高知の「じゃんめん」から考える、飲食店の営業許可と開業手続き

各種許認可

みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は 飲食店の営業許可についてお話します。

先月 実家の高知県に帰省しておりました。
そんな実家高知に帰省すると、最近 気になるお店があります。

それが、じゃんめん

高知市内を車で走っていると、「あれ、ここにもじゃんめん」「え、またじゃんめん」と思うくらい、なかなかの存在感です。

高知といえば、これまでは何と言ってもカツオのたたきでした。
県外の方から見ても、「高知=カツオ」というイメージはかなり強いと思います。

まさに、カツオ一本足打法。
いや、高知らしく言うなら、カツオ一本釣り打法でしょうか。

しかし、もしかすると今後、カツオを超える存在になるかもしれない。
それが、じゃんめんです。

今回は、この高知のじゃんめんを入り口に、飲食店を開業する際に必要となる飲食店営業許可の手続きについて、わかりやすく解説します。
(行政書士事務所のブログ記事ですから、じゃんめんでなく 営業許可のお話がメインです)

高知で存在感を増す「じゃんめん」とは?

「じゃんめん」とは、高知で人気を集めているラーメン系のメニューです。

特徴は、細めの麺の上に、麺が見えないほどたっぷりかかった熱々のあんかけ。
その中には、ぷりぷりの牛ホルモン、ニラ、卵、唐辛子などが入り、甘みとコクのある旨辛い味わいが楽しめます。

そして最大の特徴は、ご飯に合うラーメンであること。

麺を食べ終わったあと、残ったあんかけに白ご飯を入れて最後まで味わう。
これが定番の楽しみ方です。

ラーメンなのか。
あんかけ料理なのか。
焼肉店の魂なのか。

それとも白ご飯をおかわりさせるための高知県の戦略なのか。

分類は少し難しいですが、おいしいことは間違いありません。

ちなみに、当事務所のある岡山県倉敷市にもじゃんめんのお店があります

倉敷でじゃんめんを食べて好きになった方が、「これは一度、本場に行かねば」と、高知の本店巡礼をする。
そんな流れも、今後生まれてくるかもしれませんね。

飲食店というのは、単に食事を提供する場所ではありません。
地域の名物になったり、観光の目的になったり、人の移動を生んだりする力があります。

では、そんな飲食店を実際に開業するには、どのような手続きが必要なのでしょうか。
ここからは、飲食店を始める際にまず確認しておきたい、飲食店営業許可について見ていきます。
(ここから行政書士事務所の本領発揮です!)

飲食店を開業するには、まず「飲食店営業許可」が必要です

ラーメン店、カフェ、定食屋、居酒屋など、店内で調理した食品をお客さんに提供する場合、基本的には食品衛生法に基づく飲食店営業許可が必要です。

たとえば、じゃんめん専門店を開きたい場合も、

「麺をゆでる」
「あんかけを作る」
「店内でお客さんに提供する」

という営業形態になるため、飲食店営業許可の対象になると考えられます。

飲食店営業許可で確認される主なポイント

飲食店営業許可では、単に「料理がおいしいか」を確認されるわけではありません。
大切なのは、安全で衛生的に食品を提供できる施設かどうかです。

主に次のような点が確認されます。

  • 調理場の構造や設備が基準に合っているか
  • 手洗い設備が適切に設置されているか
  • 食品を衛生的に保管できるか
  • 給排水設備が整っているか
  • 清掃しやすい施設になっているか
  • 食品衛生責任者が設置されているか

じゃんめんのようにパンチの効いた一杯を提供する場合でも、営業許可の世界ではパンチよりも衛生管理が大切です。

味は濃厚に。
手続きは慎重に。
これが飲食店開業の基本です。

飲食店営業許可の手続きの流れ

飲食店営業許可の手続きは、一般的に次のような流れで進みます。

1. 営業内容を決める

まずは、どのような飲食店を開業するのかを決めます。

ラーメン店なのか。
カフェなのか。
居酒屋なのか。
テイクアウトも行うのか。
お菓子やパンの販売もするのか。

営業内容によって、必要となる許可や届出が変わることがあります。

たとえば、店内飲食だけでなく、焼き菓子を製造して販売する場合には、飲食店営業許可とは別に菓子製造業の営業許可が必要になる可能性があります。

「ちょっとクッキーも売ろうかな」という軽い気持ちでも、手続き上はしっかり確認が必要です。
クッキーはサクサクでも、許可判断は意外とサクサク進まないことがあります。

