みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は 室戸岬でドローンを飛ばすのに必要な許可・確認事項をお話しします。
先日 お盆休みを利用して、久しぶりに高知県東部へドライブしてきました。
向かった先は、室戸岬。
目の前に広がるのは、見渡す限りの太平洋。高知県出身の私にとっては、やはりどこか落ち着く景色です。

「いやー、やっぱり高知の海はいいなあ……」と、しばらく仕事のことを忘れて海を眺めていたのですが、行政書士という職業柄でしょうか。
そのうち、頭の中にこんなことが浮かんできました。
「この景色、ドローンで上空から撮影したら、ものすごく綺麗なんじゃない?」
そして、その数秒後。
「……ところで、室戸岬でドローンを飛ばすなら何の許可が必要なんだ?」
絶景を見ても、最後は許認可が気になる。
完全に職業病です(笑)。

そこで今回は、室戸岬でドローン撮影をする場合に必要となる飛行許可や確認事項について、できるだけ分かりやすく解説します。
「室戸岬でドローンを飛ばしてみたい」「ドローンの飛行許可が必要か分からない」という方は、ぜひ参考にしてください。
※この記事は2026年8月時点の制度・公開情報をもとにしています。実際に飛行する際は、DIPS2.0や現地の管理者などで最新情報をご確認ください。
そもそもドローンは自由に飛ばせるの?
ドローンを購入すると、「自分で買ったものなんだから、好きな場所で飛ばしていいのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、残念ながらそう単純ではありません。
現在、重量100g以上のドローンは航空法上の「無人航空機」に該当し、原則として機体登録が必要です。
登録されていない100g以上の無人航空機を屋外で飛行させることはできません。
そのため、「ドローンを買った → 箱を開けた → 室戸岬へGO!」では少々気が早いわけです。
まずはDIPS2.0で機体登録など必要な準備を済ませているか確認しましょう。

ドローンの飛行許可・承認が必要になる「特定飛行」とは?
航空法では、一定の空域や一定の方法による飛行を「特定飛行」として規制しています。
代表的なものとして、次のような飛行があります。
- 空港等の周辺での飛行
- 地表または水面から150m以上の高さでの飛行
- 人口集中地区(DID)上空での飛行
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人または物件との距離を30m確保できない飛行
- 催し場所上空での飛行
- 危険物の輸送
- 物件の投下
こうした特定飛行を行う場合には、飛行内容に応じて国土交通大臣の許可・承認が必要となる場合があります。
ただし、「ドローンを飛ばす=必ず国土交通省へ許可申請」ではありません。
特定飛行に該当しないカテゴリーⅠ飛行であれば、航空法上の飛行許可・承認を受けずに飛行できる場合があります。
また、一部のカテゴリーⅡ飛行では、技能証明や機体認証など一定の要件を満たすことで許可・承認が不要となるケースもあります。
このあたりが、ドローン飛行許可を少し分かりにくくしているところですね。

「ドローン国家資格があればどこでも飛ばせる」は誤解
最近は「ドローン国家資格」という言葉を聞く機会も増えました。
しかし注意したいのが、資格を持っていることと、好きな場所で自由に飛行できることは別という点です。
ドローンを飛ばす際には航空法だけでなく、以下を確認する必要があります。
- 土地や施設の管理ルール
- 自治体の条例
- 自然公園関係の規制
- プライバシーや肖像権への配慮
- 海上での安全確保
- イベント等の開催状況
「国家資格を取った!これで日本全国どこでも飛べる!」という魔法の免許証ではありません。
ドローンが飛べる空は広いですが、確認するルールの範囲もなかなか広いのです。
室戸岬でドローンを飛ばす場合の注意点
では、実際に室戸岬でドローン撮影をする場合を考えてみましょう。
まず確認したいのは航空法上の飛行条件です。
観光客との距離に注意
室戸岬は多くの観光客が訪れる場所です。
観光客など第三者との距離を30m確保できない状態で飛行する場合、特定飛行に該当する可能性があります。
たとえば、展望場所や遊歩道付近で人のすぐ近くを飛行させる場合は特に注意が必要です。
岬の向こうまで飛ばすと「目視外飛行」になることも
「せっかくなら海岸線をずーっと撮りたい」
「岬の反対側まで飛ばしてみたい」
誰しも壮大な景色を撮影したいと思うところですが、そうなると 操縦者がドローンを直接目視できなくなる可能性があります。
その場合は目視外飛行に該当することが考えられます。
さらに、「夕焼けも撮りたいから日没後まで飛ばそう」となれば、今度は夜間飛行の検討も必要です。
絶景を追いかければ追いかけるほど、確認事項も一緒についてくる。
なかなか世の中うまくできています(笑)。

