行政書士として開業してから、今月で6ヶ月。
振り返ってみると「あっという間」ではありましたが、その間ずっと頭の中にあった問いがあります。
「行政書士一本で食べていけるのか?」
これは独立を目指す人なら誰もが気になるテーマでしょうし、私自身も開業して実際に仕事をしていく中で、日々実感している課題です。
今日はこの6ヶ月を振り返りながら、リアルな状況を正直に書いてみたいと思います。
開業半年のリアルな状況
私は4月下旬から事務所ブログを毎日更新してきました。
ありがたいことに、その効果があってか、特別な営業活動はしていないにもかかわらず、毎月数件のご相談をいただけています。
しかも「相談だけで終わる」のではなく、業務をご依頼いただいているのは大きな手応えです。
しかしながら、率直に言えばまだ家族4人を養えるほどの収入には程遠く、現状は大赤字。
行政書士以外に収入があるのでなんとか生活はできていますが、「やっていけるのか?」という不安と、「続ければ必ず芽が出る」という期待の間を行き来しているのが正直なところです。
先輩行政書士との出会いから感じたこと
開業してから、さまざまな先輩行政書士の先生方にお会いする機会がありました。
その中で気づいたのは、行政書士一本でやっている先生と、宅建士・司法書士・土地家屋調査士・測量士など他資格と組み合わせている先生がちょうど半々くらいの割合だということです。
ただ、どちらのタイプの先生であっても、口をそろえておっしゃるのは――
「行政書士は食っていけるよ」
という言葉でした。
特に印象的だったのは、行政書士一本でしっかり稼いでいる先生のお話です。
その方はこう断言されていました。
「覚悟を決めれば絶対に稼げるから!」
目の前でそう力強く語られる姿は説得力がありましたし、現にその先生はしっかりと成果を出されている様子でした。
サラリーマンと士業の違い:愚痴がない世界
もう一つ、私にとって印象的だったのは「愚痴の少なさ」です。
サラリーマンとして働いていると、どうしても同僚との間で「上司が」「会社が」「取引先が」と愚痴をこぼす場面が日常的にあります。
私自身もそうした経験は数え切れません。
ところが、この半年で出会った行政書士の先生方の中で、仕事の愚痴を口にする人は一人もいませんでした。
もちろん仕事が大変であることには変わりないはずです。
それでも「自己責任の世界」であり、何より「やりがいをもって仕事をしている」からこそ、愚痴を言う必要がないのだと感じました。
これは士業の大きな魅力のひとつかもしれません。
行政書士という仕事のやりがい
収入面の厳しさはさておき、仕事のやりがいは非常に大きいです。
これまでご依頼いただいたお客様全員から、
「ありがとう」
「先生にお願いしてよかったです」
といった言葉をいただきました。
半年近く前にお仕事をさせて頂いたお客様からは、今でも家族旅行のお土産を頂いたり、食事に誘って頂いてます。
それは何物にも代えがたい喜びであり、私自身の大きな励みになっています。
また、行政書士は家事調停委員といった社会的な役割を担う場面もあり、その責任の重さを感じると同時に、行政書士という資格が持つ社会的意義を改めて実感しています。
行政書士一本で食べていくための条件
では実際に行政書士一本でやっていくためには、どのような条件が必要なのでしょうか。
半年間の経験と、先輩方の言葉から私なりに整理すると、以下のようになります。
- 特化分野を持つこと
入管、相続、補助金、法人法務など、自分の強みを活かせる分野に集中する。 - 集客と営業力
HPやブログ、紹介や人脈などを通じて、継続的に相談を得られる仕組みを作る。 - 覚悟と継続力
すぐに成果が出なくても粘り強く続ける覚悟を持つ。 - 自分の強みを活かす
私の場合は営業経験やITリテラシー、地域密着の姿勢。
人によっては人脈や他資格との組み合わせが力になる。
特に行政書士として活躍されている先生方を見ていると、弁護士さんや司法書士、税理士、社会保険労務士さんなどとネットワークを構築されており、他士業の先生から仕事が入るようになっているようです。

まとめ:行政書士一本は可能か?
結論として、行政書士一本で食べていくことは決して簡単ではない。
ですが、戦略と覚悟があれば十分可能だと、この半年を通じて実感しました。
現時点では大赤字で、生活を支えるにはまだまだ遠い状況です。
行政書士以外に収入があるのでなんとか生活はできていますが、それでも、毎月相談があり、業務を受任し、お客様から「ありがとう」と言っていただける――
その積み重ねが未来へつながっていくと信じています。
そして何より、この半年で出会った先輩行政書士の先生方が口をそろえて「食っていける」とおっしゃっていたことが、大きな励みです。
これから独立を考えている方に伝えたいのは、
「行政書士は決して楽な仕事ではないけれど、挑戦する価値のある仕事です」
ということ。
そして、この記事を読んでくださっている方の中には、行政書士試験を目前に控えた受験生の方もいらっしゃると思います。
ちょっとだけ早く行政書士になった先輩としてお伝えしたいのは――
稼げる・稼げないは別として、本当にやりがいのある仕事です。
ぜひ最後まで頑張って試験を乗り越え、行政書士としての一歩を踏み出してほしいと思います。

行政書士やまもと事務所
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