デジタル化・AI導入補助金2026の採択率は4割台|「出せば通る」はもう通用しない?

補助金

みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は デジタル化・AI導入補助金2026の3次締切分の交付決定結果を見て感じたことをお話しします。

先日(2026年9月2日)、「デジタル化・AI導入補助金2026」の3次締切分の交付決定結果が公表されました。

「デジタル化・AI導入補助金」と聞いて、「名前が変わったけど、あのIT導入補助金のこと?」と思われた方もいませんか?
はい、その認識でだいたい合っています。

旧「IT導入補助金」から名称が変わり、会計ソフト、販売管理システム、顧客管理システム、クラウドサービス、AI機能を搭載したソフトウェアなどの導入を支援する補助金となったデジタル化・AI導入補助金。

今回発表された交付決定結果を見て、感じたことがあります。
それは…

「やっぱり、もう“出せば通る補助金”ではないな」

ということでした。

今回は、デジタル化・AI導入補助金2026の採択率を確認しながら、これから申請を検討する事業者さんが何を意識して準備すればよいのか、できるだけ分かりやすく解説します。

デジタル化・AI導入補助金2026の3次締切、採択率は約44%

先日 公表された3次締切分では、主な申請枠を合計すると5,913件の申請に対し、2,601件が交付決定となりました。

数字を整理すると、次のようになります。

申請枠申請数交付決定数交付決定率
通常枠1,913件807件約42.2%
インボイス枠(インボイス対応類型)3,982件1,781件約44.7%
セキュリティ対策推進枠18件13件約72.2%
合計5,913件2,601件約44.0%

特に申請件数の多い通常枠とインボイス枠を見ると、どちらも交付決定率は4割台です。

つまり、かなり単純化して言えば、申請した事業者の半分以上が交付決定を受けていないということになります。

「登録されたITツールを買う予定だから、とりあえず申請しておけば大丈夫でしょう」というほど簡単ではありません。

補助金の世界にも、残念ながら「参加賞」はありません。

通常枠の採択率は3回連続で4割前半

さらに注目したいのが、2026年の通常枠の採択率です。

公式発表をもとに、ここ3回分の採択率を計算するとこうなりました。

  • 1次締切:2,028件申請 → 891件交付決定 約43.9%
  • 2次締切:1,879件申請 → 819件交付決定 約43.6%
  • 3次締切:1,913件申請 → 807件交付決定 約42.2%

つまり、3回続けて4割前半です。

今回だけたまたま厳しかった、という数字ではありません。

そのため、「3次締切は厳しかったみたいだけど、次はきっと通りやすくなるでしょう」と楽観的に考えるのは少し危険です。

むしろ、「半分以上は交付決定されない可能性がある補助金」という前提で、申請内容をしっかり準備する必要があります。

「昔のIT導入補助金は簡単だった」というイメージは要注意

以前からIT導入補助金をご存じの方の中には、「IT導入補助金って、比較的通りやすい補助金じゃなかった?」というイメージを持っている方もいるかもしれません。

確かに、この補助金は登録されたITツールについて、IT導入支援事業者と連携しながら申請手続きを進める仕組みになっています。

ものづくり補助金などと比較すると、「申請に取り組みやすい補助金」という印象を持たれやすい制度ではあります。

しかし、「申請しやすい」ことと、「採択されやすい」ことは別です。ここは似ているようで、まったく違います。

2025年の3次締切も決して高い採択率ではなかった

実際、昨年の2025年の3次締切では、通常枠が3,856件の申請に対して1,174件交付決定で、約30.4%。
インボイス枠(インボイス対応類型)も、8,270件の申請に対して3,346件交付決定で、約40.5%でした。

近年の数字を見る限り、「とりあえず申請しておけば、だいたい通る」という補助金ではないと考えておいた方がよいでしょう。

デジタル化・AI導入補助金では何を見られるのか?

では、申請では何を意識すればよいのでしょうか。
ここが今回の記事で一番お伝えしたいところです。

通常枠は、そもそも「自社の課題やニーズに合ったITツールを導入し、労働生産性の向上につなげる」ことを目的とした制度です。

そのため、「このソフトが便利そうなので導入します」だけで考えるのでは十分とはいえません。
大切なのは、自社にどんな経営課題・業務課題があり、その課題をITツールによってどう解決するのかという流れです。

「人手不足だからシステムを入れる」だけでは伝わりにくい

例えば、「人手不足なので販売管理システムを導入したい」という話があったとします。

もちろん間違いではありません。
ただ、これだけでは、「具体的に何が大変なのですか?」という部分が見えてきません。

例えば、もう一段掘り下げて、以下のように整理すれば、なぜそのITツールが必要なのかがかなり分かりやすくなります。

現在は受注情報を紙で管理しており、担当者が販売管理システムへ再入力している。
そのため毎月多くの入力作業が発生し、入力ミスも起きている。
受注から売上管理までを一元化できるシステムを導入し、二重入力を削減したい