室戸岬の海岸では高知県の許可が必要?
ここは室戸岬でドローンを飛ばしたい方にとって重要なポイントです。
高知県が管理する海岸でのドローン使用については、海岸法や高知県海岸管理条例による規制はなく、特に高知県の許可は必要ないそうです。
ただし、ここで安心して、「高知県の許可がいらないなら自由に飛ばせる!」とコントローラーの電源を入れるのはまだ早いです。
航空法その他の法令による規制がないか、また市町村役場や関係機関への確認は必要になります。
特に注意したいのが海上での飛行です。
高知県の案内では、海上でドローンを使用する場合は高知海上保安部へ相談するよう案内されています。
室戸岬まで来て、「太平洋は映さず、陸だけ撮影します」というのも少々もったいないですから、海上飛行を予定している場合は事前に確認しておきたいところです。
室戸岬は「室戸阿南海岸国定公園」の一部
室戸岬一帯は、室戸阿南海岸国定公園に含まれています。
ここでよくある誤解が、「国定公園ならドローンはそもそも禁止なのでは?」というもの。
結論としては、国定公園であることだけを理由に、ドローンを飛ばす行為そのものが一律に禁止されているわけではありません。
一方で、自然公園内では行為の内容や場所によって自然公園法などに基づく手続きが関係することがあります。
また重要なのが、どこから離陸・着陸するのかという点です。
同じ「室戸岬周辺」でも、海岸、道路、駐車場、遊歩道、公園施設などでは管理者が異なる可能性があります。
航空法上飛行できるとしても、「その場所を離着陸地点として使ってよいか」は別問題です。
実際に飛行する際は、離着陸予定場所の管理者にも事前確認をしておくと安心です。
室戸岬でドローンを飛ばすなら、この順番で確認
では、私が室戸岬でドローン撮影を計画するとしたら、どのような順番で確認するでしょうか。
ドローンを所有していないですが、所有した気分になって考えてみます。
① 機体登録を確認する
まず100g以上の機体であれば、DIPS2.0で機体登録が済んでいるか確認します。
② DIPS2.0などで飛行場所を確認する
人口集中地区、空港周辺など航空法上の規制空域に該当しないかを確認します。
また、災害などの際には緊急用務空域が指定されることがあります。
緊急用務空域については、通常の飛行許可があっても原則として飛行できないため、飛行直前にも最新情報を確認することが重要です。
③ どのような撮影をするか整理する
日中に飛行し、機体を常に目視し、高度を抑え、第三者との距離を十分確保するのか。
それとも、夜間に撮影する、岬の向こうまで飛行する、観光客の近くを飛行する、高度150m以上で撮影するといった飛行を予定しているのか。
撮影方法によって必要な手続きは変わります。
④ 離着陸場所の管理者を確認する
航空法だけ確認して終わりにせず、駐車場、公園、遊歩道などを利用する場合には、必要に応じて土地・施設管理者へ確認します。
⑤ 海上を飛行するなら海上保安部へ相談する
室戸岬らしい映像を撮影するなら、太平洋上を飛行させたい場面もあるでしょう。
高知県は、県管理海岸から海上でドローンを使用する場合について、高知海上保安部への相談を案内しています。
⑥ 特定飛行をするなら飛行計画の通報なども確認
特定飛行を行う場合には、原則として事前に飛行計画を通報する必要があります。
また、特定飛行では飛行日誌に関するルールもあります。
許可・承認を取ったところで満足して、飛行計画の通報を忘れないよう注意しましょう。

観光地では「飛ばせるか」だけでなく「飛ばして大丈夫か」も大切
室戸岬のような観光地でドローンを飛ばす際、法律と同じくらい大切なのが周囲への配慮です。
法律上飛ばせることと、その場で安全・適切に飛ばせることは同じではありません。
休日に大勢の観光客が歩いているすぐそばで、「大丈夫です!許可持っています!」と言われても、頭の上をドローンが飛んでいれば怖いと感じる方もいるでしょう。
また、ドローンにはカメラが搭載されているため、第三者の肖像や住宅、ホテルなどを撮影する場合には、プライバシーへの配慮も必要です。
特に観光地では、「法律上飛ばせるか?」だけではなく、「ここで飛ばして周囲の迷惑にならないか?」まで考えて飛行計画を立てたいところです。
まとめ|室戸岬でドローン撮影をするなら、飛ばす前の確認が大切です
久しぶりに訪れた室戸岬。
雄大な太平洋を眺めながら、「ここをドローンで上空から撮影したら、どんな映像になるんだろう」と考えてしまいました。
しかし、ドローンは購入して電源を入れれば、どこでも自由に飛ばせるものではありません。
室戸岬でドローンを飛ばす場合でも、
機体登録
+航空法上の飛行条件
+ドローンの飛行許可・承認
+離着陸場所の管理者確認
+海上飛行なら海上保安部への相談
+必要に応じた自然公園関係の確認
などを整理する必要があります。
特に覚えておきたいのは、「国土交通省の許可だけ取れば終わりではない」ということです。
「この場所でドローンを飛ばしたいけれど、何を確認すればいいのか分からない」
「業務でドローンを使うので、飛行許可・承認申請をきちんとしておきたい」
という場合には、実際に飛行する前に必要な手続きを整理しておくことをおすすめします。

当事務所では、岡山・倉敷を中心に、ドローン飛行に関する許可・承認申請や、飛行場所に応じた必要手続きについてのご相談を承っています。
ドローンを購入して、「さあ撮影するぞ!」→「あれ?ここ飛ばせない?」となる前に、お気軽にご相談ください。
ちなみに今回の私は、室戸岬でドローンを飛ばすことなく、太平洋を眺めながら、ただボーッとして帰りました。
これならDIPS2.0への申請も飛行計画の通報も不要です。

たまには、これが一番ぜいたくな室戸岬の楽しみ方なのかもしれません(笑)。
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