みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は 配偶者ビザ・家族滞在・定住者の違いについてお話しします。
外国人の方が家族と一緒に日本で暮らすためには、その人の状況に合った「在留資格」を取得する必要があります。
そんな在留資格の名前を調べている中で、こんな疑問が出てくることありませんか?
「配偶者ビザと家族滞在は何が違うの?」
「定住者は、どのような人が対象になるの?」
「外国人と結婚すれば、配偶者ビザを申請できる?」

どれも家族との生活に関係する在留資格ですが、対象となる人や就労制限、申請時に確認される内容は異なります。
名前が似ているため少し分かりにくいのですが、在留資格の世界では「だいたい同じでしょう」は通用しません。
ボタンを一つ掛け違えると、最後まで少しずれてしまうシャツのようなものです。
今回は、一般に「配偶者ビザ」と呼ばれる在留資格、家族滞在、定住者の違いについて、できるだけやさしく解説します。
- まず知っておきたい「ビザ」と「在留資格」の違い
- 配偶者ビザとは?
- 家族滞在とは?
- 定住者とは?
- 配偶者ビザ・家族滞在・定住者の違い
- 結婚しただけでは在留資格は決まらない
- 申請前に確認したいポイント
- あなたに当てはまる在留資格は?
- まとめ|在留資格の違いを整理してから申請しましょう
まず知っておきたい「ビザ」と「在留資格」の違い
在留資格のお話をする中で、ご相談者様から「ビザ」という言葉がよく出てきます。
日常会話では「配偶者ビザ」「定住者ビザ」などと呼ばれることがありますが、日本国内で活動するための資格は、正確には「在留資格」といいます。
また、「配偶者ビザ」という名前の在留資格が一つだけあるわけではありません。
結婚相手が日本人なのか、永住者なのか、就労資格や留学の在留資格を持つ外国人なのかによって、検討する在留資格が変わります。
家族との生活に関係する主な在留資格には、次のものがあります。
- 日本人の配偶者等
- 永住者の配偶者等
- 家族滞在
- 定住者
そのため、「外国人と結婚したので配偶者ビザを申請したい」という場合でも、それだけでは申請する在留資格を決められません。
まずは、結婚相手の国籍や現在の在留資格、家族関係、今後の生活予定などを整理する必要があります。

配偶者ビザとは?
一般に「配偶者ビザ」と呼ばれる代表的な在留資格が、「日本人の配偶者等」と「永住者の配偶者等」です。
日本人の配偶者等
「日本人の配偶者等」は、日本人と結婚した外国人などを対象とする在留資格です。
名称に「配偶者」とありますが、対象者は夫や妻だけではありません。
日本人の子として生まれた方や、日本人の特別養子も対象に含まれます。
日本人と法律上の結婚が成立していても、自動的に在留資格が認められるわけではありません。
申請では、主に次のような点が確認されます。
- 夫婦として一緒に生活する意思があるか
- 結婚が在留資格を得るためだけの形式的なものではないか(偽装結婚)
- どのように知り合い、結婚に至ったのか
- 日本で安定した生活を送れるか
- 提出書類や申請内容に矛盾がないか
婚姻届は大切な書類ですが、婚姻届だけで夫婦生活の実態まで説明できるわけではありません。
交際の経緯、日頃の連絡状況、家族への紹介、結婚後の住居などについて、客観的な資料を使って説明することが重要です。
永住者の配偶者等
結婚相手が日本人ではなく、永住者または特別永住者である場合には、「永住者の配偶者等」を検討することになります。
主な対象者は、次のとおりです。
- 永住者または特別永住者の夫や妻
- 永住者等の子として日本で生まれ、その後も引き続き日本に在留している方
こちらも、結婚しているという事実だけで必ず許可されるわけではありません。
夫婦関係の実態や収入、住居、日本での生活基盤などが確認されます。
配偶者に関する在留資格は原則として自由に働ける
「日本人の配偶者等」と「永住者の配偶者等」は、身分や地位に基づく在留資格です。
そのため、原則として仕事の種類に制限がありません。
会社員、パート、アルバイト、自営業など、さまざまな働き方ができます。
就労資格のように、許可された専門分野の仕事だけに限定されないことが大きな特徴です。
ただし、「仕事を自由に選べること」と「在留資格が簡単に許可されること」は別の話です。
自由に働けるからといって、申請審査まで自由形になるわけではありません。

家族滞在とは?
