支援金と補助金の違いとは?物価高騰対策で増える支援制度を行政書士が解説

補助金

みなさん、こんにちは。
岡山県倉敷市の行政書士やまもと事務所の山本です。
今回は 最近ちょいちょと耳にする支援金について解説します。

当事務所では、事業者の方からご相談を受け、国や岡山県、市町村が実施する補助金や支援制度を調べることがあります。
こんな制度を調べている中で、ここ最近よく見かけるようになった言葉があります。

それが、「支援金」です。

特に近年は、電気代や燃料費、原材料費、資材費などの物価高騰を受け、岡山県や県内の市町村でも、事業者向けの支援金が設けられています。

ところで、支援金と補助金は何が違うのでしょうか。

名前だけを見ると、どちらも「何か助けてもらえそうなお金」です。
とはいえ、申請の目的や手続きには違いがあります。

今回は 支援金と補助金の違いについて、行政書士が分かりやすく解説します。

支援金と補助金の違いを簡単にいうと

支援金と補助金の違いを簡単に整理すると、次のようになります。

  • 補助金:新しい取り組みや設備投資を後押しする制度
  • 支援金:物価高騰や災害などによる現在の負担を軽くする制度

補助金は「これから何をするのか」が重視されることが多く、支援金は「現在、どのような影響を受けているのか」が確認される傾向があります。

ただし、これはあくまで一般的な違いです。

「支援金」という名前でも事業計画書や実績報告が必要な制度があります。
反対に、比較的簡単な手続きで申請できる補助金もあります。

制度の名前は表札のようなものです。
大切なのは、玄関を開けて中身、つまり公募要領や交付要綱を確認することです。

岡山県内でも物価高騰対策の支援金が増えています

最近、岡山県内で実施される支援金には、物価高騰による事業者の負担を軽減する制度が多く見られます。

例えば、電力価格の高騰によって大きな影響を受ける中小企業者などを対象に、電気使用量に応じて支援金を交付する制度があります。
また、市町村によっては、資材費の高騰に直面する農業者や、燃料費の負担が増えている漁業者などを対象とした支援制度が設けられることもあります。

これらの支援金は、新しい機械を購入したり、新商品を開発したりするためのお金というより、物価高騰によって増えた負担を軽減し、現在の事業を続けてもらうことを目的としています。

電気代や燃料費は、事業者の努力だけではなかなか下げられません。
「節電しよう」と思っても、真夏にエアコンを止めるわけにはいかないのがつらいところです。

こうした外部環境の変化による負担を和らげるために、支援金が設けられています。

補助金は新しい取り組みを後押しする制度

補助金は、国や自治体が進めたい政策に沿った取り組みを行う事業者に対し、必要な経費の一部を補助する制度です。

補助金の対象になりやすい取り組み

補助金では、例えば次のような取り組みが対象になります。

  • 新しい機械や設備を導入する
  • 店舗や事業所を改装する
  • 業務をデジタル化する
  • 新商品や新サービスを開発する
  • 広告やホームページを作成する
  • 省エネ設備へ更新する
  • 新たな販路を開拓する

つまり補助金は、事業者がこれから行う設備投資や新しい取り組みを後押しする制度として利用されることが多いものです。

補助金は原則として後払い

一般的な補助金では、申請時に事業計画書や見積書などを提出します。

その後、審査を経て交付決定を受けてから、設備の購入や工事などを行います。事業完了後には実績報告を提出し、内容が確認された後に補助金が支払われます。

そのため、補助金は原則として後払いです。

設備代や工事代などは、いったん事業者が支払う必要があります。
補助金が出るからといって、最初からお財布に入っているわけではありません。

資金繰りも含めて、事前に計画を立てることが大切です。

交付決定前の発注や購入に注意

補助金では、交付決定前に次のような行為をすると、補助対象外になる可能性があります。

  • 発注
  • 契約
  • 購入
  • 工事への着手
  • 代金の支払い

「申請したから、もう買っても大丈夫だろう」と先に動いてしまうのは危険です。

補助金では、フライングが失格につながることがあります。
スタートの合図である交付決定を確認してから進めましょう。

支援金は現在の負担を軽くする制度

一方、支援金は、物価高騰や災害、売上減少など、事業者自身の努力だけでは避けにくい事情によって生じた負担を軽減するために設けられることが多い制度です。

支援金が設けられる主な目的

支援金には、例えば次のような目的があります。

  • 電気料金の高騰による負担を軽減する
  • 燃料費や資材費の高騰に対応する
  • 災害で被害を受けた事業者を支援する
  • 売上が減少した事業者の事業継続を支える
  • 特定の地域や業種を支援する

