みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は、リフォーム業の方に向けた産廃収集運搬業許可を取るときの注意点をご紹介します。
リフォーム工事では、木くず、金属くず、廃プラスチック類、がれき類など、さまざまな産業廃棄物が発生します。

これらを工事現場から処分場まで自社で運ぶために、産業廃棄物収集運搬業許可の取得を検討しているリフォーム会社も多いのではないでしょうか。
ただし、許可申請は「木くずと、がれき類と……あとは全部入りでお願いします」というわけにはいきません。
特に注意したいのが、アスベストを含む建材と、蛍光灯や水銀ランプなどの水銀使用製品です。
許可を取得した後で、「このアスベスト建材は運べなかった」「撤去した蛍光灯を処分場で受け入れてもらえなかった」となると、せっかくの許可証が少し寂しそうに見えてしまいます。
今回は、リフォーム業者が産廃収集運搬業許可を申請する前に確認したい、アスベスト廃棄物と水銀使用製品産業廃棄物の取扱いについて、分かりやすく解説します。
リフォーム工事で発生する主な産業廃棄物
リフォーム工事や改修工事では、工事内容に応じて次のような廃棄物が発生します。
- 解体した柱や床材などの木くず
- 壁紙、床材、断熱材などの廃プラスチック類
- 配管、金属製建具などの金属くず
- ガラス、タイル、衛生陶器など
- コンクリートやモルタルなどのがれき類
- 廃石膏ボード
- 撤去した蛍光灯や水銀ランプ
- アスベストを含む可能性がある屋根材や外壁材
リフォーム業者が、他社から委託を受けて、これらの産業廃棄物を工事現場から処分場まで運搬する場合には、原則として産業廃棄物収集運搬業の許可が必要です。

産業廃棄物収集運搬業許可を申請する際は、自社が実際に運搬する予定の産業廃棄物について、必要な種類を申請します。
ただし、許可証に「がれき類」や「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」と記載されていれば、その分類に該当する廃棄物をすべて無条件で運べるとは限りません。
特に、石綿を含む建材や水銀を使用した蛍光灯などについては、通常の産業廃棄物とは異なる取扱いが求められます。
そのため、許可品目だけでなく、石綿や水銀に関する条件についても、申請前に確認しておくことが大切です。
許可証の「含む」「除く」を確認しよう
産廃収集運搬業の許可証には、許可を受けた産業廃棄物の種類とともに、次のような条件が記載されることがあります。
- 石綿含有産業廃棄物を含む、または除く
- 水銀使用製品産業廃棄物を含む、または除く
- 水銀含有ばいじん等を含む、または除く
そのため、許可品目に「金属くず」や「ガラスくず等」が入っていても、水銀使用製品産業廃棄物が「除く」となっていれば、廃蛍光管などを運搬できない可能性があります。
品目名だけを見て安心せず、小さく書かれた条件まで確認しましょう。
許可証も契約書と同じで、小さい文字ほど重要なことがあります。

アスベスト廃棄物は2つに分けて考える
一般には「アスベスト廃棄物」とまとめて呼ばれますが、廃棄物処理法上の取扱いは、飛散性などによって異なります。
リフォーム業者が特に知っておきたいのは、「石綿含有産業廃棄物」と「廃石綿等」の違いです。
石綿含有産業廃棄物とは
石綿含有産業廃棄物は、建築物などの新築、改築または除去に伴って発生する産業廃棄物で、一定量を超える石綿を含むものです。
リフォーム工事では、次のような建材にアスベストが含まれている可能性があります。
- スレート屋根材
- 外壁サイディング
- けい酸カルシウム板
- ビニル床タイル
- 石綿含有セメント板
- 一部の断熱材や耐火材
ただし、建材の見た目や製造時期だけで、アスベストの有無を確実に判断できるとは限りません。
設計図書や製品情報の確認、工事前の事前調査、必要に応じた分析などによって判断する必要があります。
廃石綿等とは
吹付け石綿や石綿を含む保温材など、飛散性の高いものは「廃石綿等」に該当することがあります。
特に気を付ける必要があるのは、飛散性のある廃石綿等は特別管理産業廃棄物に該当し、通常より厳しい処理基準が設けられています。
つまり、通常の産廃収集運搬業許可で石綿含有産業廃棄物を運べる場合でも、廃石綿等まで運べるとは限りません。
廃石綿等を業として運搬する場合は、特別管理産業廃棄物収集運搬業許可が必要となる可能性があります。