大切なのは、経営課題 → 業務課題 → 解決方法 → ITツールという順番です。

いきなり、「補助金で買えるソフトはどれですか?」から始めると、話の主役が「会社の課題」ではなく「補助金」になってしまいます。

補助金は主役ではありません。
名脇役くらいに考えておくのが、ちょうどよいと思います。

採択率4割台だからこそ「加点項目」も確認したい

採択率が4割台となり、狭き門になりつつあるデジタル化・AI導入補助金。
申請する際には、加点項目についても確認しておきたいところです。

もちろん、「加点を取れば必ず採択される」というものではありません。

ただ、通常枠の交付決定率が4割台で推移している状況を考えると、「加点? 面倒だから別にいいでしょう」と最初から放置するのはおすすめしません。

取れるものがあるなら、きちんと確認しておきたいところです。

「IT戦略ナビwith」も加点対象

2026年度では、「IT戦略ナビwith」を交付申請前に実施することが加点対象とされています。

IT戦略ナビwithを活用すると、自社のデジタル化の状況や経営課題を整理し、結果をIT戦略マップとして確認できます。

単なる「加点をもらうための作業」と考えるのではなく、「そもそも自社は何をデジタル化したいのか」を整理する機会として是非活用しましょう。

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通常枠では「デジタル化セカンドオピニオン」も加点対象

さらに2026年度の通常枠では、「デジタル化セカンドオピニオン」が加点措置として設けられています。

これは、ITベンダー以外の第三者との面談を通じて、「なぜデジタル化するのか」「その取組は本当に自社の課題解決につながるのか」といった点を客観的に確認するための仕組みです。

補助金申請では、事業計画そのものをしっかり作ることそして、利用できる加点項目を確認することの両方を意識しておきたいところです。

IT導入支援事業者に「全部お任せ」も要注意

もう一つ注意していただきたいのが、「IT導入支援事業者が申請を手伝ってくれるから、全部任せておけば大丈夫」という考え方です。

IT導入支援事業者は、システムやITツールについて詳しい専門家です。
ただし、自社の経営や業務について一番詳しいのは、やはり自社です。

そのため、ITベンダーと相談する前に、少なくとも次のような点は整理しておきたいところです。

  • 現在、どの業務に時間がかかっているのか
  • どこで二重入力や手戻りが発生しているのか
  • ミスや属人化が起きている業務はないか
  • ITツール導入後に業務がどう変わるのか
  • どれくらいの時間を削減できそうなのか
  • 削減できた時間を何に使うのか
  • 生産性や売上、付加価値の向上にどうつなげるのか

ここまで整理してからIT導入支援事業者と話をすると、「では、この機能が必要ですね」という相談もしやすくなります。

逆に、「何かいいソフトありませんか? 補助金もお願いします」という状態では、システム選びそのものが目的になってしまう可能性があります。

ITツールは、導入した瞬間に会社を救ってくれる魔法の杖ではありません。
使ってこそです。

まとめ|デジタル化・AI導入補助金2026は「申請前の整理」が重要

ということで、今回は、デジタル化・AI導入補助金2026の採択率を確認しながら、これから申請を検討する事業者さんが何を意識して準備すればよいのか、解説しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。

デジタル化・AI導入補助金2026の3次締切では、通常枠・インボイス枠ともに交付決定率は4割台となりました。

通常枠にいたっては、1次締切から3次締切まで、3回続けて4割前半です。

これから申請するのであれば、「補助金があるからシステムを導入する」のではなく、「自社の課題を解決するためにシステムを導入し、その費用について補助金を活用する」という順番で考えることが重要です。

補助金は目的ではありません。
あくまで経営改善や生産性向上を進めるための手段です。

そして採択率が4割台となっている今だからこそ、「なぜこのITツールが必要なのか」「導入すると自社の業務がどう変わるのか」を申請前にしっかり整理しておくことが、これまで以上に大切になっていると思います。

デジタル化・AI導入補助金2026の申請をご検討の方へ

当事務所では、デジタル化・AI導入補助金をはじめ、中小企業・小規模事業者向けの補助金申請についてご相談をお受けしています。

単に申請書を作るだけではなく、現在の業務を整理し、どこに課題があり、ITツールを導入することでどのように改善していくのかというところから一緒に整理します。

「導入したいシステムは決まっているけれど、デジタル化・AI導入補助金が使えるのか分からない」
「ITベンダーから補助金を勧められたけれど、この内容のまま申請してよいのか不安」
「通常枠とインボイス枠のどちらを検討すればよいのか分からない」
といった事業者さんも、お気軽にご相談ください。

補助金をもらうことをゴールにするのではなく、その先の「会社の業務が少し楽になった」を一緒に目指していきましょう。

行政書士やまもと事務所
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🌐 https://tora-no-maki.com

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