先ほども説明した通り、補助金が「これから行う取り組み」を支援する制度だとすれば、支援金は「現在受けている影響」を軽減する制度と考えると分かりやすいでしょう。

支援金にはさまざまな種類があります

注意したいのは、「支援金」という言葉に統一された一つの意味があるわけではないことです。
同じ支援金という名前でも、目的や支給方法、必要書類は制度によって異なります。

一定額が支給される支援金

一定の条件を満たす人や事業者に、あらかじめ決められた金額を支給する制度です。

例えば、対象となる農業者に対して、1経営体当たり一定額を支給するような制度があります。

申請時には、対象者であることを確認するため、次のような書類を求められることがあります。

  • 確定申告書
  • 本人確認書類
  • 通帳の写し
  • 開業届
  • 事業を行っていることが分かる資料

使用量や負担額に応じて支給される支援金

電気使用量や燃料費、売上減少額などに応じて、支援金額を計算する制度もあります。

例えば、対象期間中の電気使用量に、決められた単価を掛けて支援額を算定する仕組みです。

この場合、次のような書類が必要になります。

  • 電気料金の請求書
  • 使用量が分かる明細
  • 支払いを確認できる書類
  • 対象期間中の利用状況が分かる資料

請求書をどこにしまったか分からない場合、申請より先に書類捜索大会が始まることもあります。
日頃から整理しておくと安心です。

特定の活動や事業に使う支援金

支援金という名称でも、起業や地域課題の解決など、特定の活動に必要な経費の一部を支援する制度があります。

このような制度では、次のような書類が必要になる場合があります。

  • 事業計画書
  • 収支予算書
  • 見積書
  • 実績報告書
  • 領収書や振込記録

手続きの内容は、補助金とあまり変わらないこともあります。

そのため、「支援金だから申請は簡単」とは限りません。

個人や世帯を対象とした支援金

支援金には、事業者だけでなく、個人や世帯を対象とするものもあります。

例えば、次のような制度です。

  • 移住支援
  • 子育て支援
  • 生活困窮者支援
  • 被災者支援

この場合は事業経費ではなく、住民票や所得、世帯構成、移住前後の居住地などの要件が確認されます。

支援金と補助金の違いを比較

一般的な違いを表にまとめると、次のようになります。

比較項目支援金補助金
主な目的物価高騰災害などによる負担軽減、事業継続の支援設備投資や販路開拓など、新しい取り組みの促進
金額の決まり方定額、使用量、売上減少額など対象経費に補助率を掛けて算定
主な審査内容対象者の要件や実際に受けた影響事業計画や取り組みの内容
対象経費問われない場合もある細かく決められていることが多い
実績報告不要な場合もある必要となる場合が多い
支給時期制度によって異なる事業完了後の後払いが多い

ただし、この表はあくまで一般的な傾向です。

支援金であっても対象経費が細かく決められている場合があります。
補助金であっても、比較的簡単な手続きで申請できる制度があります。

制度を検討するときは、名称だけで判断せず、必ず公募要領や交付要綱を確認しましょう。

支援金だから簡単にもらえるとは限りません

支援金と聞くと、「条件に当てはまれば、すぐにもらえるお金」という印象を持つ方もいるかもしれません。

確かに、事業計画を審査して採択者を決める補助金と比べると、一定の要件を満たせば支給される支援金もあります。

しかし、申請書を提出すれば無条件で受け取れるわけではありません。

支援金の申請で求められる主な書類

制度によっては、次のような必要書類の提出を求められます。

  • 確定申告書
  • 売上台帳
  • 電気料金や燃料費の明細
  • 請求書や領収書
  • 振込記録
  • 登記事項証明書
  • 開業届
  • 納税証明書
  • 本人確認書類
  • 振込先口座の確認書類