「家族滞在」は、日本で働いたり学んだりしている外国人の扶養を受けながら、その配偶者や子どもが日本で生活するための在留資格です。
例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で日本の会社に勤務している外国人が、海外にいる夫や妻、子どもを日本へ呼び寄せる場合などに検討されます。
対象となるのは、原則として扶養を受ける配偶者または子どもです。
両親や兄弟姉妹は、原則として家族滞在の対象にはなりません。
家族滞在では扶養されることが前提
家族滞在の大きな特徴は、日本にいる外国人が家族の生活費を負担すること、つまり扶養することが前提となっている点です。
申請では、一般的に次のような資料を提出します。
- 婚姻証明書や出生証明書
- 扶養者の在留カードやパスポートの写し
- 扶養者の在職証明書
- 課税証明書や納税証明書
- 預貯金や収入を確認できる資料
扶養者の収入だけでなく、家賃や家族の人数、預貯金なども含めて、日本で安定した生活を続けられるかが判断されます。
単純に「年収がいくら以上なら必ず大丈夫」というものではなく、世帯全体の状況を踏まえて審査されます。
家族滞在は原則として働けない
家族滞在は、扶養を受けながら日本で日常生活を送るための在留資格です。
そのため、原則として働くことはできません。
アルバイトなどを希望する場合には、事前に「資格外活動許可」を受ける必要があります。
一般的な包括許可を受けた場合、原則として週28時間以内で働くことができます。
ただし、資格外活動許可を取得しても、無制限に働けるわけではありません。
正社員として本格的に働きたい場合には、本人の学歴や職歴、予定している仕事内容に応じて、就労可能な在留資格への変更を検討します。
「少し働きたい」のか、「就職して生活の中心を仕事にしたい」のかによって、必要な手続が変わる点に注意しましょう。

定住者とは?
「定住者」は、法務大臣が特別な理由を考慮し、一定の在留期間を指定して日本での居住を認める在留資格です。
代表的な例としては、日系人やその家族、中国残留邦人等、第三国定住難民などが挙げられます。
定住者はさまざまな類型がある
定住者には、複数の類型があります。
例えば、一定の要件を満たす日系人やその配偶者、定住者などの扶養を受ける未成年で未婚の実子などが対象となる場合があります。
また、日本人と離婚・死別した外国人や、日本人の子どもを日本で監護・養育している外国人について、これまでの在留状況や家族関係などを考慮し、定住者への変更が検討されることもあります。
ただし、「日本人と離婚したから定住者になれる」「日本に長く住んでいるから定住者になれる」「日本人の子どもがいるから必ず認められる」というものではありません。
家族関係、子どもの養育状況、日本での生活期間、収入、素行、これまでの在留状況などを総合的に判断されます。
最初に「どの定住者に該当するか」を確認する
定住者の申請で重要なのは、自分がどの類型に該当する可能性があるのかを明確にすることです。
日系3世として申請する場合と、定住者の配偶者として申請する場合、日本人の子どもを養育する親として申請する場合では、確認される内容も必要書類も異なります。
ここが曖昧なまま書類を集め始めると、必要のない書類が山盛りになり、本当に必要な書類が見当たらないという、書類版の迷子になることがあります。
まずは申請の根拠を整理し、その類型に合った資料を準備することが大切です。
定住者も原則として自由に働ける
定住者も身分や地位に基づく在留資格であるため、原則として就労制限はありません。
正社員、パート、アルバイト、自営業など、幅広い働き方が可能です。
この点は、原則として就労できない家族滞在との大きな違いです。

配偶者ビザ・家族滞在・定住者の違い
3つの在留資格の主な違いを整理すると、次のようになります。
| 在留資格 | 主な対象者 | 扶養の必要性 | 就労 |
|---|---|---|---|
| 日本人の配偶者等・永住者の配偶者等 | 日本人や永住者等の配偶者など | 必ずしも扶養が前提ではない | 原則として制限なし |
| 家族滞在 | 就労資格や留学などの在留資格を持つ外国人に扶養される配偶者・子 | 扶養を受けることが前提 | 原則不可。資格外活動許可があれば一定範囲で可能 |