2. 物件を選ぶ

次に、店舗となる物件を選びます。

ここで注意したいのは、「飲食店として使える物件かどうか」です。

以前も飲食店だった居抜き物件であっても、新しい営業者がそのまま営業できるとは限りません。
前のお店の設備が残っていても、現在の基準や新しい営業内容に合わない場合があります。

スープは引き継げても、許可は勝手に引き継げない。
ここは意外と大事なポイントです。

3. 保健所へ事前相談する

飲食店開業で非常に大切なのが、保健所への事前相談です。
特に内装工事を始める前に、図面を持って相談しておくことをおすすめします。

工事が終わってから、「この設備では基準を満たしていません」と言われると、追加工事が必要になることがあります。

これはかなり痛いです。
じゃんめんの唐辛子より痛いかもしれません。

ちなみに倉敷市では、営業許可の申請は食品衛生申請等システムまたは保健所生活衛生課窓口で行うことができ、開業予定日の20日から1か月程度前までとなっています。
つまり、オープン1週間前に申請してもアウトですのでご注意ください。

4. 内装工事・設備準備をする

保健所との相談内容を踏まえて、厨房や客席、手洗い設備、シンク、冷蔵庫などを整えていきます。
飲食店の場合、厨房の使いやすさだけでなく、衛生面も重要です。

「料理人が動きやすい厨房」であると同時に、「衛生的に管理しやすい厨房」である必要があります。

おしゃれな店舗づくりも大切ですが、営業許可のためには施設基準への適合が欠かせません。

5. 営業許可申請をする

施設がほぼ完成し、保健所の検査が可能な状態になったら、営業許可申請を行います。

申請方法は自治体によって異なりますが、食品衛生申請等システムを使う方法と、保健所窓口で申請する方法があります。
申請時には営業許可申請書以外に、施設の図面、申請手数料、水道水以外を使用する場合の水質検査証明書なども必要になりますのでお忘れなく。

6. 保健所の施設検査を受ける

申請後、保健所による施設検査が行われます。

検査では、申請内容や図面どおりに設備が整っているか、施設基準に合っているかが確認されます。
検査の結果、問題がなければ営業許可証が交付され、営業開始へ進むことができます。

ここまで来て、ようやく堂々と「いらっしゃいませ!」と言えるわけです。

食品衛生責任者の設置も必要です

飲食店営業許可を取得する場合、営業者は食品衛生責任者を設置する必要があります。

飲食店営業や菓子製造業などを行うためには、従事者の中から食品衛生責任者を設置する必要があり、食品衛生責任者になるには所定の資格を持っているか、養成講習会を受講する必要があります。

食品衛生責任者になれる主な資格

食品衛生責任者になれる資格には、たとえば次のようなものがあります。

  • 調理師
  • 製菓衛生師
  • 栄養士
  • 管理栄養士
  • 食品衛生監視員
  • 食品衛生管理者

これらの資格がない場合でも、食品衛生責任者養成講習会を受講することで、食品衛生責任者になることができます。

「料理が得意だから大丈夫」という気持ちは大切ですが、営業許可の世界ではそれだけでは足りません。
飲食店開業では、味・接客・衛生管理・行政手続きの全部が大切です。

おいしいだけではなく、安心して食べてもらえるお店づくりが求められます。

消防署への「防火対象物使用開始届」も確認しましょう

飲食店を開業する際には、保健所だけでなく消防署への届出も重要です。
店舗として建物やテナントを使い始める場合、防火対象物使用開始届が必要になることがあります。

消防署で確認される主なポイント

消防署では、主に次のような点が確認されます。

  • 消火器などの消防用設備
  • 避難経路
  • 客席や厨房の配置
  • 火を使う設備の状況
  • 建物全体の用途や構造

ラーメン店や焼肉店のように火を使う飲食店では、特に消防関係の確認が大切です。

お店の火力は大事です。
でも、火災の火力は本当にいりません。

消防関係の手続きも、物件選びや内装工事の段階から早めに確認しておくと安心です。

深夜にお酒を提供する場合は警察署への届出が必要なことも

飲食店の営業内容によっては、警察署への届出が必要になる場合もあります。
代表的なのが、深夜酒類提供飲食店営業開始届です。

これは、午前0時から午前6時までの深夜帯に、主にお酒を提供する飲食店を営業する場合に必要となる届出です。
たとえば、次のような営業形態では確認が必要です。

  • バー
  • スナック
  • 深夜営業の居酒屋
  • 酒類提供が中心のお店

一方で、ラーメン店や定食屋のように食事提供が中心のお店の場合、深夜にお酒を少し置いているだけで必ず届出が必要になるとは限りません。
ただし、実際の判断は営業内容、店舗の構造、営業地域などによって変わります。