アスベスト建材は「割らず、混ぜず、飛ばさず」
許可証に「石綿含有産業廃棄物を含む」と記載されていても、通常の建築廃材と同じように積み込んでよいわけではありません。
収集・運搬時には、主に次のような対応が求められます。
- 積込みや運搬中に破砕しない
- 他の廃棄物と混ざらないよう区分する
- シートや袋などで飛散・流出を防止する
- 荷台で転倒、移動しないよう固定する
- 対応可能な処分場へ運ぶ
覚え方は「割らず、混ぜず、飛ばさず」です。
少し標語のようですが、現場では大切な三原則です。
蛍光灯や水銀ランプも注意が必要
店舗、工場、倉庫、事務所などのリフォームでは、照明をLEDへ交換する工事があります。
その際に撤去した蛍光灯や水銀ランプは、水銀使用製品産業廃棄物に該当する可能性があります。
また、廃蛍光管はガラスや金属など複数の素材で構成されています。
そのため、蛍光灯を運ぶ場合は、少なくとも次の点を確認します。
- 水銀使用製品産業廃棄物を取り扱えるか
- 金属くずやガラスくず等が許可品目に含まれるか
- 運搬先が廃蛍光管を受け入れているか
蛍光灯は割らずに区分して運ぶ
水銀使用製品産業廃棄物を運搬するときは、破損を防止し、他の廃棄物と混合しないよう区分しなければなりません。
実務上は、次のような準備が必要です。
- 専用箱や容器に収納する
- 運搬中に動かないよう固定する
- 他の廃材と分けて積載する
- 作業員に取扱方法を周知する
- 破損した場合の対応を決めておく
蛍光灯は、まとめて荷台へ放り込むと簡単に割れます。
「丁寧に扱う予定でした」という気持ちだけでは、残念ながら緩衝材の代わりにはなりません。

最も重要なのは処分先の確認
産廃収集運搬業許可を申請するときは、自社の許可品目だけでなく、運搬先となる処分業者の確認が重要です。
自社が石綿含有産業廃棄物を運べる許可を取得しても、処分業者が受け入れていなければ持ち込めません。
水銀使用製品産業廃棄物も同様です。
申請前に、次の事項を確認しておきましょう。
- 処分業者の許可が有効か
- 対象品目が許可に含まれているか
- 石綿・水銀関係の廃棄物を実際に受け入れているか
- 荷姿や搬入方法に指定があるか
- 事前契約や登録が必要か
岡山県内の許可業者は、岡山県の「おかやま廃棄物ナビ」で検索できます。
ただし、検索結果だけで判断せず、最終的には処分業者へ直接、受入条件を確認することが大切です。
まとめ|許可申請前に廃棄物の流れを整理しよう
ということで、今回は リフォーム業者が産廃収集運搬業許可を申請する前に確認したい、アスベスト廃棄物と水銀使用製品産業廃棄物の取扱いについて、解説しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。
リフォーム業者が産廃収集運搬業許可を取得する際は、次の3点を確認することが重要です。
- 必要な産業廃棄物の種類が許可品目に入っているか
- 石綿や水銀に関する「含む・除く」の条件に対応しているか
- 対象物を実際に受け入れられる処分先があるか
特にアスベストについては、石綿含有産業廃棄物と、特別管理産業廃棄物である廃石綿等を分けて考えなければなりません。
産廃収集運搬業許可の申請は、単に申請書を作成する手続ではありません。
「どの工事から、何が発生し、どの車両・容器で、どこへ運ぶのか」という、工事現場から処分場までの流れを設計する作業でもあります。
岡山県で産廃収集運搬業許可を検討されている方へ
当事務所では、岡山県で産業廃棄物収集運搬業許可の取得を検討されている事業者の方をサポートしています。
工事内容や発生する廃棄物を確認したうえで、必要な許可品目、石綿含有産業廃棄物や水銀使用製品産業廃棄物の取扱い、運搬車両・容器、予定処分先などを整理し、申請書類の作成・提出を支援します。
「自社の場合、どの品目を申請すればよいか分からない」
「アスベスト建材や蛍光灯も運べる許可にしたい」
「現在利用している処分場を運搬先にできるか確認したい」
という場合は、許可申請を始める前にご相談ください。
取得することだけを目的にするのではなく、実際のリフォーム工事で使える許可を一緒に考えていきましょう。

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