| 定住者 | 特別な身分関係や個別事情により居住が認められる方 | 類型によって異なる | 原則として制限なし |
大まかに整理すると、次のようになります。
- 日本人や永住者等と結婚した場合は、配偶者に関する在留資格
- 就労や留学をしている外国人に扶養される場合は、家族滞在
- 日系人などの身分関係や特別な事情がある場合は、定住者
ただし、実際の在留資格申請では、結婚相手の在留資格、婚姻の実態、収入、住居、扶養関係、過去の申請状況なども確認する必要があります。
結婚しただけでは在留資格は決まらない
外国人と結婚した場合でも、必ず「日本人の配偶者等」を申請するわけではありません。
結婚相手が日本人であれば「日本人の配偶者等」、永住者であれば「永住者の配偶者等」が候補になります。
一方、結婚相手が就労資格を持つ外国人であれば「家族滞在」、定住者であれば配偶者本人について「定住者」を検討することがあります。
つまり、結婚しているかどうかだけでなく、結婚相手が日本でどのような立場にあるのかが重要です。
在留カードを確認せずに申請する在留資格を決めるのは、目的地を見ずに電車へ乗るようなものです
運よく着くことも……ほとんどありません。
申請前に確認したいポイント
家族に関する在留資格を検討するときは、少なくとも次の点を確認しましょう。
- 誰と誰が結婚しているのか
- 婚姻が法律上有効に成立しているか
- 日本にいる方の在留資格は何か
- 海外から家族を呼び寄せるのか
- 日本国内で在留資格を変更するのか
- 誰が生活費を負担するのか
- 日本で一緒に暮らす住居があるか
- 過去に在留資格の申請をしたことがあるか
- 過去の申請内容と今回の説明に矛盾がないか
特に定住者は、申請する方の立場によって要件や提出書類が大きく変わります。
インターネットで見つけた必要書類一覧をそのまま集めるのではなく、自分の状況に合った申請内容を整理することが重要です。
あなたに当てはまる在留資格は?簡単シミュレーター
家族と日本で暮らす場合、結婚相手の国籍や在留資格、申請する方との関係によって、検討すべき在留資格が異なります。
以下の質問に答えると、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「家族滞在」「定住者」のうち、どの在留資格が候補になるかを簡単に確認できるシュミレーターを作成しました。
ただし、表示される結果は一般的な制度に基づく目安です。
実際の申請では、婚姻の実態、扶養関係、収入、住居、過去の在留状況なども審査されるので、あくまで目安として確認ください。
あなたに当てはまる在留資格は?
該当する項目を順番に開くと、候補となる在留資格を確認できます。
このシミュレーターは一般的なケースを整理したものです。 実際の許可や申請資格を保証するものではありません。
Q1.申請する方と日本にいる方との関係は?
夫または妻
日本にいる方の国籍・在留資格を選んでください
日本人
法律上の婚姻は成立していますか?
はい、成立しています
日本人の配偶者等
日本人と法律上有効な婚姻関係にある外国人の方は、 一般的に「日本人の配偶者等」が候補になります。
主に確認されること
- 法律上有効な婚姻が成立しているか
- 夫婦関係に実態があるか
- 交際から結婚までの経緯
- 日本での収入や住居
- 提出書類の内容に矛盾がないか
いいえ・婚約中です
婚姻手続の確認が必要です
配偶者として「日本人の配偶者等」を申請する場合は、 原則として法律上有効な婚姻が成立している必要があります。
婚約中や事実婚の場合は、同じ在留資格をそのまま 申請できるとは限りません。
永住者または特別永住者
法律上の婚姻は成立していますか?
はい、成立しています
永住者の配偶者等
永住者または特別永住者と法律上有効な婚姻関係にある場合は、 一般的に「永住者の配偶者等」が候補になります。
主に確認されること
- 婚姻が法律上成立しているか
- 夫婦としての生活実態があるか
- 永住者等の在留状況
- 夫婦の収入や住居
- 過去の申請内容との整合性
いいえ・婚約中です
婚姻手続の確認が必要です
配偶者として「永住者の配偶者等」を申請する場合も、 原則として法律上有効な婚姻関係が必要です。
就労資格または留学の外国人
日本にいる方の扶養を受ける予定ですか?
