突然ですが、みなさんに質問です。
内容証明郵便と聞くとこういうイメージありませんか?
「争い」「法的手段」「トラブル」
どちらかというとネガティブなイメージを想起する方も多いのではないでしょうか。
しかし、内容証明は使い方次第で、心を動かす“やさしいお手紙”にもなり得ます。
今回は、相続実務の中でも意外と知られていない「遺産分割協議のお願いを内容証明で送る」というケースについてご紹介します。
ポイントは、法的な圧力ではなく、“言葉の力”で心に訴えることです。
内容証明とは?〜争いの道具ではありません〜
内容証明郵便は、「誰が」「いつ」「どんな内容の文書を」送ったかを日本郵便が証明してくれる制度です。
契約解除や債権回収、クーリングオフ通知などでよく使われるため、
「一方的に主張するための手紙」と誤解されることもしばしば。
しかし実際には、争いを避け、記録を残すことで誤解やトラブルを防ぐためのツールとしても非常に有効なのです。
遺産分割協議に応じない相続人…どうする?
遺産分割協議は、相続人全員の合意がなければ成立しません。
ところが現実には、
- 他の相続人と連絡を取りたがらない
- 忙しさや感情的な問題で協議を避ける
- そもそも居場所が分からない
といったケースが少なくありません。
そんなときに役立つのが、記録が残るかたちで、穏やかに協議参加をお願いできる内容証明郵便です。
心に響いた「父のメモ」—遺言書じゃなくても想いは伝わる
実際に私が関わった あるご相談では、故人が書き残した一通のメモが話のきっかけになりました。
「子どもたちが仲良く分け合ってくれることを望む。争いごとはしないでほしい。」
法的な遺言書ではありませんでしたが、依頼者はそのメモをとても大切にしておられました。
そして、「この想いを他の兄弟にも届けたい」と願われたのです。

そこで私は、この“言葉の力”を文面に込めて、内容証明郵便として相続人の一人に送るご提案をしました。
正直なところ、私も依頼者の方も「どうせ無視されるだろう」と半分諦めていたのですが…
内容証明を受け取った相続人の方からは、意外なほど早く返信がありました。
その後 円満に相続が進んだのかはまでは分かりませんが、電話で連絡が取れ、協議のテーブルに着くことができたと聞き嬉しい限りでした。

「優しい内容証明」の文面構成とは?
▷ポイントは3つ:
「やさしい内容証明」を送るために文面に拘ったポイントを3つご紹介します。
- 争いを避ける表現を使う
→ 「〜していただきたいと考えております」「ご協力いただければ幸いです」など、柔らかい敬語表現を。 - 故人の想いを冒頭に伝える
→ 「父が残した一通のメモがありました」といった情緒ある導入が効果的。 - “記録のために”送ったことを明記する
→ 「意思を明確にお伝えするため、記録が残るかたちで送付しております」と添えると威圧感を和らげられます。
内容証明って大半の方が受け取るとドキッとするかと思います。
極力やわらかい表現で、かつ威圧感を与えない文面にするのがベストかと思います。
行政書士としてできること
行政書士は、相続人間の利害調整はできませんが、
「伝える文案の設計」と「穏やかなコミュニケーションの橋渡し」をサポートできます。
- ご依頼者の想いを丁寧にヒアリング
- 相手の感情に配慮した表現へと文面をブラッシュアップ
- ご自身で郵便局に持ち込めるよう発送マニュアルも提供
法的な一方通行ではなく、“心が届く行政文書”としての内容証明を一緒に作り上げますよ。
まとめ:内容証明は「想いを届ける」ためのツールにもなる
ということで、今回は 相続実務の中でも意外と知られていない「遺産分割協議のお願いを内容証明で送る」というケースについてご紹介しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。
内容証明=強い文書というイメージをくつがえすような、
やさしくて誠実な内容証明があってもいいのではないでしょうか。
とくに相続のように感情が絡む分野では、言葉の力で関係修復の一歩を踏み出すことが、何より大切です。

当事務所では“あなたの想い”を“優しい内容証明”に作り上げます。
想いを届けたい方はご相談くださいね。
行政書士やまもと事務所
🏠 岡山県倉敷市
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