イベント共同出展に役立つ「合意書」の活用法|契約書との違いや具体的な使い道も解説

和解書・合意書・覚書・示談書

先日、ある個人事業主の方からこんなご相談をいただきました。

「個人事業主仲間と一緒に某イベントに共同出展をしたいんだけど、一部は遠方に住んでいる人や、直接は知らない人もいるので、契約書を交わしたいんですが作ってもらえますか?」

確かに、仲間同士で共同出展をすると「費用の分担」「当日の役割」「万が一のキャンセル」などをどう取り決めるかで、後々のトラブルに発展する可能性があります。
特に、距離が離れていたり、初めて顔を合わせる人が混じっている場合は、口約束のままでは安心できません。

そこで登場するのが「合意書」です。
合意書というと「トラブル解決の書類」のように思われがちですが、実際にはもっと柔軟に、日常的な協力関係や共同事業をスムーズに進めるためにも役立つ文書です。

今回は、この「合意書」について具体的な事例とともに解説していきます。

イベント共同出展で合意書を作るべき理由

展示会やイベントに仲間同士でブースを共同出展する際、よくある取り決めのポイントは次の通りです。

  • 費用の分担方法
     ブース代金を均等に割るのか、スペースの利用割合に応じて負担するのか。装飾費や配布物制作費は誰が立て替えるのか。
  • 売上や収益の取り扱い
     もし販売を行う場合、売上は各自管理か、共通口座で清算するのか。収益が出た場合の分配方法はどうするか。
  • 当日の役割分担
     誰が受付に立つのか、誰が接客するのか。シフト制にするのか。
  • キャンセルや欠席の対応
     直前で参加できなくなった人の費用はどう扱うのか。全額自己負担とするのか、他の参加者と折半するのか。

こうした取り決めを口頭で済ませてしまうと、後々「言った・言わない」で揉める原因になります。
そこで合意書として文書化しておけば、全員が安心して本来の目的(出展を成功させること)に集中できるのです。

合意書とは?契約書との違い

ここで、よくある質問が「合意書と契約書はどう違うのですか?」というものです。

  • 契約書
     新しい契約関係を結ぶための文書。売買契約書業務委託契約書などが代表的で、将来の紛争を予防するために細かい条項が整えられているのが特徴です。
  • 合意書
     すでに口頭やメールで合意した内容を、確認・証拠化するために文書にするケースが多い。必ずしも長文である必要はなく、数ページ程度のシンプルなものでも十分に効力を持ちます。

言葉のニュアンスとしては、契約書が「正式な法律文書」という響きがあるのに対し、合意書は「柔らかい確認書」「合意内容のメモ」に近い印象を与えるものです。
ただし、いずれも署名や押印があれば法的効力は同じです。

合意書を作るメリット

合意書を交わすメリットは大きく3つあります。

  1. トラブル防止
     後から「そんな約束はしていない」と言われるリスクを減らせます。
  2. 安心感の共有
     書面に残すことで、全員が同じ理解に立てる。心理的にも信頼が強まります。
  3. 将来の関係性を守る
     一度のイベント出展だけでなく、今後別のプロジェクトで協力する際にも「過去にきちんとルールを決められた」という実績が信頼につながります。

こんな時にも合意書は使えます

合意書はイベント共同出展に限らず、フリーランスや個人事業主の方のさまざまな場面で役立ちます。

  • 共同プロジェクトの報酬配分
     ライター・デザイナー・エンジニアなど複数人で案件を受ける場合に、報酬や責任範囲を明確にする。
  • セミナーやワークショップの共同開催
     会場費・広告費の分担、収益の分配方法を合意書で整理すれば、終了後の精算がスムーズに。
  • 顧客紹介や案件のシェア
     案件を紹介する際の紹介料率や支払方法、守秘義務を取り決めておくと安心。
  • 備品や機材の共同購入・利用
     高額な機材をシェアする場合、購入費用やメンテナンス費用の負担、利用ルールを合意書で決めておけます。
  • シェアオフィスやコワーキングスペースの共同利用
     家賃や光熱費の分担、利用時間、共用設備のルールなどを明文化することで無用な衝突を防げます。

これらはいずれも「契約書を結ぶほどではないが、口約束だけでは不安」というシーンです。
合意書を1枚交わすだけで、日常的なビジネス協力が格段にスムーズになります。

当事務所のサポートについて

当事務所 行政書士やまもと事務所では、フリーランスや個人事業主の方を中心に、合意書の作成やチェックを承っています。

  • 状況に応じたオーダーメイド作成
     人数・費用・関係性に応じて、過不足のない合意書をゼロから作成します。
  • 既存のひな形・ドラフトのチェック
     ネット上の雛形をそのまま使うのはリスクが高いため、必要に応じて修正・カスタマイズを行います。
  • 合意書以外の選択肢も提案
     内容によっては「契約書」「覚書」の方が適切な場合もあります。その違いを含めて最適な方法をご提案します。

仲間との信頼関係を守りながら、安心して事業に取り組むために、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

ということで、今回は 「合意書」について具体的な事例とともに解説してみました。
今回のお話 いかがでしたでしょうか。

合意書は、トラブルを解決するためだけの文書ではなく、「仲間と一緒に取り組むための安心ツール」です。

  • イベントや展示会の共同出展
  • フリーランス仲間での案件協力
  • セミナーやワークショップの共同開催
  • 機材やオフィスの共同利用

こうした日常的なビジネスシーンで、合意書は大きな力を発揮します。

契約書ほど仰々しくないからこそ、気軽に導入でき、そして法的効力も備えています。
今後の活動をスムーズに進めたい方は、ぜひ合意書の活用を検討してみてください。

行政書士やまもと事務所
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