夜営業を考えている場合は、早めに管轄の警察署へ相談しましょう。

「夜はちょっと雰囲気を変えてお酒も出したい」という場合、営業許可だけでなく、風営法関係の確認も必要になることがあります。

自家製スイーツやパンの販売には別の許可が必要な場合があります

カフェを開業する場合、よくあるのが次のようなケースです。

「店内でコーヒーを出したい」
「ランチも提供したい」
「自家製クッキーを販売したい」
「ケーキを作ってテイクアウト販売したい」
「焼き菓子をネット販売したい」

このような場合、飲食店営業許可だけでは足りず、菓子製造業許可などが必要になる可能性があります。

店内で提供するだけなのか。
持ち帰り販売するのか。
インターネット販売もするのか。

この違いによって、必要な許可が変わることがあります。

飲食店開業では、最初に「何を、どこで、どのように販売するのか」を整理しておくことが大切です。

メニュー表を作る前に、許可の整理。
これも大事な仕込みです。

飲食店開業でよくある注意点

居抜き物件でも安心しすぎない

前のお店が飲食店だったとしても、必ずしもそのまま営業できるわけではありません。
営業者が変わる場合や、営業内容が変わる場合には、新たな営業許可や届出が必要になることがあります。

居抜き物件は初期費用を抑えやすい一方で、設備が現在の基準に合っているか、希望する営業内容に対応できるかを確認する必要があります。

工事前に保健所・消防署へ相談する

内装工事が終わってから不備が見つかると、追加工事が必要になることがあります。
そのため、飲食店開業では、工事前の段階で保健所や消防署へ相談しておくことが重要です。

じゃんめんのあんかけは、後からご飯を入れると最高です。
しかし、店舗工事は後から修正すると大変です。

営業内容を途中で増やす場合も注意

開業後に、「テイクアウトを始めたい」「お菓子を販売したい」「深夜営業を始めたい」「お酒の提供を増やしたい」という場合、追加の許可や届出が必要になることがあります。

事業を広げること自体は素晴らしいことですが、手続きの確認もセットで行いましょう。

飲食店開業に必要な主な手続きまとめ

飲食店を開業する際に確認したい主な手続きは、次のとおりです。

手続き主な提出先主な内容
飲食店営業許可保健所店内で調理した食品を提供する場合
食品衛生責任者の設置保健所関連飲食店営業などで必要
防火対象物使用開始届消防署店舗・テナントを使用開始する場合
菓子製造業許可保健所菓子・パンなどを製造販売する場合
深夜酒類提供飲食店営業開始届警察署深夜に酒類提供を主とする営業を行う場合

もちろん、実際に必要な手続きは、営業内容や物件、自治体によって異なります。
そのため、開業準備の早い段階で、保健所・消防署・警察署などに確認することが大切です。

まとめ:飲食店開業は「味」だけでなく「手続き」も仕込みが大切です

高知のじゃんめんは、ホルモン、ニラ、卵、唐辛子、あんかけ、そして白ご飯という、見事なチームワークで成り立っています。
飲食店開業も同じです。

おいしい料理。
魅力的な店舗。
衛生的な設備。
食品衛生責任者。
保健所への営業許可申請。
消防署への届出。
場合によっては警察署への届出。

それぞれがきちんと揃って、初めて安心してお店をスタートできます。
特に、飲食店営業許可の手続きは、物件選びや内装工事の段階から関わってくるため、早めの準備が大切です。

倉敷市・岡山県内で、
「ラーメン店を始めたい」
「カフェを開業したい」
「居酒屋を始めたい」
「テイクアウト販売をしたい」
「焼き菓子の販売も考えている」
「深夜営業でお酒も提供したい」
という方は、営業内容に応じて必要な許可や届出を整理するところから始めましょう。

飲食店の味づくりは店主さんの腕の見せどころ。
そして、許可や届出の段取りは行政手続きの専門家の出番です。

飲食店開業の営業許可・各種届出でお困りの方は、倉敷市の行政書士事務所までお気軽にご相談ください。
開業準備が、じゃんめんのあんかけくらいスムーズに絡んでいくよう、しっかりサポートいたします。

行政書士やまもと事務所
🏠 岡山県倉敷市
🌐 https://tora-no-maki.com

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