申請時には、提出された数字や書類が正しいかどうか確認されます。
また、申請後に追加資料を求められたり、支給後に調査が行われたりする場合もあります。

「無事に振り込まれたので、これで一件落着」とは限りません。
申請に使った書類は、支給後も適切に保管しておきましょう。

支援金の不正受給は絶対にしてはいけません

支援金や補助金は、公的なお金です。

対象者ではないにもかかわらず、虚偽の内容で申請したり、売上台帳や確定申告書、領収書などを偽造したりしてはいけません。

不正受給と判断される可能性がある行為

例えば、次のような行為は不正受給と判断される可能性があります。

  • 実際には事業をしていないのに、事業者として申請する
  • 売上額や電気使用量、燃料費などを偽る
  • 存在しない取引の請求書や領収書を作成する
  • 同じ経費について複数の制度へ重複申請する
  • 対象要件を満たしていないことを隠して申請する
  • 第三者から指示された虚偽の資料を提出する

不正受給が認定されると、支給決定が取り消され、受け取った支援金の返還を求められる可能性があります。

また制度によっては、加算金や延滞金が発生するほか、事業者名や氏名、所在地、不正受給額などが公表される場合もあります。
インターネット上で事業者名などが公表されれば、取引先や顧客、金融機関からの信用を失うおそれがあります。

「返せば済む」という話ではありません。
信用まで失うと、事業への影響は支援金の金額以上に大きくなる可能性があります。

申請代行を依頼しても申請者の責任は残ります

次のような理由があっても、不正申請が正当化されることはありません。

「知人も同じ方法で申請していた」
「申請代行業者から大丈夫だと言われた」
「簡単に申請できそうだった」

第三者に申請手続きを依頼した場合でも、申請内容に責任を負うのは、原則として申請者本人です。

申請前には、提出する数字や書類が事実に基づいているか、必ず申請者自身でも確認しましょう。

支援金を見つけたときに確認したい6つのポイント

気になる支援金を見つけたら、次のポイントを確認しましょう。

1.誰が対象になるのか

まずは、申請対象者の要件を確認します。

  • 所在地
  • 業種
  • 事業規模
  • 法人または個人事業主
  • 確定申告の有無
  • 事業継続の意思
  • 営業開始日

「倉敷市内の事業者が対象」と書かれていても、本店所在地が必要なのか、事業所があればよいのかなど、細かな条件が設けられている場合があります。

2.何を支援する制度なのか

制度の目的を確認します。

物価高騰対策なのか、電気代や燃料費の負担軽減なのか、売上減少への対応なのかによって、必要な資料が変わります。

3.支援額はどのように決まるのか

支援金額が定額なのか、使用量や経費に応じて変わるのかを確認します。

上限額や加算要件が設定されている場合もあります。

4.どのような書類が必要なのか

確定申告書や請求書、領収書、電気使用量の明細、納税証明書など、必要書類を準備できるか確認します。

必要書類がそろわなければ、対象者であっても申請できないことがあります。

5.ほかの支援金や補助金と併用できるのか

同じ経費や同じ負担について、別の補助金や支援金と重複して受給できない場合があります。

併用可能と書かれていても、国・県・市町村それぞれの制度で条件が異なることがあります。

6.申請期限はいつまでか

支援金には申請期限があります。

また、期限前でも予算額に達した場合に受付が終了したり、申請状況によって支援額が調整されたりする制度もあります。

「あとで確認しよう」と思っているうちに、締切だけが元気よく近づいてきます。
気になる制度を見つけたら、早めに内容を確認しましょう。

まとめ|支援金と補助金は名称ではなく制度の中身を確認しましょう

ということで、今回は 支援金と補助金の違いについて解説しました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。

支援金や補助金は、名称だけでは内容を判断できません。
対象者や支給要件、必要書類、申請期限などを確認し、自社が利用できる制度かどうかを見極めることが大切です。

当事務所では、倉敷市を中心に、事業者向けの補助金や各種支援制度に関するご相談をお受けしています。

「気になる支援金や補助金を見つけたものの、自社が対象になるか分からない」
「必要書類や申請手続きを整理したい」

そのような場合は、お気軽にご相談ください。
一緒に制度の内容を整理していきましょう。

行政書士やまもと事務所
🏠 岡山県倉敷市
🌐 https://tora-no-maki.com

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