~伝わる計画書を作るために必要なこと~
こんにちは、行政書士の山本です。
みなさんは「事業計画書」って聞いたことがありますか?
会社やお店を始めるとき、あるいは補助金を申請するときなどに必要な“事業の設計図”のようなものです。
「なんとなくレポートみたいにサクッと書けるんじゃないの?」
そう思っている人も多いかもしれませんが、実は事業計画書を本気で作ろうとすると、90時間から120時間くらいかかると言われています。
今回は、その理由と 伝わる計画書を作るために必要なポイントをわかりやすく解説していきます。
事業計画書って何をするためのもの?
事業計画書は、
・自分の考えているビジネスを「誰に」「どんな方法で」「どうやって続けていくのか」
・お金を出す人(銀行や補助金の審査員など)に納得してもらうため
に作成します。
つまり、「自分の思いや計画が、ちゃんと伝わること」がとても大切なんです。

どうしてそんなに時間がかかるの?
ただ書くだけじゃダメ!
事業計画書は、学校のレポートのように「とりあえず空欄を埋めればOK」というものではありません。
「なぜこのビジネスなのか?」
「どんな人が相手なのか?」
「どうやって売上を伸ばすのか?」
…こういった問いに対して、きちんと考えて、相手に“納得してもらえるように”書く必要があります。
表やグラフも必要!
文章だけでは伝わらない部分を、「見える化」するための資料作成も重要です。
・売上や経費の予想をまとめた収支計画表
・お客さんの特徴をまとめたターゲット分析グラフ
・商品やサービスの特徴を比較した比較表など
これらを作るには、データを集めたり、Excelでグラフを作ったりする手間がかかります。
何度も見直しが必要!
一度書いて終わり、ではありません。
「これで伝わるかな?」
「分かりやすいかな?」
と何度も読み返し、必要に応じて書き直すことになります。

たとえば、家族や友人に読んでもらって「ちょっと分かりにくい」と言われたら、さらに修正する。
そんな繰り返しが、実はとても大事なんです。
エビデンスもある「90~120時間」の現実
事業計画書をきちんと作成するには、それなりの時間がかかります。
実際に中小企業庁や支援機関の調査でも、
・計画書作成には90〜120時間程度かかる
・毎日夜2時間ずつ取り組んで2ヶ月かかった
・全部で100時間は超えた
といった体験談が多数見られます。
さらに最近では、経済産業省が監修した「事業計画策定ガイドブック(2024年版)」にも、こう明記されています。
「事業計画書を作成するためには、自社の現状を整理し、将来の目標を定め、そのための具体的なアクションや数値計画までを網羅的に検討する必要がある」
「市場環境分析、財務計画、商品・サービスの特性、組織体制の整備など、多岐にわたる項目を一つずつ検討・整理しなければならず、一定の時間と労力を要します」
つまり、事業計画書は「文章を書く」というよりも、“事業そのものを構想・設計し、未来の絵を描く”ための作業なんです。
参考リンク:
https://metashift.co.jp/wp-content/uploads/2024/02/guide.pdf
(経済産業省・事業計画策定ガイドブック)
分析や戦略を考えることが大切
事業計画書をじっくり作るには、「自分の会社やライバル、ターゲットとなるお客さん」についてもしっかり分析する必要があります。
これを助けてくれるのが、「フレームワーク」と呼ばれる分析の型です。
代表的なフレームワーク
・SWOT分析
自社の強み(Strength)、弱み(Weakness)、外部の機会(Opportunity)、脅威(Threat)を整理する
・3C分析
Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)から事業全体を把握する
・4P分析
Product(商品)、Price(価格)、Place(販路)、Promotion(宣伝)を整理して販売戦略を立てる
「自社の強みは何だろう?」
「競合と比べてどこが違う?」
「どんなお客さんをターゲットにする?」
…といった問いに向き合い、考えを深めていくことが、説得力のある事業計画書につながります。
じっくり考えることが成功への近道
このように、
・分析する
・データを集める
・表やグラフでまとめる
・伝わるように文章を練り直す
というプロセスがあるからこそ、事業計画書は“じっくり考える”ことがとても重要なんです。

「なんとなく書けばOK」と思って取り組むと、途中で行き詰まったり、審査で落ちてしまったりすることも…。
だからこそ、時間をかけてでも“伝わる計画書”を仕上げることが、成功への第一歩です。
まとめ
ということで、今回は、伝わる計画書を作るために必要なポイントをわかりやすく解説してみました。
本日のお話いかがでしたでしょうか。
事業計画書は「ただ書く」だけではなく、
「伝える」「納得してもらう」「説得力を持たせる」ことが求められます。
そのためには、時間も手間もかかりますが、それが事業成功のための土台作りでもあるのです。
事業計画は自社の現状や目標などを整理する必要があるため、
「一人で作るのは難しい」
「どうやって分析すればいいか分からない」
と思う方も多いかと思います。
そういうときは、専門家の力を借りるのもおすすめです。
行政書士やまもと事務所では、あなたの「思い」が伝わる事業計画書づくりをサポートしていますので、ぜひお気軽にご相談ください!
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