はい、扶養を受ける予定です
家族滞在
一定の就労資格や留学の在留資格を持つ外国人の扶養を受ける 配偶者は、「家族滞在」が候補になることがあります。
主に確認されること
- 扶養者の在留資格が対象となるか
- 法律上有効な婚姻が成立しているか
- 扶養者に安定した収入があるか
- 日本で生活する住居があるか
- 扶養を受けて生活する予定か
いいえ、自分で生活費を負担します
就労資格などの確認が必要です
家族滞在は、扶養を受けて生活することを前提としています。 日本で本格的に働く場合は、仕事内容や学歴、職歴に応じた 就労資格を検討する必要があります。
定住者
定住者
定住者の配偶者は、一定の要件を満たす場合に 「定住者」が候補になることがあります。
主に確認されること
- 配偶者がどの定住者の類型に該当するか
- 法律上有効な婚姻が成立しているか
- 夫婦関係に実態があるか
- 扶養者の収入や在留状況
- 日本での同居予定
その他・分からない
在留カードなどの確認が必要です
日本にいる方の正確な在留資格が分からない場合は、 在留カードを確認してから候補を整理する必要があります。
子ども
日本にいる親の国籍・在留資格を選んでください
日本人
日本人の配偶者等
日本人の子として出生した方や日本人の特別養子は、 「日本人の配偶者等」に該当する可能性があります。
主に確認されること
- 日本人の子として出生したこと
- 出生時の父または母の国籍
- 戸籍や出生証明書
- 養子の場合は特別養子に該当するか
永住者または特別永住者
出生地や在留状況によって異なります
日本で出生し、その後も引き続き日本に在留している場合は、 「永住者の配偶者等」が候補になることがあります。
海外で出生した子どもなどは、「定住者」その他の 在留資格を検討することがあります。
確認が必要なこと
- 日本と海外のどちらで出生したか
- 出生後も日本に在留しているか
- 子どもの年齢と婚姻状況
- 親子関係を証明できるか
就労資格または留学の外国人
家族滞在
一定の就労資格や留学の在留資格を持つ外国人の扶養を受ける 子どもは、「家族滞在」が候補になることがあります。
主に確認されること
- 扶養者の在留資格が対象となるか
- 親子関係を証明できるか
- 扶養者の収入や預貯金
- 日本での生活予定
定住者
定住者
定住者などの扶養を受ける未成年で未婚の実子は、 一定の要件を満たす場合に「定住者」が候補になることがあります。
主に確認されること
- 未成年で未婚の実子か
- 親子関係を証明できるか
- 扶養を受けて生活する予定か
- 扶養者の収入や在留状況
両親・兄弟姉妹・その他の親族
今回の4つの在留資格だけでは判断できません
家族滞在の対象は、原則として配偶者または子どもです。 両親、兄弟姉妹、婚約者などは、今回の4つの在留資格に 該当しない可能性があります。
確認が必要なこと
- 日本にいる方との正確な続柄
- 年齢や健康状態
- 扶養や同居が必要な事情
- 日本にいる方の在留資格と収入
- ほかの在留資格に該当しないか
日系人・日本人との離婚や死別・日本人の子の養育など、 特別な事情がある方
定住者を検討できる可能性があります
日系人としての身分関係、日本人との離婚・死別、 日本人の子どもの監護・養育などの事情がある場合は、 定住者への変更や取得を検討することがあります。
ただし、一つの事情だけで当然に定住者が認められるものではありません。
主に確認されること
- どの定住者の類型に該当するか
- これまでの在留状況
- 日本人の子どもとの関係や養育状況
- 仕事、収入、住居などの生活基盤
- 離婚や死別に至った事情
申請前に確認したいポイント
- 婚姻や親子関係が法律上成立しているか
- 日本にいる方の正確な在留資格は何か
- 海外から呼び寄せるのか、日本国内で変更するのか
- 誰が日本での生活費を負担するのか
- 日本で一緒に暮らす住居があるか
- 過去の申請内容と今回の説明に矛盾がないか
どの在留資格を申請すればよいか分からない場合は、 行政書士やまもと事務所へご相談ください。
在留資格について相談するまとめ|在留資格の違いを整理してから申請しましょう
ということで、今回は 「配偶者ビザ」と呼ばれる在留資格、家族滞在、定住者の違いについて解説しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。
配偶者ビザ、家族滞在、定住者は、いずれも外国人の方が家族と日本で暮らす場面で関係する在留資格です。
しかし、対象者や扶養の必要性、就労制限には大きな違いがあります。
「家族と一緒に日本で暮らしたい」という目的が同じでも、家族の国籍、現在の在留資格、婚姻関係、扶養関係、これまでの在留状況によって、選ぶべき在留資格は変わります。
また、結婚していることや必要書類を提出したことだけで、当然に許可されるわけではありません。
どの在留資格に該当するのかを正しく整理し、家族関係や日本での生活状況を、客観的な資料によって矛盾なく説明することが大切です。
当事務所では、配偶者ビザ、家族滞在、定住者など、外国人の方とご家族の在留資格申請に関するご相談を承っています。
「どの在留資格を申請すればよいか分からない」
「海外にいる配偶者や子どもを日本へ呼び寄せたい」
「自分で申請したものの、不交付になってしまった」
このようなお悩みがある方は、お早めにご相談ください。
現在の在留資格や家族関係、収入、過去の申請内容などを確認し、必要な手続や準備する書類を一緒に整理いたします。
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