き整理を行い、そのあとの登記部分は司法書士が担当する、という進め方が一般的です
一人で全部完結させるのではなく、
手続きに応じて専門家がリレーしていくイメージです。
今後、登記が必要な案件がある場合には、そのタイミングで司法書士の先生をご紹介させていただき、
スムーズにバトンを繋ぐことができます。
つまり、相談者はこうすればOK
迷ったらどちらかに相談してください。
こちら側(専門家側)が、手続の流れを整理し、必要であれば、仲間の専門家につなぎます。
相談者が 「全部理解してから相談」する必要はありません。

最後に
行政書士と司法書士は、どちらが上とか下とかではなく、
役割が違うだけ。
そして、
一緒に動くとめちゃくちゃ強いタッグです。
まるで——
スープと麺。
どっちが欠けても、ラーメンは完成しない。(旨いこと言ったつもり)
もし今、
相続や会社設立、許認可、契約書や書類のことで
「どこに相談したらいいんだろう…?」
と思われている方がいれば、まずはお気軽にご連絡ください。
入り口で迷わずに済むよう、道筋を整理するのが行政書士の仕事です。
今日も、誰かの一杯が美味しくできるように。
行政書士やまもと事務所
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